SalesforceのモバイルアプリやLightning Experienceのモバイル表示で、特定のユーザーにだけモバイルカードが表示されない現象が発生することがあります。この問題は、レポートの共有設定や条件フィルタ、項目レベルセキュリティ、プロファイル設定など、複数の要因が絡み合っていることが多いです。本記事では、モバイルカードが一部ユーザーにだけ見えない場合の原因特定方法と、レポート条件や項目設定の具体的な修正手順を解説します。組織の設定を安易に変更する前に、切り分けのポイントを押さえて適切に対処しましょう。
【要点】この記事で確認すること
- 最初に見る場所: モバイルカードに関連するレポートの共有設定と条件フィルタ、項目レベルセキュリティ、プロファイルのオブジェクト権限。
- 切り分けの軸: 表示されないユーザーと表示されるユーザーの権限・プロファイル・共有設定の違いを比較する。
- 注意点: レポートの条件フィルタや項目設定の変更は、他のユーザーにも影響を与える可能性があるため、テスト環境での確認を推奨。
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目次
モバイルカードが見えない原因を切り分けるための3つの視点
モバイルカードの表示は、レポートの結果に基づいて制御されることが一般的です。そのため、まずはレポートそのものが正しく動作しているかどうかを確認する必要があります。表示されないユーザーと表示されるユーザーで、レポートの実行結果が異なる場合は、共有設定や条件フィルタが原因である可能性が高いです。一方、同じレポートが正しく表示されているにもかかわらずモバイルカードだけ見えない場合は、項目レベルセキュリティやモバイルカード固有の表示設定に問題があるかもしれません。
具体的には、以下の3つの視点で原因を切り分けてください。
- レポートの共有と権限: 問題のユーザーが該当レポートを閲覧できるか、フォルダの共有設定は適切か。
- レポートの条件フィルタ: 条件にユーザー固有の項目(例:所有者、所属ロールなど)が含まれていないか。
- 項目レベルセキュリティとプロファイル: モバイルカードに表示される項目が、対象ユーザーのプロファイルで参照可能か。
レポートの共有設定と条件フィルタの確認手順
まずは、モバイルカードで使用しているレポートの共有設定を確認します。多くの場合、モバイルカードは特定のレポートをデータソースとしており、そのレポートがどのフォルダに保存され、誰に共有されているかが重要です。
手順1: レポートのフォルダ共有を確認する
- Salesforceに管理者としてログインし、「レポート」タブから該当のレポートを開きます。
- レポートの詳細ページで、「編集」ボタンをクリックします。
- レポートビルダー画面で「共有」ボタンをクリックし、フォルダの共有設定を確認します。
- 問題のユーザーがフォルダへのアクセス権を持っているか確認します。権限がない場合は、フォルダの共有設定にユーザーまたはその親ロールを追加します。
- 保存してテストします。レポートが直接表示できるかどうかを問題のユーザーで確認してください。
手順2: レポートの条件フィルタを確認する
レポートに条件フィルタが設定されている場合、その条件が特定のユーザーだけ異なる結果を返すことがあります。例えば、「所有者」を条件にしていると、レポートの所有者だけにデータが表示されるため、他のユーザーには空のレポートとなり、モバイルカードも非表示になります。
- レポートビルダーで「フィルタ」タブを開き、設定されている条件をすべて確認します。
- 特に、ユーザーごとに値が変わる動的フィルタ(例:ログインユーザーのID、現在のユーザーのロールなど)が含まれていないか確認します。
- 動的フィルタが原因であれば、条件を変更するか、別のフィルタに置き換えます。例えば、特定のレコードタイプやステータスなど、全ユーザーに共通する条件を使用します。
- 変更後、レポートを保存し、問題のユーザーでレポートの実行結果を確認します。
項目レベルセキュリティとプロファイル設定の確認
レポートが正常に表示されるにもかかわらず、モバイルカードだけが見えない場合、モバイルカードに表示される項目の権限が不足している可能性があります。特に、カードに数式項目やルックアップ項目が含まれている場合、その項目が参照元のオブジェクトへのアクセス権を必要とすることがあるため注意が必要です。
項目レベルセキュリティの確認手順
- 「設定」から「オブジェクトマネージャ」を開き、モバイルカードのデータソースとなっているオブジェクトを選択します。
- 「項目とリレーション」から、モバイルカードに表示している項目をリストアップします。
- 各項目について、「項目レベルセキュリティ」を開き、問題のユーザーのプロファイルで「参照可能」がオンになっているか確認します。
- オフになっている場合は、編集してオンに変更します。複数のプロファイルに影響するため、テストユーザーで一度確認してください。
プロファイルのオブジェクト権限の確認
