Wordの段落記号を非表示にする操作と、文章に「隠し文字」を設定する操作は別です。段落記号は編集を助ける表示ですが、隠し文字は文書に保存される本文です。画面で見えなくしても、受け取った人が再表示できます。社外に渡せない情報を守る目的には使わないでください。
画面をすっきりさせたいだけなら編集記号の表示設定を変えます。自分の作業用文書で補助の文章を一時的に表示から外したい場合に、隠し文字を使います。ここではWindows版デスクトップWordを中心に、表示・印刷・削除の違いと、配布用ファイルの確認方法を説明します。
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1. 段落記号は消去せず、表示を切り替える
[ホーム]タブの[段落]にある[編集記号の表示/非表示]をクリックすると、段落記号、空白、タブなどのガイドをまとめて表示・非表示にできます。アイコンの見え方が分かりにくい場合は、ポインターを合わせてボタン名を確かめます。Windows版ではCtrl+Shift+8も使えます。
ボタンをオフにしても記号が残る場合は、[ファイル]→[オプション]→[表示]を開きます。「常に画面に表示する編集記号」で段落記号などが個別に選ばれていると、表示ボタンがオフでもその記号が見えます。すべての編集記号を表示する設定と、個別の常時表示を両方確認してください。
例えばスペースだけ常に見たいなら、全表示をオフにしたうえで、個別のスペースをオンにします。段落記号も消したいなら、その個別指定を外します。ボタンだけで切り替えたいのか、特定の種類だけ常時見たいのかを決めてから設定すると、行き違いを減らせます。
段落記号を画面からなくすために、本文の行末をDeleteで削除する必要はありません。それは表示を変える操作ではなく、前後の段落を結合する編集です。間隔、スタイル、箇条書きの番号が変わる原因になります。記号が大きく見える場合も、表示のためだけに段落末尾の文字サイズを小さくすると、行の高さ等に影響するため避けます。
2. 隠し文字を設定・解除する
隠し文字を試すときは、作業用のコピーを作り、短い一文で操作を確認します。文章を隠す必要があるか、コメントとして残す方が目的に合うかも先に考えてください。隠し文字はアクセス権や暗号化の代わりではなく、文字の書式の一つです。
- 対象の文字列だけを選択します。段落全体や必要な区切りまで誤って含めていないかを確認します。
- [ホーム]の[フォント]ダイアログを開くか、Ctrl+Dを押します。
- [隠し文字]をオンにし、[OK]を選びます。
- 文字が残って見える場合は、編集記号の全表示と、[オプション]→[表示]の隠し文字の常時表示を確認します。
表示がオンなら、隠し文字は点線の下線付きで確認できます。設定しても見えることは、属性が付かなかった証拠ではありません。選択した文字の[フォント]で隠し文字のチェックも確かめます。表示を切り替えると、隠れた文字の分だけ行やページの組み方が変わる場合があります。
通常の文字へ戻すには、まず隠し文字が見える状態にし、対象を選んで[隠し文字]をオフにします。これは文章を残したまま属性だけを解除する操作です。不要な文章を文書から取り除くなら、内容を読める状態で削除する範囲を確認します。「解除」と「削除」を混同しないようにしましょう。
点線がある文章を見つけても、必ず隠し文字とは限りません。校正の表示や通常の下線との違いはフォント設定で確認します。Ctrl+Spaceで文字書式をまとめて解除すると、必要な太字やフォントも変わるため、隠し文字だけが問題ならその属性だけを変更します。
3. 画面表示と印刷設定は別々に確認する
Windows版では[ファイル]→[オプション]→[表示]の「印刷オプション」に[隠し文字を印刷する]があります。隠し文字を紙へ出すかどうかは、この設定を確認します。編集画面で文字が見えるかだけで、印刷の有無を判断しないでください。
補助文を含む自分用の控えを印刷するなら、必要に応じて隠し文字の印刷をオンにし、プレビューを確認してから出力します。終わったら設定を元へ戻し、次の文書を印刷するときも確認します。一度変えたアプリの設定を、今回のファイルだけの安全策と考えないことが大切です。
編集記号の点や段落のガイドは、通常の本文として印刷されるものではありません。一方、手入力した「→」などの文字や、挿入した図形は印刷対象です。また、隠し文字の点線の下線は属性を知らせるガイドであり、その下線自体を印刷する設定ではありません。
PDFを渡す場合は、作成後のPDFを開き直し、全ページを確認します。Wordの編集画面が非表示だったことを、出力ファイルにも情報がない証拠にはしません。秘密情報を含む文書は、出力オプションで隠すのではなく、次節の方法で配布内容を整理してから出力します。
4. 共有する文書は、隠すのでなく配布内容を除く
受け手へ渡してはいけない情報があるなら、原本は社内の適切な場所に残し、配布用コピーを別名で作成します。そのコピーから不要な文章を取り除きます。変更履歴を記録していると削除前の内容が履歴に残るため、文書の承認手続きに沿って履歴やコメントの扱いも確定させてください。
Windows版のドキュメント検査は、配布前の確認に使えます。[ファイル]→[情報]→[問題のチェック]→[ドキュメント検査]を開き、隠し文字、コメントや変更履歴、文書のプロパティなど必要な項目を検査します。結果を読み、削除してよい項目だけで[すべて削除]を実行し、再検査します。
ドキュメント検査による削除は元に戻せない場合があります。そのため原本へ直接一括削除をかけず、必ず配布用コピーで行います。ヘッダーやフッターなど、配布に必要な項目までまとめて削除しないよう、検査結果の分類を確認してください。
検査は万能ではありません。白い文字や他のオブジェクトで覆われた文字を、隠し文字として書式設定された文章と同じようには検出できません。本文以外のテキストボックス、画像の内容、添付・埋め込み情報なども含め、実際に渡すファイルを開き直して確認します。大切な情報は「見えないから大丈夫」ではなく、含めない形で配布します。
文字数を調べるだけなら、原本の隠し文字を削除して数え直す必要はありません。提出対象の本文を決め、必要な範囲を別の作業用文書へ取り出して確認します。本文・注記・テキストボックスを含めるかなど、提出先が定める数え方を先に合わせてください。
5. 消えない・印刷される・戻せないときの確認表
| 状態 | 確認する場所 |
|---|---|
| 段落記号だけ残る | 表示オプションの段落記号の常時表示 |
| 隠し文字が画面で見える | 編集記号の全表示と隠し文字の個別表示 |
| 隠し文字が紙に出る | 印刷オプションと実際のプレビュー |
| 隠した文章を普通に戻したい | 文章を再表示して隠し文字属性を解除 |
| 検査で消した文章を戻したい | 変更前に保存した原本。Undoだけを頼らない |
Wordを再起動しても、意図的に保存された書式やオプションが自動で初期状態へ戻るとは限りません。[Webオプション]を触って表示設定をリセットする必要もありません。問題の種類を確認し、変更した項目を個別に戻します。
Mac版では編集記号の設定場所がWordの環境設定・表示側にあります。Web版などで属性や検査の項目を扱えない場合は、デスクトップ版で編集します。受け手側の表示状態を送信者が固定できると考えないことは、どの版でも同じです。
6. 編集しやすい表示と、安全な配布を分けて考える
作業中は編集記号を表示して余分なタブや空段落を見つけ、仕上げ時は非表示にして紙面を確認する、という切り替えが便利です。隠し文字は必要な補助文を作業用ファイルに残すための機能として使い、機密保持やアクセス制御の役割を持たせないようにします。
Microsoftの表示・印刷オプションとドキュメント検査の説明を確認し、最後は配布用コピーそのものを検査してください。
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