キャッシュとは、再び使うデータを近くに保存し、取得にかかる時間や通信を減らす仕組みです。ブラウザーでは、ページの画像やプログラムなどを保存し、次に必要になったときに再利用します。ログイン状態に関わるCookieや、訪れたページを記録する閲覧履歴とは別のものです。

「古い画像が表示されるのでキャッシュを消してください」と案内された場合も、ブラウザーのデータをすべて削除する必要があるとは限りません。ここではWebページのキャッシュを中心に、何が保存されるのか、削除すると何が変わるのかを説明します。

【要点】キャッシュの役割と削除する前の確認
  • キャッシュは、画像やファイルなどを再利用するための保存です。
  • Cookie・閲覧履歴・端末へ保存した文書とは、役割も削除対象も異なります。
  • 表示トラブルでは、再読み込みや問題の範囲を確認してから、必要なデータだけを削除しましょう。

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ブラウザーのキャッシュは何を保存する?

Webページは、文章だけでなく、画像、文字の大きさや色を指定するファイル、画面の動作に必要なプログラムなどからできています。ブラウザーは、サイトの指定や自身の仕組みに従って、受け取ったデータの一部を保存します。次回の表示に使えるデータがあれば、毎回同じものを取得せずに済みます。[1]

例えば、同じ通販サイトの別の商品ページを開く場面を考えてみましょう。どちらにも同じロゴ画像が使われていれば、その画像を再利用できることがあります。商品名や価格などの情報まで、必ず前回の内容が表示されるという意味ではありません。保存するか、いつ新しいデータを確認するかは、データごとの条件で変わります。

サイト画像などを送る
ブラウザー再利用できるデータを保存
次の表示条件に合えば再利用
ブラウザーに保存したデータを再利用する例。ページの全データを保存するとは限りません。

キャッシュという言葉は、ブラウザー以外にも使われます。Webサイトの配信設備、スマートフォンのアプリ、コンピューターの部品などにも、それぞれ異なるキャッシュがあります。ブラウザーの設定からキャッシュを消しても、サイトの配信設備に保存されたキャッシュまで一緒に消えるわけではありません。

キャッシュ・Cookie・閲覧履歴の違い

3つともブラウザーに保存されるデータですが、残している内容が違います。「ブラウザーのデータを削除する」という設定画面が共通でも、同じ目的のデータではありません。Chromeの公式ヘルプでも、キャッシュ、Cookieとサイトデータ、閲覧履歴は別の削除項目として説明されています。[2]

ブラウザーに残る主なデータ
種類主な役割削除による影響の例
キャッシュ画像やファイルを再利用する次の表示でデータの再取得が必要になる
Cookieログインやサイト設定などに使う情報を保持する再ログインや設定のやり直しが必要になる場合がある
閲覧履歴訪れたページの記録を残す履歴一覧から以前のページを探せなくなる

例えば、「昨日見た記事を履歴から探したい」という目的で必要なのは閲覧履歴です。「サイトの表示言語を覚えてほしい」という場合は、Cookieなどのサイトデータが関わります。画像を速く表示するキャッシュだけでは、どちらの役割も代わりにはなりません。

ダウンロードして自分の保存先へ置いたPDFや写真も、ブラウザーのキャッシュとは別です。必要な文書を後で読みたいときは、キャッシュに残ることを期待せず、利用を許可された保存方法で保存しましょう。保存したファイルが開けるかも確認しておくと、ページが変わった場合に慌てずに済みます。

表示が古いときは、削除の前に何を確認する?

