Intuneで管理されているWindows端末において、更新プログラムの適用後に「非準拠」と表示されるトラブルは、意外と頻繁に発生します。特にWindows Update for Businessや配布リングを使用している環境では、更新のタイミングや再起動の管理が複雑なため、意図せず準拠ポリシーから外れてしまうケースがあります。この記事では、更新後の端末が非準拠になった原因を特定し、次の行動を決めるための具体的な確認手順を解説します。最初に端末の状態を確認し、その後、管理設定やポリシーの見直し、再発防止策までを順を追って説明します。
【要点】この記事で確認すること
- 最初に見る場所: Intune管理センターの「デバイス」→「準拠状況」、および対象端末の「更新プログラム」の状態(保留中、再起動待ちなど)
- 切り分けの軸: 端末側の問題(再起動未実施、更新保留)とアカウント側(ユーザーライセンス、ポリシー割り当て)および管理設定側(配布リング、品質更新ポリシー、準拠ポリシーの設定ミス)
- 注意点: 会社PCでは、更新の強制停止や自己判断のロールバックは行わないでください。管理者に端末情報と発生時刻を報告し、指示を仰ぐことが基本です。
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目次
1. 端末の状態を確認する
更新後に端末が非準拠になった場合、まずはその端末自体の状態を確認します。Intune管理センターにアクセスできる環境であれば、以下の手順で確認を進めてください。
- Intune管理センターにサインインし、[デバイス] > [すべてのデバイス] から該当端末を選択します。
- [デバイスの準拠状況] タブを開き、現在の準拠状態、最終チェック日時、非準拠の理由を確認します。理由として「更新プログラムがインストールされていない」「再起動が必要」などが表示されることが多いです。
- [Windows Update] タブ(または [更新プログラム])では、保留中の更新、再起動の期限、エラーコードなどを確認できます。例えば「再起動が必要」と表示されている場合は、ユーザーに再起動を促すメッセージが出ていないか確認しましょう。
- 端末上での確認: 該当の端末にログインし、[設定] > [Windows Update] を開き、更新プログラムの状態、保留中の再起動、エラーメッセージをチェックします。
- イベントログの確認: 必要に応じて、イベントビューアーで「WindowsUpdateClient」のログを確認します。特にエラーコード(例:0x80070643)が記録されている場合は、そのコードをメモしておきましょう。
端末の状態を確認したら、次にその情報を基に原因を切り分けます。非準拠の理由が「保留中の更新」であれば、端末がまだ更新プログラムをインストールしていないか、再起動が行われていない可能性が高いです。一方、「準拠ポリシーの条件を満たしていない」という理由であれば、ポリシー自体の設定を見直す必要があります。
2. 更新プログラムの管理設定を確認する
端末の状態が問題なさそうな場合は、Intune側の更新プログラムの管理設定に原因があるかもしれません。特にWindows Update for Business(WUfB)の配布リングや品質更新ポリシーの設定を確認します。
配布リングの設定を確認
Intune管理センターで [アプリ] > [Windows Update for Business] > [配布リング] から、該当端末が属するリングを選択します。そこで設定されている「更新の延期期間」「再起動の期限」「更新の一時停止」などを確認します。例えば、品質更新の延期期間が長すぎると、セキュリティ更新が適用されず準拠ポリシーに違反することがあります。逆に、延期期間が短すぎると、更新が急に適用されて再起動が間に合わず非準拠になることもあります。適切なバランスになっているか確認しましょう。
品質更新ポリシーを確認
[デバイス] > [管理ポリシー] > [Windows Update 更新プログラムポリシー] で、品質更新の動作を定義しているポリシーがないか確認します。特に「自動更新の動作」の設定が「通知のダウンロード」や「自動ダウンロードしてインストールをスケジュール」などになっている場合、ユーザーが適切に再起動を行わないと非準拠になる可能性があります。また、「更新プログラムの自動更新を許可しない」に設定されていると、更新自体が行われず非準拠となるため注意が必要です。
Autopilotとの関連
Autopilotで展開された端末では、初期セットアップ後に自動的にIntuneのポリシーが適用されますが、更新プログラムの配信タイミングによっては、まだポリシーが適用されていない状態で非準拠と判定されることがあります。この場合、通常は24時間以内に自動で準拠状態に戻りますが、長時間変わらない場合は管理者に報告し、Autopilotのプロファイル設定を確認してもらいましょう。
3. 準拠ポリシーと更新要件を照合する
更新後の非準拠は、準拠ポリシーで指定されている更新要件を満たしていないために発生します。そこで、ポリシーの内容と実際の端末の状態を照合します。
