Intuneで管理されている端末のコンプライアンス評価が「未評価」のまま更新されないと、条件付きアクセスにより社内リソースにアクセスできなくなることがあります。このトラブルは、端末側の状態、Intuneとの通信、ユーザーアカウントの設定など複数の要因が絡み合って発生します。本記事では、自分で確認できる範囲と管理者に依頼すべき内容を明確にし、原因を効率的に特定するための手順を解説します。特に、認証の問題と端末の構成不備を分けて考えることが解決への近道です。
【要点】この記事で確認すること
- 最初に見る場所: 端末の所有権設定(会社所有か個人所有か)と、ポータルサイトアプリ内の端末ステータス。
- 切り分けの軸: 端末のネットワーク接続状態、ユーザーアカウントのIntuneライセンス有無、管理センター側のコンプライアンスポリシー割り当ての3軸で整理する。
- 注意点: 会社PCでレジストリや管理設定を自己判断で変更しない。不明な点は必ず管理者に確認してから対処する。
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目次
1. 「未評価」が発生する原因の分類
コンプライアンス評価が「未評価」になる理由は、端末の登録状況、ネットワーク、アカウントの3つに大別されます。それぞれの原因を詳しく見ていきます。
端末の所有権と登録状況
Intuneには、会社所有端末(Corporate)と個人所有端末(Personal)の2種類の登録方法があります。所有権が正しく設定されていないと、コンプライアンスポリシーの評価対象外となる場合があります。また、端末がIntuneに登録(Enroll)されていなければ、そもそも評価が行われません。ポータルサイトアプリで端末が「管理対象」として表示されているか確認してください。表示されていない場合は、登録手順を再度実行する必要があります。
ネットワークと通信の問題
Intuneと端末の通信が途絶えると、コンプライアンス状態が更新されません。社内Wi-FiやVPN経由でインターネットに接続できない場合、端末はIntuneサービスにチェックインできません。また、プロキシやファイアウォールでIntuneのエンドポイントがブロックされていないかも確認が必要です。特に、会社PCでセキュリティソフトが通信を制限しているケースがあります。
アカウントとライセンスの不備
ユーザーアカウントにIntuneのライセンス(Microsoft 365 E3/E5など)が割り当てられていないと、端末のコンプライアンス評価は行われません。また、アカウントが無効化または削除されている場合も同様です。管理者はMicrosoft 365管理センターで該当ユーザーのライセンス状態を確認してください。
2. 端末側で確認する手順(自分でできること)
以下の手順を順番に試して、問題の切り分けを行います。すべての操作は会社PCの設定範囲内で安全に行ってください。
- ポータルサイトアプリを開き、端末の状態を確認する。 「会社ポータル」アプリを起動し、デバイスタブで自分の端末が一覧に表示されるか確認します。表示されない場合は、再登録が必要です。
- コンプライアンス状態の更新を手動で実行する。 会社ポータルアプリ内の端末詳細画面で「同期」または「チェック状態」ボタンをタップします。これにより、Intuneに対して強制的にチェックイン要求が送信されます。
- 設定アプリから同期を実行する。 Windowsの設定アプリを開き、「アカウント」→「職場または学校にアクセスする」→該当アカウントの「情報」→「同期」ボタンをクリックします。これにより、ポリシーの最新状態が取得されます。
- ネットワーク接続を確認する。 社内Wi-Fiに接続していることを確認し、ブラウザで任意の外部サイト(例:bing.com)にアクセスできるか確認します。VPN利用時は、VPNが正しく接続されているかも確認してください。
- 端末の日時とタイムゾーンが正しいか確認する。 日時が大幅にずれていると、認証トークンの有効期限チェックに失敗し、コンプライアンス評価が行われないことがあります。設定アプリの「時刻と言語」で自動設定にしてください。
- OSのアップデートが保留中でないか確認する。 Windows Updateに保留中の更新プログラムがあると、コンプライアンスポリシーでその更新が必須となっている場合に評価が「未評価」になることがあります。更新をインストールして再起動します。
- 会社ポータルアプリのバージョンが最新か確認する。 古いバージョンのアプリでは、正常にチェックインできないことがあります。Microsoft Storeから最新版に更新してください。
これらの手順を実施しても改善しない場合は、管理者側の設定に問題がある可能性が高いです。
3. Intune管理センターでの確認項目(管理者向け)
以下の確認は、Intuneの管理権限を持つIT管理者が行ってください。一般ユーザーは自分で操作せず、管理者に連絡しましょう。
コンプライアンスポリシーの割り当て
