Zoomのデスクトップクライアントは、GUIだけでなくコマンドラインからも細かく設定できます。特に組織で多数の端末を管理する場合、CLIを使えば一括設定が可能になり、業務効率が大きく向上します。この記事では、macOS、Windows、Linuxそれぞれの環境で、Zoomの設定をCLIで変更する方法を詳しく解説します。
【要点】ZoomデスクトップエージェントのCLI管理でできること
- macOSのdefaultsコマンド: ユーザーごとのplistファイルを編集して、バーチャル背景の強制や自動更新の無効化などを設定できます。
- Windowsのレジストリ操作: regコマンドでZoom関連のレジストリキーを変更し、プロキシ設定や機能制限を一括適用できます。
- Linuxの設定ファイル編集: ~/.config/zoomus.confや/etc/zoom/zoomus.confをsedやawkで編集し、ミーティングの既定値を変更できます。
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目次
CLIで管理するための前提条件とできること
CLIを使ったZoomの設定管理は、主に組織のIT管理者が多数の端末に同じ設定を配布するときに役立ちます。ただし、CLIで直接操作できる設定項目はZoomクライアントのバージョンやOSによって異なります。一般的には、以下のような設定をCLIで変更できます。
- バーチャル背景の有効化・無効化
- 画面共有の許可設定
- 録画の保存場所の指定
- プロキシ設定(Windows)
- 自動アップデートの制御
- ミーティングの既定値(常にミュートなど)
これらの設定は、OSの設定データベースや設定ファイルを直接編集することで実現します。手動で行う場合と比べて、スクリプト化や管理ツールとの連携が容易になるのが最大のメリットです。
macOSでZoom設定をCLIで変更する手順
macOSでは、Zoomの設定は主にユーザーのplistファイル(~/Library/Preferences/us.zoom.config.plist)に保存されます。defaultsコマンドを使ってこのplistを編集します。
基本的なコマンド構文
- 設定値を読み取る
ターミナルで以下のコマンドを実行して、現在の設定を確認します。defaults read us.zoom.config - 設定値を変更する
新しい値を書き込むには、以下の形式を使用します。defaults write us.zoom.config キー名 -型 値 - 設定を削除する
不要なキーを削除するには、defaults delete us.zoom.config キー名を実行します。
例1:バーチャル背景を強制的に無効にする
- 設定キーを確認する
Zoomのバーチャル背景設定は、キー「EnableVirtualBackground」で管理されています。値を0に設定することで無効になります。 - コマンドを実行する
以下のコマンドをターミナルで実行します。defaults write us.zoom.config EnableVirtualBackground -bool false - 反映を確認する
設定が反映されたか確認するには、defaults read us.zoom.config EnableVirtualBackgroundを実行し、0が返ってくることを確認します。
例2:自動アップデートを無効にする
- 対象のキーを調べる
「AutoUpdate」というキーで自動更新を制御します。 - コマンドを実行する
defaults write us.zoom.config AutoUpdate -bool false - 注意点
この設定はユーザーごとに適用されます。全ユーザーに適用したい場合は、/Library/Preferencesディレクトリにあるplistを編集する必要があります。その場合は管理者権限が必要です。
例3:ミーティング開始時に常にミュートにする
- キーを特定する
「MuteOnEntry」が該当します。 - コマンドを実行する
defaults write us.zoom.config MuteOnEntry -bool true - 補足
この設定は、新しいミーティングに参加するたびに自動的にミュートになります。ユーザー自身で変更できなくするには、さらに「DisableMuteOverride」キーもtrueに設定します。
設定を反映させるためにZoomを再起動する
変更した設定は、Zoomクライアントを再起動するか、または設定を読み直させることで反映されます。ターミナルからZoomを終了させるには、killall zoom.usを実行し、その後アプリケーションから再起動してください。
WindowsでZoom設定をCLIで変更する手順
Windowsでは、Zoomの設定はレジストリに保存されます。管理者権限でコマンドプロンプトまたはPowerShellを開き、regコマンドを使用します。
レジストリの場所
Zoomの設定は主に次のキーに保存されます。
- HKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE\Zoom\Zoom
- HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Zoom\Zoom(全ユーザー共通)
基本的なコマンド構文
- 値を読み取る
reg query "HKCU\SOFTWARE\Zoom\Zoom" /v 値の名前 - 値を設定する
reg add "HKCU\SOFTWARE\Zoom\Zoom" /v 値の名前 /t REG_DWORD /d データ /f - 値を削除する
reg delete "HKCU\SOFTWARE\Zoom\Zoom" /v 値の名前 /f
例1:画面共有をホストのみに制限する
- キーを確認する
「ShareScreenOnlyHost」というDWORD値で制御します。 - コマンドを実行する
reg add "HKCU\SOFTWARE\Zoom\Zoom" /v ShareScreenOnlyHost /t REG_DWORD /d 1 /f - 効果