モバイルカードが特定のオブジェクトのレコードを表示する場合、そのオブジェクトに対する「読み取り」権限が必要です。プロファイルまたは権限セットで権限が不足していないかを確認します。
- 「設定」→「ユーザー」→「プロファイル」から問題のユーザーが属するプロファイルを選択します。
- 「オブジェクト設定」の一覧から、該当オブジェクトを探し、「読み取り」権限が有効か確認します。
- 権限がない場合は、プロファイルを編集するか、権限セットで権限を追加します。
モバイルカードの表示条件設定の見直し
モバイルカード自体に表示条件が設定されている場合があります。例えば、特定の項目の値が条件を満たす場合のみ表示するといった設定です。この条件がユーザーによって判定が異なることがあります。
表示条件は、Salesforceのモバイルカード設定画面から確認できます。Lightningアプリケーションビルダーやモバイルカード設定(設定→モバイルアプリケーション→モバイルカード)から、各カードの「表示条件」を確認してください。条件に数式やクロスオブジェクトの項目が使われている場合、権限不足でその項目が参照できず、条件が偽と評価されることがあります。
状況別の原因と対処方法の比較表
| 症状 | 考えられる原因 | 確認すべき設定 | 対処方法 |
|---|---|---|---|
| 一部のユーザーだけモバイルカードが表示されない(レポート自体も見えない) | レポートフォルダの共有設定不足 | レポートフォルダの共有メンバー | フォルダの共有設定にユーザーまたはロールを追加 |
| レポートは見えるがモバイルカードだけ見えない | 項目レベルセキュリティで項目が参照不可 | カードに使用している項目のFLS | 該当項目の参照可能を有効化 |
| 特定のユーザーだけカード表示が異なる(一部のレコードのみ表示) | レポートの条件フィルタが動的でユーザーによって結果が異なる | レポートフィルタの条件(特に「ログインユーザー」に関係するもの) | フィルタを削除するか、全ユーザー共通の条件に変更 |
| モバイルカードが全く表示されない(全ユーザー) | モバイルカードの表示条件が常に偽 | カード設定の表示条件数式 | 数式の見直しまたは条件解除 |
失敗パターンと注意点
よくある失敗として、レポートの条件フィルタに「所有者ID」や「作成者ID」を動的フィルタで設定しているケースがあります。この場合、レポートを作成したユーザー以外にはデータが表示されず、モバイルカードも空になります。また、項目レベルセキュリティの変更を組織全体に適用する際、テストをせずに本番環境で変更すると、他のカード表示に影響が出ることがあります。必ずSandboxなどで検証してから本番適用するようにしてください。
もう一つの注意点は、モバイルカードの表示条件に数式を使用している場合、その数式が参照する項目へのアクセス権が不足すると、数式がエラーとなり条件が偽と評価されることです。この場合、エラーメッセージが表示されないため、気づきにくい問題です。
管理者へ確認すべき情報とよくある質問
問題を解決するために、管理者は以下の情報を事前に収集しておくと対応がスムーズです。
- 問題が発生しているユーザーのユーザー名、プロファイル、ロール
- 正常に表示されているユーザーのユーザー名、プロファイル、ロール
- モバイルカードに関連付けられているレポートのIDとフォルダ名
- モバイルカードに表示している項目の一覧
よくある質問
Q: モバイルカードの表示条件に「ログインユーザー」を使うことはできますか?
A: 可能ですが、その場合ユーザーごとに表示内容が異なります。一部ユーザーだけ見えない原因になるため、利用は慎重に検討してください。
Q: 項目レベルセキュリティを変更したのに反映されません。
A: 変更後、ユーザーがログインし直すか、セッションをリフレッシュする必要があります。また、権限セットで上書きされている可能性もあるため、権限セットの設定も確認してください。
Q: レポートの共有設定は正しいのに、一部ユーザーだけ見えません。
A: その場合、レポートの条件フィルタが原因かもしれません。レポートを複製して条件を解除し、表示されるかテストしてください。また、共有設定で「参照可能」と「レポートの実行」権限が別にあるため、両方とも適切に設定されているか確認してください。
まとめ
Salesforceのモバイルカードが一部ユーザーだけ見えない問題は、レポートの共有設定や条件フィルタ、項目レベルセキュリティなど、複数の要素を確認する必要があります。最初に表示されないユーザーと正常なユーザーの違いを比較し、原因を切り分けてください。変更作業はテスト環境で検証してから本番に適用し、影響範囲を最小限に抑えることが重要です。本記事で紹介した手順を参考に、スムーズに問題を解決してください。
超解決 第一編集部
疑問解決ポータル「超解決」の編集チーム。正確な検証と、現場視点での伝わりやすい解説を心がけています。
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