Wi-Fiのアイコンは出ているし、電波も届いているはずなのに、なぜかブラウザを開くと「インターネットに接続されていません」と表示される。Windows 10や11で頻発するこの「接続済み、インターネットなし」の状態や、地球儀マークの表示は、多くの場合パソコン固有のIPアドレスの競合、あるいはDNS情報の不整合が原因です。ルーターを再起動しても直らない場合の、OS深部の設定リセット手順を解説します。
- ⏱ 解決時間: 10分
- 💻 対象OS: Windows 10 / 11
- 🛠 難易度: 中級(コマンド操作あり)
- ✅ 期待効果: ネットワーク通信の正常化、IPアドレスの再取得
目次
1. 「接続済み、インターネットなし」が発生する主な原因
電波が届いているのにネットが使えない場合、ハードウェアではなく「通信のルール(プロトコル)」の段階でエラーが起きています。
- IPアドレスの競合: 家庭内や社内の他のデバイスと同じ番号を名乗ろうとして、通信が拒否されている。
- DNSキャッシュの汚染: 過去の接続先情報が残り、新しい正しい接続先を見つけられなくなっている。
- DHCPサーバーの応答停止: ルーターが新しい番号(IPアドレス)を割り当てるのをサボっている。
2. 解決手順①:IPアドレスを「手放して、掴み直す」
まず試すべきは、今持っている中途半端なIPアドレスを一度リセットし、ルーターから新しい番号を貰い直すことです。
- スタートメニューで cmd と検索し、[管理者として実行] を選択します。
- 以下のコマンドを順番に1つずつ入力し、Enterキーを押してください。
ipconfig /release(現在のIPアドレスを解放する)ipconfig /renew(新しいIPアドレスを要求する)
※実行後、数秒〜数十秒待ってネットに繋がるか確認してください。
3. 解決手順②:DNSキャッシュとソケットのリセット
手順①で直らない場合は、Windows内のネットワーク設定そのものをクリーンアップします。
- 同じ管理者権限のコマンドプロンプトに、以下のコマンドを入力します。
ipconfig /flushdns(DNSキャッシュをクリア)netsh winsock reset(ネットワークの基本設定を初期化)
- 必ずパソコンを再起動してください。
4. 解決手順③:ネットワークアダプターの再インストール
ソフトウェア的な設定ではなく、Wi-Fiを受信するための「ドライバ」に不具合がある場合に有効です。
- Windowsキー + X を押し、[デバイス マネージャー] を開きます。
- [ネットワーク アダプター] を展開し、名前に「Wi-Fi」や「Wireless」と付く項目を右クリックします。
- [デバイスのアンインストール] をクリックします。※「このデバイスのドライバーを削除しようとしました」にはチェックを入れないでください。
- アンインストール後、PCを再起動します。
- 再起動時に、Windowsが自動で最適なドライバを再インストールします。
5. チェックリスト:設定ミスがないかの確認
| 確認項目 | 正しい状態 |
|---|---|
| 機内モード | オフ。オンだとWi-Fiが強制遮断されます。 |
| 固定IP設定 | 通常は「IPアドレスを自動的に取得する」を選択。 |
| 省電力設定 | アダプターの設定で「電源の節約のために、コンピューターでこのデバイスの電源をオフにできるようにする」をオフに。 |
まとめ:ルーターではなく「PC側」に原因がある時は
他のスマホなどは繋がっているのに自分のPCだけが「インターネットなし」になる場合、原因は100%パソコン内部の設定にあります。コマンド一発でIPを再取得し、DNSを掃除する。このネットワーク管理の基本操作をマスターするだけで、不意に訪れる通信トラブルの多くは自己解決可能になります。地球儀マークを見ても焦らず、まずはプロンプトを立ち上げることから始めましょう。