ユーザーは画面共有を開始できなくなります。ホストのみが共有できます。
例2:プロキシ設定を強制する
- 関連する値
- コマンド例
reg add "HKCU\SOFTWARE\Zoom\Zoom" /v ProxyType /t REG_DWORD /d 2 /freg add "HKCU\SOFTWARE\Zoom\Zoom" /v ProxyServer /t REG_SZ /d "proxy.example.com" /freg add "HKCU\SOFTWARE\Zoom\Zoom" /v ProxyPort /t REG_DWORD /d 8080 /f
「ProxyType」「ProxyServer」「ProxyPort」などがあります。ProxyTypeを2に設定するとプロキシが有効になります。
全ユーザーに適用する場合
HKLMのキーを編集するには、管理者権限でコマンドを実行します。ただし、HKLMの値はHKUの値より優先されます。
PowerShellを使う方法
- Set-ItemPropertyコマンドレット
PowerShellでは以下のように設定します。Set-ItemProperty -Path "HKCU:\SOFTWARE\Zoom\Zoom" -Name "ShareScreenOnlyHost" -Value 1 - Get-ItemPropertyで確認する
Get-ItemProperty -Path "HKCU:\SOFTWARE\Zoom\Zoom" -Name "ShareScreenOnlyHost"
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LinuxでZoom設定をCLIで変更する手順
Linuxでは、Zoomの設定はユーザーのホームディレクトリにある設定ファイル(zoomus.conf)に保存されます。通常は~/.config/zoomus.confです。システム全体の設定は/etc/zoom/zoomus.confにあります。
設定ファイルの場所
- ユーザーごと: ~/.config/zoomus.conf
- システム全体: /etc/zoom/zoomus.conf(管理者のみ編集可能)
基本的な編集方法
設定ファイルはテキスト形式で、キー=値の形式です。sedやawkを使って編集します。
例1:バーチャル背景を無効にする
- ファイルを開く
nano ~/.config/zoomus.conf - 該当行を編集する
次の行を追加または変更します。enableVirtualBackground=false - sedを使う場合
sed -i 's/enableVirtualBackground=true/enableVirtualBackground=false/g' ~/.config/zoomus.conf
例2:自動更新を無効にする
- 設定キー
「autoUpdate=false」を設定します。 - コマンド
echo "autoUpdate=false" >> ~/.config/zoomus.conf(追記、既存の設定がある場合は注意) - 既存行を置き換える場合
sed -i '/^autoUpdate=/c\autoUpdate=false' ~/.config/zoomus.conf
システム全体の設定を変更する
/etc/zoom/zoomus.confを編集するにはsudo権限が必要です。例えば、sudo sed -i 's/enableVirtualBackground=true/enableVirtualBackground=false/g' /etc/zoom/zoomus.confのように実行します。
CLI管理で注意すべき点
設定が反映されない場合がある
Zoomのバージョンによって、一部のキーが無視されることがあります。最新のドキュメントを確認するか、実際に変更後にZoomを再起動して挙動を確認してください。
管理者権限が必要な操作
システム全体の設定(macOSの/Library/Preferences、WindowsのHKLM、Linuxの/etc/zoom)を変更するには、管理者権限が必要です。スクリプトで自動化する際は、権限昇格の仕組みを組み込む必要があります。
設定値の型に注意する
macOSのdefaultsコマンドでは、型指定(-bool、-int、-stringなど)を間違えると設定が正しく書き込まれません。特にブール値は必ず-bool trueまたは-bool falseを使います。
レジストリのリモート操作
Windowsでは、regコマンドに「\\コンピューター名」を指定することでリモートPCのレジストリを編集できます。ただし、リモートレジストリサービスが有効である必要があります。
設定変更後の再起動
ほとんどの設定はZoomクライアントの再起動後に反映されます。スクリプト内でZoomを強制終了し、ユーザーに再起動を促すか、自動で起動する処理を検討してください。
| OS | 設定の保存先 | 主要なCLIツール |
|---|---|---|
| macOS | plistファイル | defaults |
| Windows | レジストリ | reg, PowerShell |
| Linux | zoomus.conf | sed, awk |
以上の手順を組み合わせることで、Zoomデスクトップエージェントの設定をCLIで効率的に管理できます。最初はテスト環境で各コマンドを試して動作を確認してください。組織全体に展開する前に、設定が正しく適用されることを検証することが重要です。また、Zoomのアップデートで新しい設定キーが追加されることがあるため、定期的に公式ドキュメントを確認することをおすすめします。
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超解決 第一編集部
疑問解決ポータル「超解決」の編集チーム。正確な検証と、現場視点での伝わりやすい解説を心がけています。
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