会社のOutlookやTeamsに突然アクセスできなくなり、「端末の危険度が高い」というメッセージが表示された経験はありませんか。これはMicrosoft Intuneのモバイルデバイス管理(MDM)と条件付きアクセスが、端末の状態を評価して社内リソースへのアクセスを制御しているために発生します。本記事では、この問題が起きた原因を切り分け、安全に確認できる範囲と管理者に連絡すべき状況を具体的に解説します。認証エラーと端末状態の問題を区別するポイントも網羅するため、初めて遭遇する方でも次の行動を決められるようになります。
【要点】この記事で確認すること
- 最初に見る場所: 端末の「設定」→「セキュリティ」や「会社ポータル」アプリのデバイスステータス。Windowsでは「設定」→「アカウント」→「職場または学校にアクセスする」から社内アカウントの状態を確認します。
- 切り分けの軸: 認証情報の期限切れ・パスワード変更と、端末のコンプライアンス違反(更新不足、ウイルス感染、脱獄/root化など)を分けて考えます。
- 注意点: 社内ポリシーに違反する改造(脱獄・root化・OSバージョンの強制ダウングレード)を自分で行わないでください。また、会社PCのレジストリやグループポリシーを許可なく変更すると利用停止が長期化する可能性があります。
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目次
1. 端末危険度が高いと判定される主な原因
Intuneが端末のリスクを評価する仕組みは、大きく分けて「端末準拠ポリシー」と「Microsoft Defender for Endpoint(MDE)」のシグナルに基づきます。以下のような状況で危険度が高くなり、条件付きアクセスによってアプリ利用がブロックされます。
- OSのセキュリティ更新プログラムが未適用:Windows UpdateやiOS・Androidのシステムアップデートが保留されていると、既知の脆弱性が残るため危険と見なされます。
- ウイルス対策ソフトが無効・未インストール:Windows Defenderやサードパーティのウイルス対策がオフになっている、定義ファイルが古い場合。
- 脱獄・root化の検出:iOSの脱獄(Jailbreak)やAndroidのroot化が行われている端末は、管理外のアプリ実行が可能なため高リスク判定になります。
- ディスク暗号化が無効:BitLockerやFileVaultなどが有効でないと、端末紛失時のデータ漏洩リスクが高まります。
- ファイアウォールがオフ:特にWindows端末で標準ファイアウォールが無効になっている場合。
- 会社ポータルアプリとの通信不良:Intuneの管理ポータルと端末が長期間通信できていないと、ステータスが未更新になり危険度が上がることがあります。
1.1 認証の問題と端末状態の問題の違い
「端末の危険度が高い」というメッセージは、あくまで端末の状態に関するエラーです。これに対して、単純なパスワード期限切れや多要素認証(MFA)の失敗は、認証の問題として別の画面が表示されます。以下の表で違いを確認してください。
| エラーの種類 | 表示されるメッセージ例 | 主な原因 | 自分で解決できるか |
|---|---|---|---|
| 認証の問題 | 「サインインできません」「パスワードが正しくありません」 | パスワード間違い、MFAのタイムアウト、アカウントロック | 多くの場合、パスワードリセットやMFA再実行で解決 |
| 端末状態の問題 | 「この端末は準拠していません」「端末の危険度が高いためアクセスがブロックされました」 | OSアップデート未適用、ウイルス対策無効、脱獄/root化など | 一部は自分で修正可能(後述) |
2. 端末の状況を確認するステップ
まずは端末の現在の状態を確認します。会社から貸与された端末(会社所有)なのか、個人端末(BYOD)なのかによって、確認できる範囲が異なります。以下の手順は両方に共通する部分です。
- 会社ポータルアプリを開く:Windowsの場合は「Microsoft Intune 会社ポータル」アプリ、モバイルの場合は「Intune 会社ポータル」アプリを起動します。サインインしていない場合は、社内アカウントでログインします。
- デバイスのステータスを確認:アプリ内に「デバイス」タブや「ステータス」セクションがあります。そこに「準拠」「非準拠」「同期が必要」などの表示があります。「非準拠」と表示されていれば、クリックして詳細な理由(例:「Windows Updateが必要」「ウイルス対策がオフ」)を確認します。
- 同期を実行する:会社ポータルアプリ内に「同期」や「デバイスの状態をチェック」ボタンがあれば、それをタップします。これにより端末がIntuneと強制的に通信し、最新のポリシーを適用します。同期後に問題が自動修正されるケースもあります。
- Windowsの「設定」から確認:[設定]→[アカウント]→[職場または学校にアクセスする]を開きます。接続済みのアカウントをクリックし、「情報」や「同期」を選択します。ここでエラーコードが表示される場合はメモしておきます。
- モバイル端末のプロファイル確認:iOSの場合は[設定]→[VPNとデバイス管理]、Androidの場合は[設定]→[セキュリティ]→[デバイス管理アプリ]から、会社の管理プロファイルが有効かどうか確認します。無効になっている場合は再有効化します。
2.1 自分で修正できる項目と管理者依頼が必要な項目
すべての問題を自分で修正できるわけではありません。以下の判断基準を参考に、できることとできないことを切り分けてください。
| 項目 | 自分で修正可能か | 修正方法の例 |
|---|---|---|
| OSアップデートの適用 | 可能 | Windows Updateを実行、iOS/Androidでシステムアップデートを確認 |
| ウイルス対策の再有効化 | 可能 | Windows Defenderをオンにする、サードパーティ製を起動 |
| ディスク暗号化の有効化 | 可能(管理者設定による) | BitLockerの有効化(管理者に暗号化キーのバックアップ方法を確認) |
