Google ChromeやMicrosoft EdgeでWebサイトを閲覧中、突然画面が真っ白になり「エラー:STATUS_ACCESS_VIOLATION」というメッセージが表示されることがあります。再読み込みをしても解決せず、特定のサイトだけでなくあらゆるページで頻発するこのエラーは、メモリ管理の不整合が主な原因です。OSやブラウザのアップデート、あるいはハードウェアの不具合が絡むこの難解なエラーを、根本から解消するための手順を詳説します。
- ⏱ 解決時間: 10分〜30分
- 💻 対象ブラウザ: Google Chrome / Microsoft Edge (Chromium系)
- 🛠 難易度: 中級
- ✅ 期待効果: ブラウザの異常終了の停止、安定したブラウジングの回復
目次
1. STATUS_ACCESS_VIOLATIONエラーの本質
このエラーは、プログラム(ブラウザ)が、自分に許可されていないメモリ領域にアクセスしようとした際に、Windowsが「アクセス違反」として処理を強制停止させることで発生します。
本来、モダンブラウザはサンドボックス構造により安全にメモリを扱いますが、拡張機能のバグ、ウイルス対策ソフトの干渉、あるいは物理的なRAM(メモリ)の劣化によってこの「ルールの逸脱」が引き起こされます。
2. 解決手順①:拡張機能とシークレットモードでの検証
最も多い原因は、特定の拡張機能がメモリ管理を乱しているケースです。
- ブラウザの右上 […] > [新しいシークレット ウィンドウ] を開きます。
- シークレットモードで同じサイトを閲覧し、エラーが出ないか確認します。
- エラーが出ない場合、原因はインストールされている拡張機能のいずれかです。
chrome://extensions/を開き、拡張機能を一つずつオフにしながら「犯人」を特定してください。
3. 解決手順②:実行ファイル(chrome.exe)のリネーム
これは古典的ですが、非常に効果の高い裏技です。ウイルス対策ソフトなどが「chrome.exe」という名前をターゲットに誤ったメモリ監視を行っている場合、ファイル名を変えるだけでエラーが消えることがあります。
- Chromeを完全に閉じます。
- エクスプローラーで
C:\Program Files\Google\Chrome\Applicationを開きます。 - chrome.exe を右クリックし、chrome1.exe などに名前を変更します。
- 新しい名前のファイルをダブルクリックして起動し、状況を確認します。
4. 解決手順③:ハードウェアアクセラレーションの無効化
グラフィックボード(GPU)のドライバが原因で、描画処理時にアクセス違反が起きるパターンです。
- Chromeの設定から [システム] を選択します。
- 「グラフィック アクセラレーションが使用可能な場合は使用する」 をオフにします。
- ブラウザを再起動します。
5. 根本原因の切り分け表
| 切り分け項目 | 状況 | 疑われる原因 |
|---|---|---|
| 特定サイトのみ | そのサイトのコード(JavaScript)に問題あり | サイト側の修正を待つか、別のブラウザを試す |
| 全サイト・頻発 | ブラウザ本体またはOS、ハードウェアの不整合 | メモリチェックツールの実行を推奨 |
| 他のブラウザでも発生 | Windowsのシステムファイル破損またはRAM故障 | sfc /scannow コマンドによる修復 |
まとめ:焦らず上層から下層へチェック
STATUS_ACCESS_VIOLATIONは、ソフトウェアの不具合からハードウェアの末期症状まで幅広い原因を内包しています。まずは「拡張機能の停止」と「ファイル名の変更」というリスクの低い対処から始めましょう。それでも解決しない場合は、Windows標準の「メモリ診断」ツールを使い、PC本体の物理的な故障を疑うべきフェーズに入ります。一つひとつ、原因を潰していくことが復旧への唯一の近道です。
