企業でIntuneを使って端末管理を行っていると、組織アカウントを切り替えた際に同じ端末が重複して登録されてしまう事象が発生することがあります。これは、旧アカウントと新アカウントの両方で端末が登録され、MDM管理が混乱する原因となります。例えば、会社支給のノートPCでアカウントを変更した後、Company Portalに同じ端末が2つ表示されるといった状況です。本記事では、この二重登録がなぜ発生するのか、ご自身で解決できる方法、管理者に依頼すべきケースを解説します。まずは、現在の端末の状態を正しく把握することが重要です。
【要点】この記事で確認すること
- 最初に見る場所: Company Portalの端末一覧、Windowsの設定アカウント画面、コマンドプロンプトでのdsregcmd /status
- 切り分けの軸: 端末側の登録状態(Azure AD参加/ MDM登録)、アカウント側のライセンスや割り当て、管理設定側の重複レコード
- 注意点: 会社PCでは管理者の許可なく端末登録を削除すると業務に支障が出る可能性があるため、まずは管理者に確認してください。
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二重登録が発生する原因
組織アカウントの切り替えで二重登録が起きる主な原因は、Intuneが端末をユーザーのUPN(ユーザープリンシパル名)に関連付けて管理しているためです。端末に新しいアカウントでサインインすると、Intuneは新しいUPNで登録を試みますが、既存の登録が完全に解除されていない場合、古いUPNでのレコードが残ったまま新しい登録が作成されます。また、Company Portalが複数のアカウントを保持している状態で同期すると、同じ端末が別々の登録として認識されることがあります。特に、Windows 10/11の「職場または学校にアクセスする」設定でアカウントを追加した後に古いアカウントを削除しないと、重複が発生しやすくなります。
現在の端末登録状態を確認する手順
対処を始める前に、まずは現在の端末登録状態を3つの方法で確認してください。それぞれの結果を組み合わせることで、状況が正確に把握できます。
Company Portalで端末一覧を確認する
- Company Portalアプリを開きます。
- 画面左側のメニューから「端末」または「デバイス」をクリックします。
- 表示された一覧に同じ端末名が2つ以上あるかどうかを確認します。端末名が同じでも、登録日時が異なる場合があります。
- 各端末の詳細を開き、関連付けられているアカウントのUPNを確認します。
- もし意図しないアカウントが表示されている場合は、それが重複の可能性があります。
設定アプリからMDM登録状態を確認する
- Windowsの「設定」アプリを開きます。
- 「アカウント」→「職場または学校にアクセスする」を選択します。
- 接続されているアカウントの一覧が表示されます。ここで、現在使用中のアカウント以外に古いアカウントが残っていないか確認してください。
- 各アカウントをクリックし、「情報」や「切断」のオプションを確認します。MDM登録されている場合、Intune管理対象である旨が表示されます。
- もし複数のアカウントが「Azure AD参加済み」や「MDM登録済み」と表示される場合は、重複登録の可能性があります。
コマンドで詳細を確認する
- 管理者としてコマンドプロンプト(またはPowerShell)を開きます。
- 「dsregcmd /status」と入力して実行します。
- 出力結果の「AzureAdJoined」や「DomainJoined」、「Device Name」などを確認します。
- 「AzureAdJoined」がYESで「DomainJoinType」がAzure AD JoinedまたはHybrid Azure AD Joinedの場合、その端末はAzure ADに参加しています。
- 「MDM enrolled」の項目が表示される場合は、Intuneに登録されています。複数のMDM登録があるかどうかは直接確認できませんが、状態の整合性をチェックできます。
二重登録を解消する方法
二重登録を解消するには、不要な登録を削除する必要があります。削除にはユーザー自身で行える方法と、管理者に依頼する方法の2通りがあります。状況に応じて適切な方法を選んでください。
ユーザー自身で削除する(Company Portal)
- Company Portalアプリを起動し、「端末」を選択します。
- 重複している端末のうち、使用していない方(古い登録)をクリックします。
- 詳細画面で「削除」または「このデバイスを登録解除」を選択します。
- 確認ダイアログが表示されるので、内容を確認して「OK」をクリックします。
- 削除後、Company Portalの端末一覧が更新されるまで数分待ちます。
- 必要に応じて、端末を再起動してから再度Company Portalを開き、正しく削除されたか確認します。
管理者に依頼する削除方法
ユーザーがCompany Portalで削除できない場合や、会社支給端末で設定が制限されている場合は、IT管理者に依頼してください。管理者はMicrosoft Intune管理センターまたはAzure ADポータルから該当デバイスを検索し、削除できます。依頼時には、端末のシリアル番号、ホスト名、重複しているアカウントのUPNを伝えるとスムーズです。
再登録時の注意点
