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「捻挫」と「挫傷」
スポーツや日常生活でよく見聞きするケガの一つに「捻挫」と「挫傷」があります。しかし、これらの症状はどのような特性を持ち、どのように区別すれば良いのでしょうか。ここでは、「捻挫」と「挫傷」の違いについて詳しく解説します。
捻挫とは
捻挫は、関節を囲む靭帯が外力により過度に伸び、一部または全部が損傷する状態を指します。具体的には、足をひねったり、足首を捻ったりすることで発生します。捻挫は、痛みや腫れ、関節の動きの制限などの症状が現れます。重度の捻挫の場合は、靭帯が完全に断裂することもあります。
挫傷とは
挫傷は、外力により体組織が打撲を受け、その結果生じる損傷を指します。具体的には、落下や衝突により体が衝撃を受けると発生します。挫傷の主な症状には、打撲部位の痛み、腫れ、内出血(打撲した部分が青黒くなる)などがあります。
「捻挫」と「挫傷」の違い
発生原因と損傷部位の違い
捻挫と挫傷の一番の違いは、発生原因とその結果生じる損傷部位にあります。捻挫は関節を不自然にひねることで、関節を保護する靭帯に損傷が生じます。一方、挫傷は物理的な衝撃により体の組織が直接損傷するものです。
症状の違い
捻挫と挫傷はそれぞれ異なる症状を呈します。捻挫は、関節の痛みや腫れ、関節の動きの制限などが主な症状です。一方、挫傷は痛みや腫れの他に、衝撃を受けた部位の皮
膚下に内出血が現れることが特徴的です。
対処法の違い
捻挫と挫傷は、対処法にも違いがあります。捻挫は安静にすることが重要で、患部を高く保つことで腫れを軽減します。また、圧迫包帯を用いて靭帯に対する負荷を減らすことが推奨されます。一方、挫傷の場合は、冷却することで腫れや痛みを和らげることが一般的です。
捻挫と挫傷の具体的な例
捻挫の例
例えば、バスケットボールをしていて、足をひねってしまった場合、それは典型的な捻挫です。この場合、足首の関節を囲む靭帯が過度に伸びて損傷し、腫れや痛みが生じます。
挫傷の例
一方、自転車から転倒して膝を強打し、痛みや腫れが生じた場合、それは典型的な挫傷です。この場合、膝部位の皮膚下組織が打撲により損傷し、内出血が生じます。
以上のように、捻挫と挫傷は、発生原因、損傷部位、症状、対処法などにおいて異なる特性を持ちます。この違いを理解し、適切な対応を行うことで、ケガの回復を早めることができます。
(監修/医療ジャーナリスト・三山晴子)