外付けHDDやUSBメモリを開こうとしたら、突然「ドライブ E: 使うにはフォーマットする必要があります」や「ファイルまたはディレクトリが壊れているため、読み取ることができません」というエラーが出て、中のデータにアクセスできなくなった……。
「データが全部消えた!?」とパニックになりそうですが、まだ諦めないでください。
これは、HDDの目次データ(ファイルシステム)が一時的にバグっているだけで、中身の写真や書類は無事なケースが大半です。
この記事では、Windowsに標準搭載されている強力な修復コマンド「CHKDSK(チェックディスク)」を使って、エラーを解消し、再びドライブを開けるようにする手順を解説します。
目次
手順1:エラーが出ている「ドライブ文字」を確認する
修復コマンドを使うには、「どのドライブを直すか」を指定する必要があります。
- エクスプローラー(PC)を開きます。
- 開けなくなっているHDDやUSBメモリの横にあるアルファベットを確認します。
(例:ローカルディスク (D:) や USBドライブ (E:) など)
※ここでは仮に「Eドライブ」として解説します。自分の環境に合わせて読み替えてください。
手順2:【魔法のコマンド】CHKDSKを実行する
黒い画面(コマンドプロンプト)を使って、Windowsに強制的な修復命令を出します。
⚠️ 注意
コマンド実行中は、絶対にケーブルを抜いたり電源を切ったりしないでください。データが完全に破損する恐れがあります。
- スタートボタンを右クリックし、[ターミナル (管理者)] または [コマンドプロンプト (管理者)] を開きます。
(※必ず「管理者」で開いてください) - カーソルが点滅している場所に、以下のコマンドを半角で入力します。
chkdsk e: /fchkdsk= チェックディスク命令e:= 直したいドライブ(Dドライブならd:に変える)/f= エラーを自動修復せよ(Fix)というオプション
- 入力間違いがないか確認して、[Enter] キーを押します。
手順3:修復完了を待つ
Enterキーを押すと、英語の文字がズラズラと流れ始め、ドライブの検査と修復が始まります。
- 「Stage 1」「Stage 2」… と進んでいきます。
- 容量や破損具合によっては、数分〜数時間かかる場合があります。
- 最後に 「Windows has made corrections to the file system(ファイルシステムを修正しました)」 というようなメッセージが出れば成功です。
黒い画面を閉じ、エクスプローラーからHDDが開けるか確認してください。
嘘のようにフォルダが見られるようになっているはずです。
手順4:コマンドが失敗する場合(RAW状態)
もしコマンド実行直後に「ファイルシステムの種類は RAW です。RAW ドライブに CHKDSK は使用できません。」と表示された場合、重症です。
これはドライブの目次が完全に崩壊しており、Windows標準機能では直せない状態です。
この場合は以下の選択肢になります。
- データが不要な場合:
エラー画面の指示通り「フォーマット(初期化)」を行えば、HDD自体は再び使えるようになります(中身は空になります)。 - データが必要な場合:
「TestDisk」などの高度なフリーソフトを使うか、市販の「データ復旧ソフト」を試す必要があります。絶対にフォーマットしてはいけません。
まとめ:フォーマットする前にCHKDSK
「読み取れません」エラーの対処まとめです。
| エラー状況 | 対処法 | データ生存率 |
|---|---|---|
| 壊れているため読み取れません | chkdsk /f | ◎ 高い |
| パラメーターが間違っています | chkdsk /f | ◯ まあまあ高い |
| RAWドライブです | 復旧ソフトが必要 | △ 専門的 |
このエラーは、USBを安全に取り外さずに引っこ抜いた時などに発生します。
「フォーマットしますか?」には[キャンセル]を押し、まずは落ち着いて「chkdsk」を試してください。
