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「録画が見つからない」を防ぐ。保存先を決定する会議形式の仕様を理解する
Teamsで会議を録画(レコーディング)した後、そのデータがどこに保存されたのか分からず、共有に手間取った経験はないでしょうか。かつてTeamsの録画はすべて「Microsoft Stream」という動画専用サービスに集約されていましたが、現在は「OneDrive for Business」または「SharePoint Online」に直接保存される仕様に変更されています。
この変更により、録画データは「動画ファイル」としてだけでなく、「Office文書と同様のファイル」として扱えるようになりましたが、一方で『会議の種類』によって保存場所が異なるという複雑さを生んでいます。本記事では、録画データが生成される技術的なプロセスと、保存先を即座に特定するための確認手順、さらには自動削除を防ぐための有効期限設定について詳説します。
結論:録画データの所在を決める2つのルール
- チャット・予定表の会議:録画を開始した人の「OneDrive」内にある「レコーディング」フォルダに保存される。
- チャネル内の会議:そのチームの「SharePoint」サイト内、チャネルごとの「Recordings」フォルダに保存される。
- Stream(オン SharePoint):動画の再生や編集は、Web版のStreamアプリを介してこれらのストレージ上のデータを参照する形で行う。
目次
1. 技術仕様:会議の種類による保存先の自動振り分けロジック
Teamsの録画データ(mp4形式)は、会議が「どこで」開催されたかによって、クラウドストレージ上の格納先がシステム的に決定されます。
保存場所の切り分け基準
・非チャネル会議(個人チャットやグループチャット):録画ボタンを押したユーザーの OneDrive / 自分のファイル / レコーディング フォルダに格納されます。会議の参加者には、このファイルへの「閲覧権限」が自動で付与されます。
・チャネル会議:チームのチャネル内で開催された場合、そのチームが裏側で使用している SharePointサイト / ドキュメント / チャネル名 / Recordings フォルダに格納されます。チームメンバー全員がアクセス可能です。
・1対1の通話:通話を開始した側のOneDriveに保存されます。
エンジニアリングの視点では、録画は「Streamという独立した箱」へ送られるのではなく、M365の標準的なファイル管理システム(ODSP:OneDrive/SharePoint)の一部として書き込まれるプロセスに進化しています。
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2. 実践:録画データを「最短」で見つけ出す3つのルート
保存フォルダを直接探す以外にも、TeamsのUIから録画にアクセスする効率的なルートが用意されています。
録画確認の具体的な手順
- チャット履歴から:会議終了後、その会議のチャットスレッドに録画のサムネイルが表示されます。ここをクリックすると、ブラウザで動画が再生されます。
- 「ファイル」タブから:チャネル会議の場合、チャネル上部の「ファイル」タブ > 「Recordings」フォルダを確認します。
- Streamアプリから:Office.com(M365ポータル)から「Stream」アプリを起動します。「最近のアイテム」に作成した録画がリストアップされます。
※ヒント:録画を開始した本人が退職などでアカウント削除された場合、OneDrive上の録画も削除されるリスクがあるため、重要なデータは速やかに共有領域(SharePoint)へ移動させるのが実務上の定石です。
3. 技術的洞察:視聴・編集の「権限」と共有の範囲
録画データの取り扱いで最も多いトラブルが「権限不足で見られない」というものです。これは保存先の権限設定が自動的に適用されるためです。
権限の自動付与ルール
・録画開始者(所有者):ファイルの所有権を持ち、編集、ダウンロード、削除、共有設定の変更が可能です。
・会議の開催者:録画者でなくても、共同所有者としての権限を持つ場合があります。
・会議の出席者:自動的に「閲覧のみ」の権限が与えられますが、外部ユーザー(ゲスト以外)は自動付与の対象外となることが多く、手動での共有操作が必要です。
もし外部の人に録画を見せたい場合は、OneDrive/SharePoint上でファイルを選択し、「共有」ボタンから相手のアドレスを追加して「リンクを知っている全員」または「特定の人」に権限を拡張する必要があります。
4. 高度な設定:勝手に消える?「録画の有効期限」の解除と延長
現在のTeams録画には、ストレージ容量を圧迫しないよう「自動削除」の仕組みが組み込まれています。デフォルトでは「120日間(組織設定により異なる)」が経過すると、ファイルはゴミ箱へ移動します。
有効期限の変更方法
- ブラウザで録画を開きます。
- 動画プレーヤーの右上の「(i) 詳細」または動画下の情報欄を確認します。
- 「有効期限」の日付が表示されている箇所をクリックします。
- 「期限を延長する」または「期限を削除する」を選択します。
組織全体でこの期限を無効化したい場合は、管理者がTeams管理センターの「会議ポリシー」から設定を変更する必要があります。プロジェクトの記録として永久保存が必要な場合は、必ずこの「有効期限」のチェックを忘れないようにしてください。
5. 運用の知恵:Stream(クラシック)との違いと新機能の活用
「Stream(オン SharePoint)」への移行により、動画の扱いやすさは格段に向上しました。
・トランスクリプト(文字起こし):録画時に「文字起こし」を有効にしていれば、動画の横にテキストが表示され、特定のキーワードで動画内の発言箇所を検索できます。
・チャプター機能:長い会議の場合、Streamの編集画面からチャプター(目次)を設定できます。後から閲覧するメンバーが、必要なセクションだけを効率的に視聴できる環境を整えることができます。
・インライン再生:Teams内のチャット欄で動画を直接再生できるようになったため、ブラウザへ遷移するストレスが軽減されています。
このように、録画を「撮りっぱなし」にするのではなく、インデックス(索引)を付与して「再利用可能なナレッジ」へと昇華させることが、デジタルワークプレイスにおける高度な情報管理術です。
まとめ:Teams録画の保存先・確認チャート
| 会議の種類 | 保存先ストレージ | フォルダ名 |
|---|---|---|
| 個人・グループチャット | OneDrive (録画者の) | レコーディング (Recordings) |
| チームのチャネル会議 | SharePoint (チームの) | チャネル名 > Recordings |
| 1対1の通話 | OneDrive (開始者の) | レコーディング (Recordings) |
| 外部ユーザーへの共有 | (保存先で個別設定) | 「共有」メニューから権限付与 |
Teamsの録画が見当たらない時は、まず「その会議はチャネルで行われたか、それ以外か」を判断してください。保存先がOneDriveかSharePointかが分かれば、あとは標準のファイル操作と同じように扱うことができます。また、動画は一定期間で消える可能性があることを念頭に置き、重要な記録については有効期限の解除や、適切な共有フォルダへの移動を習慣化しましょう。データの所在を論理的に把握し、ナレッジとして正しく管理することが、チーム全体の生産性を底上げする鍵となります。
この記事の監修者
超解決 リモートワーク研究班
Microsoft 365の導入・保守を専門とするエンジニアグループ。通信障害やサインイン不具合など、ビジネスインフラのトラブル対応に精通しています。
