【Windows】「アクセスが拒否されました」でフォルダが開けない!「所有権」を強制変更してデータを取り出す方法

【Windows】「アクセスが拒否されました」でフォルダが開けない!「所有権」を強制変更してデータを取り出す方法
🛡️ 超解決

「壊れたPCから取り出したHDDを新しいPCに繋いだら、フォルダを開こうとするたびに『アクセスが拒否されました』と怒られる」「自分のファイルなのに『このフォルダーへアクセスする許可がありません』と言われて中身が見られない」……。

管理者(Administrator)であるはずの自分がなぜ? とイライラしますが、これはWindowsのセキュリティ機能が正しく働いている証拠です。
そのフォルダの「持ち主(所有者)」の名義が、前のパソコンのユーザー情報のままになっているため、今のパソコンのあなたが「部外者」扱いされているのです。

この記事では、フォルダの名義を現在のユーザーに書き換える「所有権の取得」を行い、ロックされたデータを自由に開けるようにする手順を解説します。

手順1:【GUI編】プロパティから「所有者」を変更する

マウス操作で設定する方法です。手順が多いですが、最も確実な正規の方法です。

  1. 開けないフォルダ(またはドライブそのもの)を右クリックし、[プロパティ] を選びます。
  2. 上部の [セキュリティ] タブをクリックし、右下の [詳細設定] ボタンを押します。
  3. 「セキュリティの詳細設定」画面が開きます。上の方にある「所有者:」の横の [変更] という青い文字をクリックします。

ユーザーの指定

  1. 「ユーザーまたはグループの選択」という画面が出ます。
  2. 下の大きな入力欄に Everyone(すべての人)と入力し、[名前の確認] ボタンを押します。
    (※下線が引かれればOKです。自分だけにしたい場合は自分のユーザー名を入れてください)
  3. [OK] を押して画面を閉じます。

サブフォルダへの適用(重要)

  1. 詳細設定画面に戻りますが、所有者が「Everyone」に変わっているはずです。
  2. そのすぐ下に出現した [サブコンテナーとオブジェクトの所有者を置き換える] にチェックを入れます。
    (※これを忘れると、フォルダの中身がまだロックされたままになります)
  3. [適用] ボタンを押します。
  4. 「所有権を取得しました〜」というメッセージが出たら [OK] で閉じます。

一度すべてのプロパティ画面を閉じてから、フォルダが開けるか試してください。

手順2:まだ開けない場合の「アクセス許可」追加

所有者を変えても「アクセス許可」がない場合があります。続けて以下の設定を行います。

  1. 再びフォルダの [プロパティ] > [セキュリティ] > [詳細設定] を開きます。
  2. 左下の [追加] ボタンを押します。
  3. [プリンシパルの選択] をクリックし、先ほどと同様に Everyone と入力して [OK] します。
  4. 「基本のアクセス許可」のリストで [フル コントロール] にチェックを入れます。
  5. [OK] を押して戻ります。
  6. 詳細設定画面の下にある [子オブジェクトのアクセス許可エントリをすべて置き換える] にチェックを入れます。
  7. [適用] > [はい] > [OK] で閉じます。

これで完全に「誰でも読み書き自由」な状態になりました。

手順3:【時短ワザ】コマンド一発で所有権を奪う

手順1〜2はクリック数が多くて大変です。黒い画面(コマンドプロンプト)を使えば、たった2行で同じ処理が完了します。

💻 コマンドの使い方

  1. スタートボタンを右クリックし、[ターミナル (管理者)] または [コマンドプロンプト (管理者)] を開きます。
  2. 以下の2つのコマンドを順番に入力してEnterキーを押します。
    (※ D:\LockedFolder の部分は、開きたいフォルダのパスに書き換えてください)

① 所有権を取得する:

takeown /f "D:\LockedFolder" /r /d y

② フルコントロール権限を与える:

icacls "D:\LockedFolder" /grant Administrators:F /t

処理が終われば、すぐにアクセス可能になります。

手順4:緑色の文字(暗号化)の場合は諦める

もし、ファイル名が「緑色」で表示されていて開けない場合、それはアクセス権の問題ではなく「EFS(ファイルシステム暗号化)」がかかっています。

  • これは「暗号化した時のユーザー(元のPCのログイン情報)」がいないと絶対に開けません。
  • 所有権を取得しても、「アクセスが拒否されました」と弾かれます。
  • 元のPCで暗号化を解除するか、証明書(キー)をバックアップしていない限り、復旧は不可能です。

まとめ:管理者でも「所有者」ではない

アクセス拒否解除のステップです。

ステップ 設定内容 意味
1 所有者の変更 名義を自分(Everyone)にする
2 サブコンテナーの置換 中身もまとめて名義変更
3 フルコントロール付与 読み書きの鍵を渡す

「自分はPCの管理者だから何でもできるはず」と思いがちですが、NTFSの世界では「所有者」が絶対です。
古いHDDのデータを取り出す際は、まずこの「所有権の取得」が通過儀礼となります。