会社PCでIntuneのCompany Portalを利用していると、「同期が必要」というステータスが表示されたまま更新されないことがあります。この状態が続くと、アプリのインストールやポリシーの適用が遅れ、業務に支障をきたす可能性があります。原因は端末側の設定、ネットワーク環境、アカウントの状態、管理側のポリシーなど様々です。本記事では、具体的な確認手順と解決方法を解説します。
【要点】この記事で確認すること
- 最初に見る場所: Company Portalのステータス画面、Windows設定の「アカウント」>「職場または学校にアクセスする」、イベントビューアーのMicrosoft-Windows-DeviceManagement-EnterpriseDiagnostics-Providerのログ
- 切り分けの軸: 端末の再起動、ネットワーク接続の確認、アカウントのサインアウト/サインイン、MDM登録の解除と再登録
- 注意点: 会社PCでは管理者権限が必要な操作があるため、設定変更前に所属組織のIT部門に確認してください。特にMDM登録の解除はポリシー違反になる可能性があります。
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目次
「同期が必要」が表示される典型的な流れと背景
Company Portalでの同期は、端末がIntune管理下にあることを確認し、最新のポリシーやアプリを適用するための仕組みです。通常は定期的に自動同期が行われますが、タイミングによっては手動での同期が必要と表示されます。しかし、その手動同期が完了しない場合、いくつかの原因が考えられます。
代表的な原因として、以下のような状況が挙げられます。
- ネットワーク接続が不安定、またはプロキシ設定が原因でIntuneサービスに到達できない
- 端末の時刻がずれている(証明書や認証に影響)
- アカウントのパスワードが変更され、Company Portal側のトークンが無効になっている
- Windows Updateの保留中再起動により、バックグラウンドサービスが停止している
- Intune管理拡張機能(IME)が正常に動作していない
- MDM登録情報が壊れている、またはポリシーの競合が発生している
これらの原因を、一般ユーザーが可能な範囲で確認する手順を以下にまとめました。
最初に試す基本の対処手順
まずは、特別な権限がなくても実施できる基本的な手順から試します。多くの場合、これで解決します。
- 端末を再起動する:Windowsの再起動により、バックグラウンドサービスやネットワークスタックがリセットされます。再起動後、Company Portalを開き、同期ボタンをクリックしてステータスが変化するか確認します。
- ネットワーク接続を確認する:社内ネットワークに接続している場合、プロキシやファイアウォールが原因でIntuneエンドポイントにアクセスできないことがあります。コマンドプロンプトで「ping portal.manage.microsoft.com」を実行し、応答があるか確認します。応答がない場合はネットワーク管理者に連絡してください。
- Company Portalからサインアウトし、再度サインインする:Company Portalを開き、設定(歯車アイコン)から「サインアウト」を選択します。その後、再度サインインします。サインイン時に最新の認証トークンが取得されるため、同期が改善されることがあります。
- Windowsの「職場または学校にアクセスする」設定を確認する:「設定」→「アカウント」→「職場または学校にアクセスする」を開き、該当するアカウントが「接続済み」と表示されているか確認します。ここで「同期が必要」と表示されている場合は、アカウントを選択し「情報」→「同期」を実行します。
- Windows Updateを実行し、保留中の再起動を完了させる:「設定」→「更新とセキュリティ」→「Windows Update」で「今すぐ再起動」を実行します。再起動後、再度Company Portalの同期を試みます。
これらの手順で解決しない場合は、さらに詳細な確認に進みます。
詳細な確認手順:端末とアカウントの状態を診断する
イベントビューアーでIntune関連のエラーログを確認する
イベントビューアーには、Intuneの同期に関する詳細なエラー情報が記録されています。以下の手順で確認します。
- 「イベントビューアー」を管理者として開きます(検索ボックスに「eventvwr」と入力)。
- 左側のツリーから「アプリケーションとサービス ログ」→「Microsoft」→「Windows」→「DeviceManagement-EnterpriseDiagnostics-Provider」→「管理」を選択します。
- 直近のエラーまたは警告を探します。特にイベントID 76(同期失敗)、78(登録失敗)、100(MDMサービス接続エラー)などが参考になります。
- エラーメッセージをメモし、必要に応じてIT部門に提供します。
ログに「0x80072EFD」などのコードが含まれている場合は、ネットワーク接続の問題を示しています。プロキシやファイアウォールの設定を確認してください。
MDM登録の状態を確認し、必要に応じて再登録する
MDM登録情報が破損している場合、同期が進まないことがあります。ただし、登録の解除はポリシー違反になる恐れがあるため、あらかじめIT部門に確認してください。許可を得た上で、以下の手順を実行します。
- 「設定」→「アカウント」→「職場または学校にアクセスする」を開きます。
