パソコンの買い替えや、別のブラウザへの乗り換え、あるいは万が一の際の紙のバックアップ。ブラウザ(Google ChromeやMicrosoft Edge)に保存されている大量のアカウント情報を、一括でリスト化して書き出したいと思ったことはありませんか? 実は各ブラウザには「パスワードのエクスポート(書き出し)」機能が備わっています。しかし、書き出されたファイルは「暗号化されていない無防備なデータ」であるため、取り扱いを一つ間違えると全アカウントが盗まれるリスクも孕んでいます。安全かつ確実な出力手順と、その後の正しい管理法を詳説します。
- ⏱ 解決時間: 3分
- 🛠 必要なもの: PCのログインパスワード(PIN)、保存用USBメモリ(推奨)
- 🛠 難易度: 中級(セキュリティ知識が必要)
- ✅ 期待効果: パスワード紛失リスクの回避、別環境へのスムーズな移行
目次
1. パスワードを書き出す(エクスポート)とは?
ブラウザが記憶している「サイトURL」「ユーザー名」「パスワード」を、Excelなどで開ける **「CSV形式(テキスト形式)」** のファイルとして保存する操作です。
主な用途:
- PCの初期化前のバックアップ。
- ChromeからEdge、あるいは専用管理ソフト(1Password等)への移行。
- デジタル遺品として、あるいはオフラインの金庫に保管するため。
2. 解決手順①:Google Chromeでの出力手順
- Chromeの右上 […] > [設定] を開きます。
- 左メニューから [オートフィルとパスワード] > [Google パスワード マネージャー] をクリックします。
- 左側の [設定] タブを選択します。
- 「パスワードのエクスポート」欄にある [ファイルを作成] をクリックします。
- Windowsのパスワード(PIN)を求められるので、入力して本人確認を行います。
- ファイル名を付けて保存します。
3. 解決手順②:Microsoft Edgeでの出力手順
- Edgeの右上 […] > [設定] を開きます。
- [プロファイル] > [パスワード] をクリックします。
- 「保存されたパスワード」の横にある […](3点リーダー) をクリックします。
- [パスワードのエクスポート] を選択します。
- 本人確認を行い、CSVファイルを保存します。
4. 【最重要】書き出し後のセキュリティ・チェックリスト
出力したCSVファイルは、誰でもダブルクリックするだけであなたの全パスワードを閲覧できてしまいます。以下の管理を徹底してください。
| 確認項目 | 理由・対策 |
|---|---|
| デスクトップに放置しない | 最も盗まれやすい場所です。用が済んだらすぐに消去してください。 |
| クラウドへアップしない | 共有設定ミス等で外部流出する恐れがあります。 |
| 「ゴミ箱」を空にする | ファイルを消してもゴミ箱に残っていれば復元可能です。物理削除を。 |
5. まとめ:整理は「安全なオフライン環境」で
パスワードの書き出しは、デジタルライフのメンテナンスにおいて非常に有効な手段ですが、その利便性はリスクと表裏一体です。理想的な管理は、書き出したファイルを**パスワード付きのUSBメモリ**などに保存し、普段はPCから抜いておくことです。今回紹介した手順を正しく踏めば、たとえPCが壊れても、あなたは世界中のサービスへのログイン権限を失わずに済みます。慎重に、しかし確実に、あなたの大切な鍵(パスワード)のスペアを作成しておくのであった。
