USBメモリにファイルを保存しようとしたり、不要なデータを消そうとしたら、「ディスクは書き込み禁止になっています。書き込み禁止を解除するか、別のディスクを使ってください」というエラーが出て弾かれる……。
「SDカードの横にあるロックスイッチは解除しているのに直らない」「フォーマット(初期化)すらさせてもらえない」。
これは、Windowsシステムがそのドライブに「読み取り専用(Read Only)」のタグを貼り付けてしまっている状態です。
この記事では、物理的な確認から、コマンドを使った「デジタルロックの強制解除」手順、そしてレジストリ操作による修復法を解説します。
目次
手順1:【物理チェック】SDカード変換アダプタの「ツメ」を見る
基本中の基本ですが、SDカード(またはmicroSD変換アダプタ)を使っている場合、左側面に小さなスライドスイッチが付いています。
- このスイッチが下側(Lockと書かれた方)に下がっていませんか?
- もし下がっていたら、上側にスライドさせてロックを解除してください。
- 重要: このスイッチが緩くなっていて、PCに挿入した瞬間に物理的にズレてロックがかかるケースも多いです。セロハンテープなどで固定して試してみてください。
USBメモリの場合は物理スイッチがないことがほとんどなので、次の手順へ進んでください。
手順2:【最強コマンド】Diskpartで「読み取り専用」を消去する
物理的に問題がない場合、内部データとして「書き込み禁止属性」が付与されています。
Windows標準の管理ツールを使って、この属性を強制的にはがします。
- 書き込み禁止になっているUSBメモリやSDカードをPCに接続します。
- スタートボタンを右クリックし、[ターミナル (管理者)] または [コマンドプロンプト (管理者)] を開きます。
- 以下のコマンドを順番に入力し、都度Enterキーを押してください。
(※>の部分は入力不要です)
// 管理ツールを起動
diskpart
// ディスクの一覧を表示(容量を見てUSBを特定する)
list disk
// ターゲットを選択(※数字は自分の環境に合わせて変える!)
select disk 1
(※容量を見て、絶対に間違えないように!HDDを選ぶと大変です)
// 読み取り専用属性をクリアする
attributes disk clear readonly
// 終了
exit
「ディスクの属性が正しく消去されました」と表示されたら、ウィンドウを閉じて、ファイルが保存できるか試してください。
手順3:レジストリの「WriteProtect」を修正する
手順2でも直らない場合、Windowsの設定自体が「外部メモリへの書き込み禁止」になっている可能性があります。
- キーボードの [Windows] + [R] キーを押し、
regeditと入力して [OK] を押します。 - 左側のツリーを以下の順にたどります。
HKEY_LOCAL_MACHINE>SYSTEM>CurrentControlSet>Control - 「Control」の中に [StorageDevicePolicies] というフォルダ(キー)はありますか?
- ある場合: それをクリックし、右側の [WriteProtect] をダブルクリックして、値を 0 にします。
- ない場合: ほとんどの人はありません。この手順はスキップしてOKです(原因は別です)。
手順4:それでもダメなら「寿命(故障)」のサイン
上記のすべてを試しても「書き込み禁止」が消えない場合、残念ながらそのUSBメモリやSDカードは「寿命」を迎えています。
💀 なぜ書き込み禁止になる?
フラッシュメモリは、書き換え回数の限界が来たり、内部チップが破損すると、「これ以上データを壊さないように(データを保護するために)」自動的にロックを掛けて「読み取り専用モード」に移行する仕組みになっています。
つまり、データが読める今のうちに中身をPCへコピー(救出)し、新しいメディアに買い替えてください。 このロックは二度と解除できません。
まとめ:コマンドで直らなければ寿命
書き込み禁止トラブルの解決チャートです。
| チェック対象 | 対処法 | 結果 |
|---|---|---|
| SDカード側面 | ロックスイッチ解除 | 物理ロック解除 |
| 属性エラー | Diskpartコマンド | ◎ 内部ロック解除 |
| 故障・寿命 | 買い替え(データ救出) | 修復不可能 |
Diskpartコマンド(attributes disk clear readonly)は非常に強力です。
これで解除できない「書き込み禁止」は、メモリからの「もう引退させてくれ」というメッセージだと受け取りましょう。