古い画像が出る原因がキャッシュなら、再読み込みやキャッシュの削除で変わる可能性があります。ただし、サイトの更新がまだ終わっていない、別のURLを開いている、ログインするアカウントが違うといった場合には、キャッシュを消しても目的の内容にはなりません。

  1. 開いているURLと、確認したいページが同じかを確かめましょう。更新前の資料へのリンクや、別の年度のページではないかも確認しましょう。
  2. 入力中の文章や編集中の内容を保存してから、ページを再読み込みしましょう。再読み込みで、未送信の内容が失われる場合があります。
  3. 同じサイトの別ページや、閲覧を許可された別のブラウザーでも同じ状態かを確認しましょう。会社の情報を個人端末へ移して確かめる必要はありません。
  4. 一部の画像だけか、ページ全体か、ログイン後の画面だけかを整理しましょう。そのうえで、使っているブラウザーの公式手順に沿って対処を選びましょう。

通常の再読み込みと、保存済みデータの利用を抑えて取得し直す再読み込みでは、動作が異なります。後者も、ブラウザーにある全種類のデータを削除する操作ではありません。キーボードの操作はOSやブラウザーで異なるため、名前だけで他の製品へ当てはめないよう注意しましょう。[1]

問い合わせる場合は、問題のURL、表示がおかしい部分、発生した時刻、再読み込みで変化したかを伝えると状況が分かりやすくなります。画面を共有するときは、氏名や顧客情報、アカウント情報が写っていないかを確認しましょう。

キャッシュを削除すると、何が変わる?

ブラウザーの画像・ファイルのキャッシュを削除すると、再利用していたデータを次のアクセスで取得し直すことがあります。そのため、削除直後の最初の表示では、時間や通信量が増える場合があります。削除後もサイトを使えば、新しくキャッシュが作られます。定期的に消し続けるほど速くなる仕組みではありません。

キャッシュだけを選んだ削除と、Cookieを含む削除は影響が違います。表示だけを確認したいときに、ログイン用のデータまでまとめて消さないよう注意しましょう。削除画面では、対象の種類と期間、追加で選ばれている項目を確かめましょう。

設定名に「サイトデータ」とある場合は、Cookie以外の保存データも対象になることがあります。Webアプリが端末内に保存した内容に影響する可能性もあるため、画像キャッシュと同じものだと思って削除しないよう注意しましょう。作業中の内容を保存し、サービスが案内している保存・同期の状態も確認しましょう。[2]

キャッシュを削除することと、ストレージ内の文書を整理することも別です。PCの空き容量を増やしたいなら、何が容量を使っているのかを先に確認しましょう。ダウンロードフォルダーやクラウドの同期フォルダーを、キャッシュだと思ってまとめて消す操作は避けましょう。

キャッシュについてよくある疑問

キャッシュを消すと、必ずログアウトする?

画像・ファイルのキャッシュとログイン状態の管理は別です。ただし、Cookieや他のサイトデータも一緒に削除した場合には、再ログインが必要になることがあります。「キャッシュ削除」という案内でも、実際に何を選ぶのかを確認しましょう。

キャッシュを消せば、サイトの障害も直る?

サーバーの停止やアクセス権の不足まで、端末のキャッシュ削除で解消するわけではありません。複数の利用者で同じ問題が起きている場合は、サービスの公式障害情報も確認しましょう。ログインや決済が完了したか分からないときは、同じ操作を何度も送信せず、履歴や公式窓口で結果を確かめましょう。

キャッシュがあれば、インターネットなしでも読める?

キャッシュは、必要なページ全体を必ず保存する機能ではありません。通信なしで使う資料は、サービスのオフライン機能やダウンロードの条件を確認して準備しましょう。旅行や出張の前には、必要な資料が実際に開けるかを確かめましょう。

まとめ

キャッシュはデータを再利用するための仕組みであり、Cookieや閲覧履歴とは役割が異なります。表示に問題があるときは、まずURLや再読み込み後の状態を確認しましょう。削除が必要な場合も、消す種類と影響を確認し、関係のないデータまでまとめて削除しないよう注意しましょう。

出典

  1. MDN Web Docs:HTTP caching(キャッシュの種類、再読み込み)
  2. Google Chrome ヘルプ:Chromeの閲覧データを削除する(パソコン版の削除項目)