| ファイアウォールの有効化 | 可能 | Windows Defender ファイアウォールをオン |
| パスワードポリシーの違反 | 可能(パスワード変更) | デバイスのロック画面パスワードを会社の要件に合わせる |
| 脱獄/root化の解除 | 原則不可(個人端末でも推奨しない) | 脱獄・root化はセキュリティリスクのため、管理者に連絡し、端末の初期化や交換を検討 |
| 証明書やプロファイルの再インストール | 管理者対応が必要 | 会社ポータルアプリで再登録を試みる、または管理者に証明書の発行を依頼 |
3. 失敗パターンとその対策
実際によくある失敗と、その回避方法をいくつか紹介します。
3.1 自分でレジストリやグループポリシーを変更してしまう
Windowsのレジストリやローカルグループポリシーを編集してIntuneの管理から逃れようとする行為は、かえって危険度を悪化させます。Intuneは特定の設定を監視しており、予期しない変更を検出すると非準拠と判定します。必ず元の状態に戻すか、管理者に連絡してください。
3.2 複数の端末で同じアカウントを使い回している
個人のスマートフォンと会社PCで同じ社内アカウントをサインインしている場合、片方に問題があってももう片方に影響が出ることがあります。条件付きアクセスはユーザー単位でリスクを評価するため、端末ごとに独立しているわけではありません。必要に応じて、使っていない端末の登録を解除してください(会社ポータルアプリ内で削除可能な場合あり)。
3.3 同期しても改善しない場合の誤った対処
端末の同期を何度も行ってもステータスが変わらない場合は、Intune側でポリシーの適用が遅れているか、端末が完全に管理から外れている可能性があります。無理に同期を繰り返すのではなく、24時間程度待ってから再度確認するか、管理者に問い合わせてください。
4. 管理者へ伝えるべき情報と相談のタイミング
自分で修正できる項目を全て試しても解決しない場合、または以下の状況に該当する場合は、IT管理者に連絡してください。
- 会社ポータルアプリに「お問い合わせ」ボタンや「サポートに連絡」リンクがある場合:そこから自動的に端末情報を添付して報告できます。
- エラーコードが表示されている場合:「0x87D1FDE8」のようなコードをメモして伝えます。これは特定のポリシー違反を示すことがあります。
- 「このデバイスは準拠していません」と表示されているが、詳細な理由が表示されない場合:管理者側でログを確認する必要があります。
- 端末が脱獄・root化されている場合:自己判断で解除せず、管理者の指示を仰いでください。会社のポリシーによっては端末の交換が必要なこともあります。
- 個人端末(BYOD)で問題が発生し、会社の管理プロファイルを削除したい場合:ただし、削除するとすべての社内リソースにアクセスできなくなります。管理者と相談の上で行ってください。
4.1 端末の所有権による違い
会社所有の端末と個人所有(BYOD)では、管理者が取れる対応が異なります。会社所有端末の場合、IT部門がリモートで初期化やアプリの強制インストールを行うことがあります。個人端末では、プライバシーに配慮した管理(仕事用のデータのみ消去する「ワイプ」など)が行われるため、問題の解決方法も変わります。自分の端末の所有権が分からない場合は、会社ポータルアプリのデバイス詳細に「会社所有」または「個人所有」と表示されることがあります。
5. よくある質問(FAQ)
実際に問い合わせが多い内容をQ&A形式でまとめました。
- Q: 端末の危険度が高いと表示されていますが、Outlookだけ使えません。Teamsは使えるのはなぜですか?
A: 条件付きアクセスはアプリごとに異なるポリシーが設定されている可能性があります。Outlookはより厳しい準拠要件が課されている一方、Teamsは一時的に許可されている場合があります。ただし、時間経過とともにTeamsもブロックされる可能性があるため、早めに対処してください。 - Q: 会社ポータルアプリで同期ボタンを押してもエラーになります。
A: 端末とIntuneの通信が切れている可能性があります。まずWi-Fiやモバイルデータ通信が正常に行われているか確認してください。また、端末の日時が正しく設定されているかも重要です(証明書の検証に影響します)。それでも解決しない場合は、端末を再起動してから再度同期を試みてください。 - Q: 自分でWindows Updateを実行しましたが、まだブロックが解除されません。
A: 更新プログラムの適用後、Intuneが端末の状態を再評価するまでに時間がかかることがあります。最大で30分〜1時間程度待ってから、会社ポータルアプリで同期を再度行ってください。それでも変わらない場合は、端末の再起動が必要かもしれません。 - Q: 個人のスマートフォンで発生しましたが、会社に知られたくない情報はありますか?
A: Intuneの管理下にある個人端末では、会社のポリシーに違反する状態(脱獄やroot化、特定のアプリのインストールなど)のみが検出されます。個人の写真やメッセージ、ブラウザ履歴などは管理の対象外です。ただし、会社のリソースにアクセスする際に、端末が準拠しているかどうかのみチェックされます。安心して修正作業を行ってください。
6. まとめ
Intuneで端末の危険度が高いと判定された場合、まずは会社ポータルアプリで詳細な理由を確認し、自分で修正可能な項目(OSアップデート、ウイルス対策の有効化など)から対処してください。認証エラーと端末状態の問題は別物であることを理解し、適切に切り分けることが重要です。どうしても解決しない場合は、エラーコードや端末情報を添えてIT管理者に連絡しましょう。個人端末の場合は、プライバシーに配慮された管理が行われているため、安心して指示に従ってください。日頃から定期的なアップデートとセキュリティ設定の確認を習慣づけることで、このようなブロックを未然に防ぐことができます。
超解決 リモートワーク研究班
Microsoft 365の導入・保守を専門とするエンジニアグループ。通信障害やサインイン不具合など、ビジネスインフラのトラブル対応に精通しています。
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