- 該当するアカウントを選択し、「切断」をクリックします。確認ダイアログが表示されるので「はい」を選択します。
- 端末を再起動します。
- 再起動後、Company Portalを開き、再度サインインします。自動的にMDM登録が行われます。
- 同期が正常に行われるか確認します。
再登録後も問題が続く場合は、管理側の設定に問題がある可能性が高いです。
管理側(Intune)の設定を確認する方法(管理者向け情報)
一般ユーザーがIntune管理センターにアクセスすることはできませんが、以下の情報をIT管理者に伝えることで迅速な解決につながります。このセクションは、主に管理者向けの内容ですが、ユーザーが理解しておくと管理者との連携がスムーズになります。
デバイスの状態をIntune管理センターで確認する
管理者はIntune管理センター(https://intune.microsoft.com)にログインし、「デバイス」→「すべてのデバイス」で対象の端末を検索します。以下の項目を確認します。
- 管理状態:MDMとして管理されているかどうか。状態が「保留中」や「失敗」になっている場合は、登録に問題があります。
- 最終チェックイン:同期の最終日時が表示されます。古い日時(例:24時間以上前)の場合は、端末がIntuneと通信できていない可能性があります。
- ポリシーの準拠:準拠していないポリシーがある場合、同期がブロックされることがあります。
ネットワークエンドポイントの到達性を確認する
Intuneの同期には特定のエンドポイントへのアクセスが必要です。管理者は、ファイアウォールやプロキシで以下のURLが許可されているか確認します。
- portal.manage.microsoft.com
- manage.microsoft.com
- *.manage.microsoft.com
- login.microsoftonline.com
- device.login.microsoftonline.com
特にプロキシ認証が必要な環境では、Company Portalがプロキシを正しく利用できずに同期に失敗することがあります。その場合は、プロキシの例外リストに上記のURLを追加する必要があります。
状況別の比較表:会社支給PCとBYOD(個人所有)における違い
同期の問題が発生した場合、端末の種類によって対処方法が異なる場合があります。以下の表を参考に、自分の環境に合わせた対応を行ってください。
| 項目 | 会社支給PC(コーポレートデバイス) | BYOD(個人所有デバイス) |
|---|---|---|
| MDM登録の解除可否 | 基本的に不可(ポリシー違反になるため管理者に確認必須) | ユーザー自身で解除可能(ただし会社ポリシーに従う) |
| 管理者による強制同期 | Intune管理センターから可能(管理者に依頼) | 同様に可能 |
| 回復手段 | IT部門主導で再イメージ化やリセットが行われることが多い | ユーザー主導でアンインストール/再インストール、再登録可能 |
| 影響範囲 | 業務アプリやポリシーが適用されず業務に支障が出やすい | 個人データへの影響は少ないが、業務アプリが使えなくなる |
よくある質問(FAQ)
Q1. 同期ボタンを何度押しても「同期が必要」のまま変わりません。
A. 端末の再起動とネットワーク確認を試してください。それでも変わらない場合は、アカウントのサインアウト/サインインを試しましょう。それでもダメなら、イベントビューアーでログを確認し、管理者に報告してください。
Q2. 「同期が必要」と表示される頻度が高く、毎日のように手動同期が必要です。
A. バッテリー節約モードやスリープ状態により、バックグラウンド同期が制限されている可能性があります。電源オプションでスリープを無効にするか、IT部門にポリシーの設定変更を依頼してください。
Q3. 同期を実行すると「デバイスが見つかりません」というエラーが表示されます。
A. 端末がIntune管理から削除されているか、登録情報が破損している可能性があります。MDM登録を一度解除し、再登録してください。ただし、会社支給PCの場合は必ずIT部門に相談してください。
Q4. 同期後もアプリがインストールされません。
A. アプリのインストールにはポリシーが適用されるまで時間がかかる場合があります。それでもインストールされない場合は、管理側でアプリの割り当てが行われているか、インストール要件(OSバージョンなど)を満たしているかを確認する必要があります。IT部門に問い合わせてください。
まとめ
「同期が必要」のまま進まない問題は、端末の再起動やネットワーク確認といった基本的な手順で解決することが多いです。それでも改善しない場合は、アカウントの再サインインやMDM登録の再実行を試します。会社支給PCの場合は、登録の解除などは自己判断せず、必ずIT部門に相談してください。管理者はIntune管理センターでデバイスの状態を確認し、ネットワークエンドポイントへの接続を検証することで、迅速な問題解決につながります。日頃からCompany Portalの同期状況を確認し、異常があれば早めに対処しましょう。
超解決 リモートワーク研究班
Microsoft 365の導入・保守を専門とするエンジニアグループ。通信障害やサインイン不具合など、ビジネスインフラのトラブル対応に精通しています。
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