【Windows】ファイルを消そうとすると「管理者権限が必要です」と出る時の「フルコントロール」取得法

【Windows】ファイルを消そうとすると「管理者権限が必要です」と出る時の「フルコントロール」取得法
🛡️ 超解決

自分が管理者(Administrator)としてログインしているはずなのに、ファイルを削除したりフォルダ名を変更しようとすると「この操作を実行するアクセス許可が必要です」という警告が出る。Windowsを使用していると、このような所有権の不一致によるトラブルに遭遇することがあります。システムファイルだけでなく、古いHDDから移行したデータなどで頻発するこの問題を、フォルダの「所有権」と「フルコントロール権限」を手動で取得することで解決する手順を解説します。

  • ⏱ 解決時間: 5分
  • 💻 対象OS: Windows 10 / 11
  • 🛠 難易度: 中級〜上級(セキュリティ設定の操作)
  • ✅ 期待効果: ファイル・フォルダの削除、書き換えの自由化

1. なぜ「管理者」なのに拒否されるのか?

Windowsには「ユーザーアカウントの種類」とは別に、ファイル一つひとつに「誰が主人か(所有者)」と「誰が何をしていいか(アクセス許可)」という詳細なセキュリティ情報が記録されています。

たとえあなたが管理者であっても、そのフォルダの所有者が「System」や「TrustedInstaller」であったり、以前の古いWindowsのユーザーIDだったりする場合、今のあなたのアクセスは「部外者」として拒絶されてしまうのです。

2. 手順①:フォルダの「所有権」を自分に変更する

まず、そのフォルダの主(あるじ)を現在の自分に変更します。

  1. 対象のファイルやフォルダを右クリックし、[プロパティ] を開きます。
  2. [セキュリティ] タブをクリックし、右下の [詳細設定] をクリックします。
  3. 「所有者:」の右にある [変更] をクリックします。
  4. 「選択するオブジェクト名を入力してください」の欄に、現在ログインしているユーザー名(または Administrators)を入力し、[名前の確認] を押します。
  5. 下線が引かれたら [OK] を押します。
  6. 「サブコンテナーとオブジェクトの所有者を置き換える」 にチェックを入れ、[OK] を押します。

3. 手順②:自分に「フルコントロール権限」を付与する

所有者になっただけでは不十分な場合があります。次に、自分に対して「読み書き・削除」の全権限を与えます。

  1. 再度プロパティの [セキュリティ] タブを開き、[編集] をクリックします。
  2. [追加] をクリックし、先ほどと同じユーザー名を入力して [OK] を押します。
  3. 追加されたユーザー名を選択し、下の「アクセス許可」欄で [フル コントロール] の [許可] にチェックを入れます。
  4. [OK] を押して全ての画面を閉じます。

4. 【コマンド版】一気に権限を取得する(プロ向け)

マウス操作が面倒な場合、管理者権限のコマンドプロンプトから一発で権限を奪取できます(例:DドライブのTestフォルダに対して実行)。

  • takeown /f "D:\Test" /r /d y(所有権の取得)
  • icacls "D:\Test" /grant Administrators:F /t(フルコントロール付与)

このコマンドを使えば、サブフォルダを含む数千個のファイルに対しても、数秒でアクセス許可を一括付与できます。

5. セキュリティ上の注意点:やってはいけないこと

対象 注意点
C:\Windows フォルダ OSの根幹です。むやみに権限を変えるとWindowsが起動しなくなります。
Everyone への許可 「全員」にフルコントロールを与えると、ウイルス被害が拡大しやすくなります。
System 権限の削除 Windows本体がファイルに触れなくなり、深刻なエラーの原因になります。

まとめ:「所有者」と「許可」のセットで直る

「管理者権限が必要です」というエラーは、実は管理者であれば簡単に突破できる壁です。「まず所有者になり、次に自分へフルコントロールを許可する」。この2段階の手順さえ知っていれば、OSの再インストールを検討していたような重い「アクセス拒否」問題も、わずか数分で解決できます。PCの主導権を自分の手に完全に取り戻し、ストレスのないファイル操作を実現しましょう。