Zoom会議中に音声が途切れたり、相手の声が聞き取りにくくなったりすると、会話に集中できずストレスが溜まります。この問題の多くは、ネットワーク帯域が不足していたり、Zoomのトラフィックが他の通信と競合したりすることが原因です。本記事では、WindowsやmacOSのQoS(Quality of Service)設定やZoomクライアント内の帯域幅調整を行うことで、音声を安定させる具体的な手順を解説します。
【要点】音声途切れを防ぐネットワーク優先度設定
- WindowsのQoSポリシー: グループポリシーエディターでZoomプロセスのDSCP値を46に設定し、ルーターやネットワーク機器がZoomのパケットを優先的に扱うようにします。
- macOSのQoS設定: ターミナルからネットワークサービス品質機能を使い、Zoomに高い優先度を割り当てます。
- Zoomクライアントの帯域幅設定: 設定画面の「オーディオ」タブで「帯域幅の最適化」を有効にし、音声に十分な帯域を確保します。
ADVERTISEMENT
目次
なぜ音声が途切れるのか
Zoomの音声はリアルタイムで送受信されるため、ネットワークの帯域幅が不足したり、パケットロスが発生したりすると、音声データが欠落して途切れが生じます。特に、自宅のWi-Fi環境で家族が動画視聴やゲームをしている場合、回線が混雑してZoomのパケットが遅延したり廃棄されたりします。このような状況では、Zoomのトラフィックに優先順位を付けるQoS設定が効果的です。QoSは、通信データに優先度をマークし、ルーターやスイッチがそのマークに従って転送を制御する仕組みです。また、Zoomクライアント内部でも、音声用の帯域幅を自動調整する機能がありますが、これを適切に設定することでさらに安定します。
ネットワーク優先度を設定する手順
WindowsでZoomのトラフィックを優先する
- グループポリシーエディターを開く
キーボードの「Windowsキー+R」を押し、「ファイル名を指定して実行」ダイアログに「gpedit.msc」と入力してEnterキーを押します。管理者権限が必要な場合があります。 - QoSポリシーを作成する場所に移動
左側のメニューから「コンピューターの構成」→「管理用テンプレート」→「ネットワーク」→「QoSパケットスケジューラ」の順に展開します。 - 新しいポリシーを作成
右側の「QoSベースの優先順位付けポリシーを作成する」をダブルクリックします。ポリシー名に「Zoom Audio」と入力し、「DSCP値」を「46」に設定します。DSCP 46は音声通信用の優先度で、多くのルーターでサポートされています。 - アプリケーション名を指定
「次へ」をクリックし、「このQoSポリシーは指定のアプリケーションにのみ適用されます」を選択します。アプリケーション名に「zoom.exe」と入力します。Zoomの実行ファイル名は環境により「Zoom.exe」の場合もあるので注意してください。 - ポリシーを適用
「次へ」で設定を確認し、「完了」をクリックします。ポリシーを有効にするために、コマンドプロンプトを管理者として開き「gpupdate /force」と実行すると即座に反映されます。
macOSでZoomのトラフィックを優先する
- ターミナルを開く
アプリケーションユーティリティフォルダから「ターミナル」を起動します。またはSpotlightで「ターミナル」と検索して開きます。 - ZoomプロセスのPIDを確認
ターミナルに「ps aux | grep zoom」と入力し、ZoomのプロセスID(PID)を確認します。複数表示された場合は、メインのプロセス(例: /Applications/Zoom.app/Contents/MacOS/Zoom)を選びます。 - 優先度を設定するコマンドを実行
「sudo renice -20 PID」と入力します(PIDは実際の数字に置き換えます)。ここで「-20」は最も高い優先度です。通常のプロセスは0で動作するため、-20に設定することでCPUの優先度が上がりますが、ネットワーク優先度も間接的に向上します。ネットワーク専用のQoS設定には「tc」(トラフィックコントロール)を使用することもできますが、ここでは簡易的にreniceを用います。より本格的なQoS設定が必要な場合は、サードパーティのツールを検討してください。 - 設定を永続化する
