Microsoft Intuneで管理されている会社のデバイスにPINを設定したにもかかわらず、「デバイスは準拠していません」というエラーが解除されないケースがあります。PINを設定したはずなのにエラーが続くと、メールやクラウドサービスにアクセスできず業務に支障が出ます。この問題は、PINそのものの設定漏れではなく、他の準拠条件が満たされていないことや、ポリシーの適用遅延などが原因であることが多いです。本記事では、原因を段階的に切り分け、ユーザー側で対応できる範囲と管理者に依頼すべきポイントを明確にします。
【要点】この記事で確認すること
- 最初に見る場所: Intuneポータルサイトまたはポータルサイトアプリの「デバイスの状態」で、具体的にどの準拠ルールに違反しているかを確認します。
- 切り分けの軸: 端末側(OSバージョン、暗号化、脱獄検出)とアカウント側(所有権、条件付きアクセス)、および管理ポリシー側(準拠ルールの設定)の3方向でチェックします。
- 注意点: 会社PCではレジストリ変更やポリシーの強制適用など管理者権限が必要な操作は避けてください。不明な場合は必ず管理者に連絡してください。
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目次
PIN以外の準拠要件が満たされていない可能性
Intuneのデバイス準拠ポリシーは、PIN以外にも複数の条件を同時にチェックします。PINを設定しただけでは不十分で、以下のような要件も満たしている必要があります。
OSのバージョンとセキュリティパッチ
会社のポリシーによっては、特定のOSバージョン以上であることや、最新のセキュリティパッチが適用されていることが求められます。Windows 10であればバージョン22H2など、Androidであればセキュリティパッチレベル2023年1月などが条件になることがあります。設定]→[更新とセキュリティ]で最新状態か確認してください。更新が保留になっていると準拠エラーの原因となります。
デバイスの暗号化状態
多くの企業では、デバイス全体の暗号化(WindowsのBitLocker、macOSのFileVault、Androidの暗号化)を準拠条件としています。PINを設定していても、ドライブが暗号化されていなければエラーになります。Windowsの場合はコントロールパネル→「BitLockerドライブ暗号化」で状態を確認できます。暗号化が有効になっていない場合は、管理者に相談の上で有効化してください。
脱獄/ルート検出(iOS/Android)
モバイルデバイスの場合、脱獄(iOS)やルート化(Android)が検出されると準拠エラーになります。通常の業務用端末であれば該当しませんが、中古端末や個人端末を業務利用する場合に発生することがあります。脱獄やルート化の痕跡が残っていると、PINを設定してもエラーは消えません。端末を初期化し、正規の状態で再登録する必要があります。
| チェック項目 | 確認場所(Windows) | 確認場所(モバイル) |
|---|---|---|
| OSバージョン | 設定>システム>バージョン情報 | 設定>デバイス情報 |
| 暗号化 | コントロールパネル>BitLocker | 設定>セキュリティ>暗号化 |
| 脱獄/ルート | 該当なし | Intuneポータルサイトのステータス |
条件付きアクセスポリシーが厳しすぎるケース
デバイス準拠エラーの原因が端末側ではなく、クラウド側の条件付きアクセスポリシーにある場合もあります。特に、デバイス準拠だけでなく「アプリ保護ポリシー」や「場所(IPアドレス範囲)」などの条件が追加されていると、PINを設定していてもアクセスが拒否されることがあります。
アプリ保護ポリシーとの複合条件
例えば、Outlookなどのアプリにアプリ保護ポリシー(MAM)が適用されている場合、デバイス準拠ポリシーとは別に、アプリレベルでPINやデータ漏洩防止の設定が必要です。この場合、Intuneポータルサイトの「デバイス準拠」が緑でも、特定アプリでエラーが出ることがあります。エラーメッセージに「アプリ保護ポリシーを満たしていません」と表示される場合は、アプリの再インストールや会社ポータルアプリの更新を試してください。
管理者に確認すべき設定
条件付きアクセスポリシーの内容はユーザー側では変更できません。エラーが続く場合は、管理者に以下の点を確認してもらいましょう。
- デバイス準拠ポリシーにPIN以外の条件(OSバージョン、暗号化など)が含まれていないか
- 条件付きアクセスポリシーで「すべての条件を満たす」設定になっていて、一部だけ満たしても許可されないポリシーになっていないか
- ポリシーの対象ユーザーグループが正しく設定されているか
デバイスの所有権が誤って認識されている場合
Intuneではデバイスの所有権(会社所有か個人所有か)によって適用されるポリシーが変わります。所有権が誤って設定されていると、PINを設定しても準拠エラーが発生することがあります。例えば、個人端末をBYODとして登録したのに会社所有として認識されている場合、会社所有向けの厳しいポリシーが適用されてエラーになることがあります。
所有権の確認と修正