Intune管理センターで [エンドポイント セキュリティ] > [デバイス準拠ポリシー] から、該当端末に割り当てられているポリシーを選択します。そこで「Windows Update の状態」や「必要な更新プログラムの最小バージョン」などの条件を確認します。例えば、「必要なOSビルド番号」が最新の品質更新を要求している場合、端末がそのビルドに達していなければ非準拠となります。また、「再起動の期限」が設定されているポリシーでは、再起動が期限内に完了していないと非準拠になります。
よくある失敗パターンとして、ポリシーで「Windows Update の状態が [最新の状態] であること」という条件があるにもかかわらず、端末が機能更新プログラムを適用していないケースがあります。機能更新は品質更新とは別のポリシーで管理されるため、それぞれのポリシーで適切に更新が行われているか確認する必要があります。また、一部のセキュリティ更新のみを要求するポリシーである場合、該当する更新がインストールされているかを確認します。
4. トラブルシューティングと管理者への報告
ここまでの確認で原因が特定できない場合、または端末の状態が複雑な場合は、管理者に詳細を報告して対処を依頼します。その際、以下の情報を整理して伝えるとスムーズです。
管理者へ伝えるべき情報
- 端末名、ユーザー名
- 非準拠と判定された日時(正確な時刻)
- Intune管理センターに表示された非準拠の理由
- 端末のWindows Update画面のスクリーンショット(保留中の更新、再起動の有無)
- イベントログに記録されたエラーコード(あれば)
- 配布リングやポリシーの設定変更履歴(自身が把握している範囲で)
管理者が行う可能性のある対処としては、以下のようなものがあります。
- 準拠ポリシーの再評価(Intune管理センターから「準拠状況の再評価」を実行)
- 配布リングの延期期間や再起動期限の調整
- 更新プログラムの再配布(特定のKBを強制的にインストール)
- 端末の再同期([デバイス] > [同期] を実行)
- ロールバック(ただし、通常は推奨されません。どうしても必要な場合のみ管理者判断で実施)
5. よくある質問と追加の確認ポイント
更新後の非準拠に関して、よく寄せられる質問とその回答をまとめました。
| 質問 | 回答 |
|---|---|
| 再起動を促すメッセージを無視してしまった後に非準拠になった。どうすれば? | まずは端末を再起動し、更新を完了させてください。その後、Intune管理センターで準拠状況が更新されるまで最大24時間程度かかる場合があります。すぐに改善しない場合は、管理者にその旨を報告してください。 |
| 更新プログラムがインストールに失敗しているエラーが表示される。 | エラーコードをメモし、管理者に報告します。管理者は該当KBを手動で再ダウンロードさせたり、トラブルシューティングツール(Windows Update トラブルシューティング)の実行を指示する場合があります。 |
| 複数の端末が同時に非準拠になった。何が考えられる? | 配布リングやポリシー設定の変更、または一斉に配信された更新プログラムに問題がある可能性が高いです。管理者はIntuneのポリシー変更履歴と更新プログラムのKB番号を確認しましょう。 |
| 端末が非準拠のまま数日経過している。手動でロールバックしてもよいか? | ロールバックは管理者の指示のもとでのみ実施してください。自己判断で行うと、セキュリティリスクやさらなる互換性の問題を引き起こす可能性があります。まずは管理者に連絡し、指示を仰ぎましょう。 |
6. 再発防止のために
更新後の非準拠を防ぐためには、以下の点を定期的に見直すことが有効です。
- 配布リングの再起動期限を適切に設定する: ユーザーが業務時間中に再起動しやすいように、期限を業務終了後の時間帯に設定するか、十分な猶予(例:3日間)を設ける。
- 準拠ポリシーの更新要件を定期的にレビューする: 最新のセキュリティ更新が必要かどうか、機能更新のバージョン要件が適切かなどを、組織のセキュリティポリシーに合わせて確認する。
- ユーザーへの注意喚起: 更新プログラムのインストール後は必ず再起動を行うよう、定期的な周知やメール通知を実施する。
- テスト環境での事前検証: 重要な更新プログラムを配布する前に、パイロットグループでテストし、準拠ポリシーに違反しないことを確認する。
- Intuneの自動修復機能を活用する: 準拠ポリシーに「非準拠時のアクション」として「自動的に更新を適用する」などの設定が可能な場合は、積極的に利用することを検討する。
まとめ
更新後の端末が非準拠になった場合、まずは端末の状態(更新の保留、再起動の有無、エラーコード)を確認し、次にIntuneの更新管理設定(配布リング、品質更新ポリシー)と準拠ポリシーの要件を照合することが重要です。原因が特定できない場合は、端末情報と発生時刻を正確に記録し、管理者に報告してください。自己判断でのロールバックや更新の強制停止はトラブルを悪化させる恐れがあるため、避けるべきです。再発防止のためには、配布リングの設定見直しやユーザー教育、テスト環境での検証を定期的に行うことをおすすめします。適切な対応で、端末の準拠状態を維持し、セキュリティを確保しましょう。
超解決 リモートワーク研究班
Microsoft 365の導入・保守を専門とするエンジニアグループ。通信障害やサインイン不具合など、ビジネスインフラのトラブル対応に精通しています。
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