SharePointのページでWebパーツが表示されない問題は、日常的に遭遇するトラブルの一つです。しかし原因はユーザー権限からブラウザ環境、サーバー設定まで多岐にわたるため、適切な切り分けが求められます。本記事では、Webパーツが表示されない場合に確認すべき項目を体系的にまとめました。実務の流れに沿って原因を特定し、次の行動を決定するための手引きとしてご活用ください。
【要点】この記事で確認すること
- 最初に見る場所: ページの権限設定とWebパーツのプロパティ(特にターゲットオーディエンス)
- 切り分けの軸: 全ユーザーか特定ユーザーか、全ブラウザか特定ブラウザか、編集モードと表示モードの違い
- 注意点: 会社PCではブラウザの拡張機能やセキュリティ設定を変更する前に、必ず管理者に相談してください
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Webパーツが表示されない主な原因
原因は大きく4つに分類できます。権限、ブラウザ、Webパーツ構成、サーバー制限です。それぞれの特徴を押さえておくと、トラブルシューティングの効率が上がります。
権限設定の不備
最も多い原因が権限設定です。Webパーツは、表示対象となるユーザーやグループが厳密に指定されている場合があります。例えば「ターゲットオーディエンス」機能を使って特定の部署だけに表示する設定がされていると、それ以外のユーザーにはWebパーツが表示されません。また、ページ自体のアクセス権限が不足しているケースもよくあります。サイトのメンバーでないユーザーがページを開いた場合、Webパーツは一切表示されず、代わりに「アクセスが拒否されました」というエラーメッセージが表示されることもあります。
ブラウザの互換性またはキャッシュ
ブラウザのキャッシュや互換性の問題も頻繁に発生します。特にInternet ExplorerからMicrosoft Edgeへ移行した環境では、古いキャッシュが残っているためにWebパーツが正しくレンダリングされないことがあります。また、ブラウザの拡張機能(広告ブロッカーなど)がSharePointのスクリプトをブロックしてしまうケースも報告されています。
Webパーツ自体の構成ミス
Webパーツのプロパティ設定に誤りがある場合も表示されません。例えば、リストビューWebパーツで表示するビューが削除されていたり、メディアWebパーツでファイルのリンクが切れていたりすると、Webパーツ自体がエラー状態となり表示が行われません。ページ編集モードで「Webパーツの編集」を開き、赤い×印が表示されていないか確認してください。
管理者がサイトコレクションに対して何らかの制限をかけている可能性もあります。例えば、カスタムスクリプトを許可していない場合、スクリプトエディターWebパーツや埋め込みコードを使ったWebパーツは動作しません。また、ライセンスの制限(特定の機能が有効なライセンスにのみ表示される)も考慮する必要があります。
表示されない時の最初の確認手順
以下の手順を上から順に実施することで、多くの問題を切り分けられます。
- 他のユーザーで同じページを確認する。自分だけ見えないのか、全員が見えないのかを把握します。別のアカウントでログインするか、同僚に確認を依頼してください。全員が表示されない場合はサーバー側の問題、自分だけなら権限やブラウザの問題が疑われます。
- ブラウザのキャッシュをクリアする。最新の状態を強制的に読み込ませるため、Ctrl + F5 を押すか、ブラウザの設定からキャッシュを削除してください。特に CSS や JavaScript がキャッシュされていると、Webパーツのスタイルが崩れて見えなくなることがあります。
- シークレット(プライベート)ウィンドウで開く。拡張機能や保存された認証情報の影響を排除できます。表示された場合は、拡張機能や Cookie が原因である可能性が高いです。
- 別のブラウザを試す。Chrome、Edge、Firefox など、異なるブラウザで同じページを開いてください。特定のブラウザだけで発生するなら、ブラウザの互換性設定や拡張機能が原因です。
- ページ編集モードでWebパーツのプロパティを確認する。歯車アイコンから「ページの編集」を選び、Webパーツの編集ペインを開きます。「詳細」タブにある「ターゲットオーディエンス」の設定を確認してください。また、「アプリケーション」タブで正しいリストやライブラリが選択されているかもチェックします。
- Webパーツの削除と再追加を試す。編集モードで該当のWebパーツを削除し、再度追加してみてください。構成情報の不整合が解消されることがあります。この操作はページの変更として保存されるため、事前にページのバックアップを取るか、影響が少ないタイミングで行ってください。
状況別の比較表
| 状況 | 考えられる原因 | 確認すべき設定 | 対応方法 |
|---|---|---|---|
| すべてのユーザーで表示されない | Webパーツそのものが削除、またはページテンプレートの破損 | ページ編集モードでWebパーツの存在確認、サイトの「ページライブラリ」内のファイル状態 | Webパーツを再追加するか、以前のバージョンに復元する |
| 特定のユーザーだけ表示されない | ターゲットオーディエンス設定、またはユーザーのアクセス権限不足 | Webパーツのプロパティ→「詳細」のオーディエンス、ページの権限設定 | オーディエンスを「すべてのユーザー」に変更、または権限を付与する |