ユーザー側では所有権を変更できません。Intuneポータルサイトの「デバイス」一覧で、各デバイスの「所有権」列を確認できます。会社支給の端末であれば「会社」、個人端末であれば「個人」と表示されるのが正しいです。誤って「会社」と表示されている場合は、管理者に連絡してIntune管理センターで所有権を変更してもらってください。所有権変更後、ポリシーが再適用されるまで数分から数時間かかることがあります。
失敗パターン:個人端末を会社デバイスとして登録
以前、会社で支給された端末を初期化せずに個人利用していたケースや、手動登録時に所有権の選択を間違えたケースで発生します。この場合、PINを設定しても会社ポリシーが満たせずエラーが続きます。管理者が所有権を「個人」に変更するか、端末を再登録することで解決します。
ユーザー側で試せる対処手順
管理者に依頼する前に、以下の手順を自分で実施してみてください。これらの操作はユーザー権限で実行可能です。
- Intuneポータルサイトで同期を実行する:ポータルサイトアプリ(またはWebサイト)を開き、「デバイス」タブで該当デバイスを選択し、「チェック」または「同期」ボタンをタップします。これにより最新のポリシーが適用されます。
- デバイスを再起動する:ポリシーの適用や準拠状態の再評価が促されます。特にWindows端末では再起動で問題が解決することがあります。
- OSとアプリを最新に更新する:上記で説明したように、OSバージョンやセキュリティパッチが条件になっている場合があります。設定から更新を確認し、すべてインストールしてください。
- PINを一度削除して再設定する:稀にPINの登録が正しく認識されないことがあります。設定から既存のPINを削除し、再度設定し直してください。設定後、再度同期を実行します。
- 会社ポータルアプリを再インストールする:アプリケーション自体が破損している場合があります。デバイスからポータルアプリをアンインストールし、ストアから再インストールしてください。
管理者に依頼すべき事項
上記の手順で改善しない場合、管理者側で確認・修正が必要です。以下の情報を整理して管理者に伝えるとスムーズです。
- エラーメッセージのスクリーンショット:Intuneポータルサイトに表示されている「デバイス準拠」の詳細画面(どの項目が×になっているか)を撮影して送付します。
- デバイス情報:OSの種類とバージョン、デバイスのモデル、登録日時を伝えます。
- 所有権の確認依頼:Intune管理センターで所有権が正しいか確認してもらいます。
- 準拠ポリシーの条件確認:どの準拠ルールが満たされていないのか、ログから確認してもらいます。
- 条件付きアクセスポリシーの緩和が必要かどうか:場合によってはポリシーを見直す必要があります。
管理者がIntune管理センターから端末の準拠状態を確認するには、[デバイス]→[すべてのデバイス]で該当端末を選択し、「デバイス準拠」タブを開きます。ここに各ルールの評価結果が表示されます。また、「条件付きアクセス」タブで適用されているポリシーを確認できます。
よくある質問
Q1. PINを設定したのに、ポータルサイトで「PIN未設定」と表示されます。なぜですか?
A. 端末にPINを設定した後、Intuneへの反映に時間がかかっているか、同期が正しく行われていない可能性があります。同期を手動で実行し、それでも改善しない場合はPINを一度削除して再設定してください。
Q2. 会社支給の端末なのに「個人所有」と表示されています。どうすればよいですか?
A. そのままでは個人所有向けの緩いポリシーが適用される可能性があります。管理者に連絡して所有権を「会社」に変更してもらってください。自分では変更できません。
Q3. 同じ端末で複数のユーザーがログインしています。準拠状態はユーザーごとに変わりますか?
A. はい、準拠ポリシーはユーザー単位で評価されます。各ユーザーが自分のIntuneポータルサイトで状態を確認し、個別に対処する必要があります。
Q4. PINの長さや複雑さが条件になっていることはありますか?
A. あります。Intuneの準拠ポリシーでは、PINの最小長や文字種類(数字のみ、英数字など)を設定できます。設定したPINがポリシーを満たしているか確認してください。例えば、6桁以上の数字のみなど。
Q5. エラーが消えずに困っています。最終手段は何ですか?
A. デバイスの初期化と再登録が最終手段です。ただし、端末のデータがすべて消えるため、事前にバックアップを取ってから行ってください。初期化後、再度Intuneに登録しポリシーを適用します。
まとめ
PINを設定してもデバイス準拠エラーが消えない原因は、PIN以外の準拠条件(OSバージョン、暗号化、脱獄検出など)、条件付きアクセスの複合条件、所有権の誤認識など多岐にわたります。まずはIntuneポータルサイトでどの項目がエラーになっているかを確認し、ユーザー側で同期やOS更新、PIN再設定を試みてください。それでも解決しない場合は、エラー画面のスクリーンショットを添えて管理者に相談しましょう。管理者はIntune管理センターで準拠ルールや所有権を確認し、必要に応じてポリシーを調整することで問題を解決できます。
超解決 リモートワーク研究班
Microsoft 365の導入・保守を専門とするエンジニアグループ。通信障害やサインイン不具合など、ビジネスインフラのトラブル対応に精通しています。
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