二重登録を解消した後は、再度正しいアカウントで端末が登録されていることを確認してください。Company Portalが自動的に再登録を試みることがありますが、もし登録されていない場合は、手動で「デバイスの登録」を行います。ただし、会社支給端末の場合は管理者が既に登録設定をしていることが多いため、ユーザーが再登録操作をしなくても自動で反映される場合があります。また、再登録後に不要なアカウントを端末に追加しないよう注意してください。
会社支給端末とBYODでの対応の違い
端末の所有形態によって、二重登録が発生した際の対応や影響が異なります。以下の表で比較しながら、ご自身の状況に合わせて判断してください。
| 項目 | 会社支給端末 | BYOD(個人端末) | 注意点 |
|---|---|---|---|
| アカウント切り替え時の登録状態 | 多くの場合、Autopilotや事前登録により自動で再登録される。古い登録が残りやすい。 | ユーザーが手動で登録するため、新旧アカウントの混在が起こりうる。 | 会社支給端末では管理者による一括管理が基本。BYODではユーザー管理が主体。 |
| 削除の可否 | ユーザーがCompany Portalで削除できる場合と、管理者権限が必要な場合がある。 | 通常、ユーザー自身で削除可能。ただし、会社のポリシーで制限されることもある。 | 削除前に管理者に確認したほうが安全。 |
| ビジネス影響 | 重複によりポリシー適用が混乱し、アプリ配信やコンプライアンス設定に影響する。 | 主にアクセス権限やデータ保護の問題が発生。仕事用データの消失リスクもある。 | 会社支給端末の影響は広範囲。 |
| 推奨対応 | 管理者に依頼して適切に削除してもらう。自分で削除しない。 | Company Portalで削除後、新しいアカウントで再登録する。 | どちらの場合も、削除前にデータバックアップを推奨。 |
二重登録を予防するための運用ルール
アカウント切り替えの標準手順を策定する
二重登録を防ぐには、アカウント切り替え時の手順をルール化することが有効です。例えば、新しいアカウントで端末にサインインする前に、現在登録されているアカウントをCompany Portalや設定アプリから必ず削除する、あるいは管理者に事前に連絡するといったルールを設定します。具体的な手順は会社のIT部門が定めるべきですが、ユーザー側でも注意喚起の資料を共有するとよいでしょう。
Intune管理センターで重複を検出する方法
管理者はIntune管理センターの「デバイス」セクションで、同じシリアル番号やIMEIを持つデバイスが複数登録されていないかを定期的に確認できます。また、Azure ADとIntuneの両方でデバイスを管理している場合、Azure ADポータルで重複の有無を確認することも可能です。もし重複を見つけた場合は、古い方のデバイスレコードを削除し、新しいレコードが適切に運用されるように調整します。
ユーザー教育のポイント
ユーザーに対して、組織アカウントの切り替え時には必ずITサポートに連絡すること、自分で勝手に登録解除や初期化をしないこと、Company Portalで端末を削除する必要がある場合は事前に確認することを教育しておきましょう。また、パスワード変更やアカウント移行の際に自動的にデバイス登録が更新されるわけではないという点を周知することが重要です。
よくある質問
Q1: 端末登録が二重になっていると、会社のリソースにアクセスできなくなることはありますか?
A: はい、可能性があります。Intuneのポリシーが正しく適用されず、アプリやメールにアクセスできない場合があります。重複を解消することで改善することが多いです。
Q2: Company Portalで端末を削除したら、端末のデータは消えますか?
A: Company Portalで端末を削除することは、MDM登録を解除するだけで、端末上の個人データや会社データは通常削除されません。ただし、削除した後はIntuneのポリシーが適用されなくなるため、会社データが保護されなくなるリスクがあります。管理者の指示に従ってください。
Q3: 再登録する必要がありますか?
A: 重複を解消した後、端末が正常にMDM管理下にあるか確認してください。Company Portalに端末が表示されない場合は、手動で「デバイスの追加」または管理者による再登録が必要です。特に会社支給端末では管理者が自動的に再登録する設定になっていることが多いため、まずは管理者に問い合わせましょう。
Q4: 古いアカウントが残っていても、新しいアカウントで使えていれば問題ありませんか?
A: 見かけ上問題なく使えていても、内部で競合が発生している可能性があります。特にポリシーの適用やライセンスの割り当てに不整合が生じることがあるため、早めに解消することをおすすめします。
Q5: 自分で削除しようとしたらエラーになりました。どうすればよいですか?
A: 削除権限がない可能性があります。その場合は無理に削除せず、IT管理者に連絡して対応を依頼してください。管理者であればIntune管理センターから強制的に削除できます。
まとめ
組織アカウントの切り替えで端末登録が二重になった場合、まずはCompany Portalや設定アプリ、コマンドで状態を確認し、不要な登録を特定してください。会社支給端末では管理者に依頼し、BYODでは自身で削除するのが基本です。再登録時には正しいアカウントのみを登録し、二重登録を防ぐルールを日常的に徹底することが重要です。もし不明な点があれば、ITサポートに相談しましょう。
超解決 リモートワーク研究班
Microsoft 365の導入・保守を専門とするエンジニアグループ。通信障害やサインイン不具合など、ビジネスインフラのトラブル対応に精通しています。
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