該当端末にコンプライアンスポリシーが割り当てられているか、Microsoft Intune管理センターの「デバイス」→「すべてのデバイス」で対象端末を選択し、「デバイスコンプライアンス」タブでポリシーの一覧を確認します。ポリシーが表示されない場合は、グループへの割り当てを見直します。
端末のチェックイン状況
同じく端末の詳細画面で「チェックイン履歴」を確認します。最終チェックインが数時間以上前であれば、端末がIntuneと通信できていない可能性があります。この場合、端末のネットワーク設定やエンドポイント接続を調査します。
条件付きアクセスポリシーとの関連
条件付きアクセスポリシーでコンプライアンス対応端末のみ許可する設定になっている場合、評価が「未評価」だとすべてのアクセスがブロックされます。管理センターの「条件付きアクセス」で該当ポリシーを確認し、対象ユーザーと端末状態を確認します。
4. 認証エラーと端末状態の切り分け方(比較表)
| 原因 | 主な症状 | 確認場所 |
|---|---|---|
| ネットワーク未接続 | ポータルサイトで「オフライン」表示、同期が失敗 | 端末のネットワーク設定、ブラウザのインターネット接続確認 |
| Intuneライセンス不足 | 管理センターでユーザーにライセンス未割り当て | Microsoft 365管理センターのユーザー一覧 |
| 所有権の競合または未設定 | 端末の所有権が「不明」または「個人」でポリシーが適用されない | Intune管理センターの端末プロパティ |
| OSバージョン未対応 | コンプライアンスポリシーで最低OSバージョンが指定されているが端末が古い | 端末のシステム情報、ポリシーの「要件」設定 |
| ポリシー未割り当て | 管理センターでポリシーがグループに割り当てられていない | Intune管理センターのコンプライアンスポリシー一覧 |
この表をもとに、症状に合った確認場所を優先的に調べることで、原因を絞り込めます。
5. 失敗しやすい対応と注意点
レジストリや強制リセットは避ける
会社PCでは、レジストリ編集やローカルグループポリシーの変更、強制再起動などは絶対に行わないでください。これらの操作は、セキュリティポリシーやMDM設定を破壊し、端末が管理不能になるリスクがあります。また、個人でIntuneから端末を削除したり、再登録を繰り返すと、同じ端末が複数回登録されて混乱の原因になります。
原因が複数重なっているケース
実際のトラブルでは、ネットワークとライセンスの両方に問題があるなど、複合的な原因で「未評価」が続くことも少なくありません。1つの要因を解決しても改善しない場合は、他の可能性も順番に検証してください。その際、端末の同期を何度も実行せず、1時間程度間隔を空けてから再度確認しましょう。
6. 管理者へ伝えるべき情報とよくある質問
管理者に連絡する際のポイント
以下の情報をまとめて伝えると、原因特定がスムーズになります。
- 端末名とユーザーアカウント(メールアドレス)
- OSのバージョン(Windows 11 22H2 など)
- 最終チェックインが成功した日時(自分で確認できる場合)
- 会社ポータルアプリで表示されるエラーメッセージ(スクリーンショット可)
- 試した手順(上記の1~7)とその結果
よくある質問(FAQ)
Q1. 「未評価」のまま数日経過していますが、問題ないですか?
A. 条件付きアクセスが有効な環境では、コンプライアンス評価が「未評価」の端末はすべての社内リソースにアクセスできなくなります。速やかに対処する必要があります。
Q2. 自分で端末を再登録してもいいですか?
A. 管理者の指示があるまで、自己判断での再登録は避けてください。既存の登録情報が失われ、別の端末として認識されるおそれがあります。
Q3. 同期ボタンを押しても「未評価」から変わりません。
A. 端末側の操作で改善しない場合は、管理者側のポリシー割り当てやライセンスの問題である可能性が高いです。上記の管理者連絡用情報をまとめて依頼してください。
Q4. 複数の端末で同時に「未評価」が発生しています。
A. 認証サーバーやIntuneサービスの障害、ネットワーク全体の問題が疑われます。管理者に一報を入れ、システム全体の健全性を確認してもらいましょう。
まとめ
「未評価」のコンプライアンス評価は、端末側からでもいくつかの手順で原因を切り分けられます。まずはポータルアプリの状態確認と手動同期を試し、ネットワークと日時設定をチェックする。それでも改善しない場合は、管理者に正確な情報を伝えてIntune側の設定を確認してもらいましょう。レジストリ変更や強制リセットなど危険な操作は避け、安全な範囲でトラブルシューティングを進めることが重要です。
超解決 リモートワーク研究班
Microsoft 365の導入・保守を専門とするエンジニアグループ。通信障害やサインイン不具合など、ビジネスインフラのトラブル対応に精通しています。
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