【Excel】「SUMIFS」と「COUNTIFS」の使い分け!複数条件での集計の基本

【Excel】「SUMIFS」と「COUNTIFS」の使い分け!複数条件での集計の基本
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エクセルで売上データなどを集計する際、「特定の地域の売上だけ知りたい」なら SUMIF 関数で十分です。しかし、実務では「『東京』支店の、『4月』の、『商品A』の売上合計は?」といった具合に、複数の条件を重ねて絞り込みたい場面がほとんどです。一つのフィルターという名の「単純な抽出」を卒業し、複数のフィルターを掛け合わせる多角的な分析を可能にするのが、『SUMIFS(サム・イフ・エス)』『COUNTIFS(カウント・イフ・エス)』です。末尾に付いた「S」は複数を意味する記号であり、これこそがデータの深掘りを可能にする鍵となります。本記事では、実務で最も多用されるこれら2つの「複数条件関数」の使い分けと、ミスのない数式構築プロトコルを徹底解説します。

【要点】複数条件関数でデータを思い通りに集計する3つの鉄則

  • 『S』が付くと「合計範囲」の場所が変わる: SUMIFとSUMIFSでは、数式の先頭に書くべき項目が逆転する。この「文法の違い」という名のバグを未然に防ぐ。
  • 『AND条件』の積み上げを意識する: 条件を増やせば増やすほど、データは絞り込まれていく。全ての条件を満たすパケットだけを集計対象とするロジックを理解する。
  • ワイルドカードで「曖昧な条件」を処理する: 完全一致だけでなく、「~を含む」といった柔軟な検索条件をデプロイ(適用)し、集計の幅を広げる。

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1. 基礎解説:SUMIFSとCOUNTIFSは何が違うのか?

これら2つの関数は、どちらも「条件を指定して集計する」点は同じですが、出力される結果の性質が異なります。

1-1. SUMIFS:数値を「足し算」する

「条件に一致する行の、売上金額や数量を合計したい」ときに使います。数値を扱うため、集計対象となる列には必ず数字が入っている必要があります。

1-2. COUNTIFS:件数を「数える」

「条件に一致するデータが何件(何行)あるか」を知りたいときに使います。例えば「100万円以上の成約が何件あったか」といった、頻度や実績の数をカウントするのに最適です。


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2. 実践:SUMIFS関数の構築プロトコル

SUMIFSは、従来のSUMIFと比べて「合計したい範囲」を一番最初に指定するという特徴があります。これが混乱を招きやすいポイントです。

2-1. 【実行】基本の数式構造

=SUMIFS(合計対象範囲, 条件範囲1, 条件1, [条件範囲2, 条件2], ...)

  1. 合計対象範囲: 最終的に足し算したい数値が入っている列を指定します。
  2. 条件範囲1: 1つ目の条件を検索する列を指定します。
  3. 条件1: 検索したい具体的なキーワードや数値を指定します。
  4. 条件範囲2~: 2つ目以降の条件があれば、同様にセットで追加していきます。

プロの視点: 「まず何を足したいのか?」を最初に宣言するSUMIFSの文法は、後から条件をいくつでも追加できるため、非常に拡張性が高い設計になっています。


3. 実践:COUNTIFS関数でデータの「密度」を測る

COUNTIFSには「合計対象範囲」がありません。条件に合致する「行」そのものを数えるからです。

3-1. 【実行】基本の数式構造

=COUNTIFS(条件範囲1, 条件1, [条件範囲2, 条件2], ...)

例えば、「4月(条件1)」の「東京支店(条件2)」の「商談数」を知りたい場合、それぞれの列と値を指定するだけで、複雑なフィルタ操作なしに結果が弾き出されます。


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4. 比較検証:『単一条件(IF)』 vs 『複数条件(IFS)』

従来型と新型の使い分け、および構造的な違いを論理的に比較します。

比較項目 SUMIF (単一) SUMIFS (複数)
扱える条件の数 1つだけ 最大127個まで
合計範囲の記述位置 一番最後 一番最初
集計の精度 大まかな分類 ピンポイントな抽出
実務での推奨度 低い(拡張性に欠ける) 極めて高い(標準的に使うべき)

5. 応用:ワイルドカードによる「柔軟な検索」のデプロイ

条件には、完全一致だけでなく、曖昧な指定も可能です。これにより、表記の揺れという名の不規則データを吸収できます。

  • 「*」(アスタリスク): 0文字以上の任意の文字列。例:"*株式会社" とすれば、「A株式会社」も「B株式会社」もヒットします。
  • 「?」(クエスチョン): 任意の1文字。例:"商品??" とすれば、「商品01」はヒットしますが「商品100」は除外されます。

6. 注意点:条件範囲の「サイズ」が引き起こす致命的バグ

複数条件関数を使う際、最も初心者が陥りやすい不具合について警告します。

注意点: SUMIFSやCOUNTIFSでは、指定する「合計範囲」とすべての「条件範囲」の行数が完全に一致している必要があります。例えば、合計範囲を1行目から100行目まで指定したのに、条件範囲を1行目から99行目までにしてしまうと、エクセルは #VALUE! エラーを返します。この「次元の不一致」は、行を削除したり挿入したりした際、一部の範囲だけが自動更新されなかった場合に発生しやすいため、範囲全体を列指定(例:A:A)にするなどの工夫で堅牢性を高めるのが賢明です。


7. まとめ:多角的な分析が「データの価値」を顕在化させる

エクセルの SUMIFSCOUNTIFS を使いこなすことは、単なる計算の自動化ではありません。それは、混沌としたデータの塊から、特定の「意味のあるパケット」を論理的な条件によって切り出し、価値あるインサイト(洞察)へと変換する『データ・マイニング』の第一歩です。

単一条件という名の不自由なフィルタをパージし、多層的な条件を自由にデプロイすること。このプロトコルを徹底すれば、あなたの集計レポートは「何となくの全体像」から「原因を特定できる詳細な分析」へと進化します。

次に集計作業を頼まれたその時、フィルターを何度もポチポチ操作するのをやめて、SUMIFSの一行に条件を詰め込んでみてください。一瞬で表示される正確な数字が、あなたの分析スキルと信頼性を何よりも雄弁に物語ってくれるはずです。

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この記事の監修者
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超解決 Excel研究班

企業のDX支援や業務効率化を専門とする技術者チーム。20年以上のExcel運用改善実績に基づき、不具合の根本原因と最短の解決策を監修しています。