毎回手動で設定するのは面倒なため、launchdを使って自動化することも可能です。ただし、初心者には難易度が高いため、最初は手動で試すことをおすすめします。
Zoomクライアントの帯域幅設定を変更する
- Zoom設定画面を開く
Zoomアプリを起動し、右上の自分のアイコンまたは歯車アイコンをクリックして「設定」を開きます。 - オーディオタブに移動
左メニューから「オーディオ」を選択します。 - 帯域幅の最適化を有効にする
「オーディオ設定」セクションの「帯域幅の最適化」にチェックを入れます。このオプションを有効にすると、Zoomは利用可能な帯域幅を自動的に検出し、音声品質を優先して調整します。 - 音楽とモノラルの設定
必要に応じて「高忠実度音楽モード」や「モノラル」の設定も確認します。モノラルにすると音声データが半分になるため、低速回線でも途切れにくくなります。
設定時の注意点
ルーターのQoS設定も併用する
OSやZoomクライアントの設定だけでは、ルーターがパケットを優先しない場合があります。ルーターの管理画面にログインし、「QoS」や「帯域制御」の項目でZoomのトラフィック(ポート番号はZoomの公式ドキュメントを参照)を優先するルールを追加してください。多くの家庭用ルーターでは「アプリケーション優先設定」でZoomを選択するだけで設定できます。
有線接続を優先する
Wi-Fiは電波干渉や距離の影響を受けやすいため、可能であれば有線LANで接続しましょう。特にQoS設定をしても、無線環境ではパケットロスが生じやすいです。イーサネットケーブルを使うことで、最も安定した通信が得られます。
他のアプリケーションの帯域制限
会議中は、ブラウザで動画を再生したり、大容量ファイルをダウンロードしたりしないようにしましょう。また、Windowsの「データ使用量」設定で、Zoom以外のアプリに帯域制限をかけることも有効です。設定→ネットワークとインターネット→データ使用量→バックグラウンドデータの制限を有効にします。
ADVERTISEMENT
各設定方法の比較
| 設定方法 | 効果 | 難易度 | 永続性 |
|---|---|---|---|
| Windows QoSポリシー | ネットワーク全体で優先度をマークするため、ルーターが適切に処理すれば高い効果 | 中程度 | 恒久的 |
| macOS renice | CPU優先度が上がるがネットワーク優先度への影響は限定的 | やや難しい | 手動 |
| Zoomクライアント設定 | アプリ内で帯域幅を調整するため、設定が簡単で効果を感じやすい | 簡単 | 恒久的 |
まとめ
この記事では、Zoomの音声途切れを改善するためのネットワーク優先度設定について解説しました。まずZoomクライアントの帯域幅最適化を有効にし、それでも問題が続く場合にWindowsやmacOSのQoS設定、さらにはルーターの設定を試すことで、安定した音声通話が期待できます。まずはZoomの設定から見直し、必要に応じてOSの設定を追加してみてください。また、有線接続や会議中の帯域消費アプリの制限も併せて行うと、より効果的です。音声品質を高めて快適なミーティングを実現しましょう。
ADVERTISEMENT
超解決 第一編集部
疑問解決ポータル「超解決」の編集チーム。正確な検証と、現場視点での伝わりやすい解説を心がけています。
Zoomの人気記事ランキング
- 【Zoom】画面共有ができないときの権限確認と再接続手順
- 【Zoom】カメラが映らないときの原因と直し方!権限と機器の確認手順
- 【Zoom】チャット機能の使い方とファイル送信の制限
- 【Zoom】共有画面の操作権を相手に渡すリモートコントロール手順
- 【Zoom】ブレイクアウト中に全員にメッセージを送る方法
- 【Zoom】Zoomを最新バージョンに更新する手順と自動更新の設定
- 【Zoom】Zoomアプリが起動しないときの再インストールと修復手順
- 【Zoom】Bluetoothヘッドセットの音声がZoomで使えないときの対処
- 【Zoom】「ホストが画面共有を無効にしています」と出る対処法
- 【Zoom】iPhoneやiPadの画面をZoomで共有する手順