| 特定のブラウザだけ表示されない | ブラウザの互換性、拡張機能、キャッシュ | ブラウザの開発者ツールでコンソールエラーを確認、拡張機能を無効化 | ブラウザのアップデート、キャッシュクリア、拡張機能の一時無効化 |
| モバイル表示で表示されない | レスポンシブデザインの不具合、またはモバイルビューの設定 | ページの「モバイルビュー」設定、Webパーツの「モバイル表示」プロパティ | モバイルビューを調整するか、該当Webパーツのモバイル表示を有効にする |
よくある失敗パターン
初心者が陥りやすい失敗をいくつか紹介します。これらに該当していないか確認してみてください。
ページテンプレートの制限
SharePoint Onlineやオンプレミスでは、ページテンプレートによって利用できるWebパーツが制限されている場合があります。例えば、「記事ページ」テンプレートでは特定のWebパーツしか追加できません。編集モードで「Webパーツの追加」をクリックしてもグレーアウトしている場合は、テンプレートの制限が原因です。
不要なスクリプトの干渉
スクリプトエディターWebパーツや埋め込みコードを使っている場合、他のスクリプトと競合してWebパーツが表示されないことがあります。特にjQueryなどのライブラリを複数読み込んでいると、エラーが発生してレンダリングが停止します。ブラウザの開発者ツール(F12)でコンソールタブを開き、赤いエラー表示がないか確認してください。
配信制限の誤設定
「ターゲットオーディエンス」を利用する際、グループ名のスペルミスや、グループ自体が存在しないためにWebパーツが誰にも表示されないことがあります。設定画面でオーディエンスを選択するときは、実際に存在するグループを選んでいるか注意してください。また、複数のオーディエンスをAND条件で設定していると、条件をすべて満たすユーザーがいない場合も同様です。
管理者へ伝える情報
上記の手順を試しても解決しない場合は、管理者に連絡する必要があります。その際、以下の情報をまとめて伝えると迅速な対応が期待できます。
- 発生している現象: どのWebパーツが、どのページで、どのような状態で表示されないのか(例:真っ白、エラーメッセージ、読み込み中のまま)。
- 切り分けの結果: 全ユーザーか特定ユーザーか、特定ブラウザか、編集モードでは表示されるかどうか。
- ブラウザのコンソールエラー: F12キーでコンソールを開き、該当ページでエラーが表示されていればスクリーンショットを添付してください。
- 該当Webパーツの種類と設定: 例えば「リストビューWebパーツでドキュメントライブラリを表示」といった詳細。
- 最終動作確認日と変更履歴: いつから表示されなくなったか、その前後に誰かがページを編集したかどうか。
管理者はこれらの情報をもとに、サーバーログやサイト設定を調査します。特にカスタムスクリプトの許可設定や、サイトコレクションのクォータ(容量制限)が原因であることもあるため、早めに相談してください。
よくある質問
Q1: Webパーツが「このWebパーツは現在利用できません」と表示される
このメッセージは、Webパーツの機能が現在の環境で利用できないことを示します。主な原因はライセンス不足、または管理者が該当機能を無効にしていることです。例えば、特定のSharePointライセンス(例:SharePoint Kiosk)では一部のWebパーツが使えません。管理者にライセンスと機能の有効状態を確認してください。
Q2: ページを編集してもWebパーツが表示されない
編集モードでWebパーツが表示されない場合、ページ自体がチェックアウトされている可能性があります。ページライブラリで該当ページがチェックアウト状態になっていないか確認し、もしチェックアウトされていれば破棄またはチェックインしてください。また、Webパーツのターゲットオーディエンスに編集者が含まれていないケースもあります。編集時は一時的にオーディエンスを「すべてのユーザー」に変更すると原因を切り分けられます。
Q3: 以前は表示されていたのに急に見えなくなった
突然表示されなくなった場合、考えられるのはサイトの機能更新やカスタムスクリプトの変更です。SharePoint OnlineではMicrosoft側のアップデートによってWebパーツの動作が変わることがあります。また、他の管理者がサイトのカスタムスクリプト設定を変更した可能性もあります。変更履歴を確認し、管理者に問い合わせてください。もし該当する変更がない場合は、Microsoft 365管理センターの「サービス正常性」ページで既知の問題が報告されていないかチェックするとよいでしょう。
まとめ
Webパーツが表示されない問題は、原因を切り分けることで大半は解決できます。まずは他のユーザーやブラウザで確認し、次に権限設定とターゲットオーディエンスをチェックしてください。それでも解決しない場合は、ブラウザのキャッシュクリアや拡張機能の無効化を試みます。それらでもダメなら管理者に具体的な情報を伝えて依頼しましょう。日頃からページの変更履歴を管理し、トラブルに備えておくことも大切です。
超解決 リモートワーク研究班
Microsoft 365の導入・保守を専門とするエンジニアグループ。通信障害やサインイン不具合など、ビジネスインフラのトラブル対応に精通しています。
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