Windows Updateを適用した後、特定のデバイスが突然動作しなくなったり、スリープからの復帰に失敗するような不具合が生じることがあります。そうした症状の原因として、署名されていないデバイスドライバーが関与しているケースがあります。ドライバーの署名は、そのドライバーがMicrosoftの品質テストを通過し、かつ発行元が正規のものであることを示す重要な証です。本記事では、会社の管理端末で安全にドライバーの発行元を確認し、署名の有無を調べる方法を具体的に解説します。レジストリ編集や非公式ドライバーの導入は推奨せず、あくまで現状を把握して次の行動を判断するための手順に焦点を当てます。
【要点】この記事で確認すること
- 最初に見る場所: デバイスマネージャーとドライバーのプロパティ。特に「詳細」タブの「ドライバーファイルの詳細」や「デジタル署名」の有無を確認します。
- 切り分けの軸: 端末側のドライバー署名状態、アカウントの権限、管理設定(グループポリシーやMDMポリシー)の3軸で原因を切り分けます。
- 注意点: 会社PCでは管理者権限がない場合が多く、署名の強制インストールやレジストリ編集は行わないでください。判断に迷ったら必ずIT管理者に問い合わせてください。
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目次
署名されていないデバイスドライバーとは何か
Windowsがドライバーを読み込む際、そのドライバーが「署名」されているかどうかをチェックします。署名とは、発行元が正当な組織であり、ドライバーが改ざんされていないことを保証する電子証明書です。MicrosoftはWindows Hardware Quality Labs(WHQL)テストを通過したドライバーにデジタル署名を付与します。署名されていないドライバーは、以下のような経路で端末に存在することがあります。
- Windows Updateが提供したドライバーだが、互換性の問題で署名が無効化されている。
- 端末メーカーのサポートサイトからダウンロードしたベータ版ドライバー。
- 古いデバイス用に配布された、WHQLテストを通過していない互換ドライバー。
- 悪意のあるソフトウェアがドライバーファイルを置き換えた場合(この場合はセキュリティリスクが高い)。
Windows 10以降では、セキュアブートが有効な環境では署名のないドライバーは読み込まれませんが、特定の設定や古いハードウェアでは例外的に動作することがあります。しかし、動作したとしても安定性やセキュリティに問題を抱える可能性が高いため、会社のポリシーで署名済みドライバーのみ許可されるのが一般的です。
デバイスマネージャーで発行元を確認する手順
最も基本的な確認方法は、デバイスマネージャーから各デバイスのドライバープロパティを開くことです。以下の手順で署名の有無と発行元を確認できます。
- タスクバーの検索ボックスに「デバイスマネージャー」と入力し、開きます。
- 不具合が発生しているデバイス(例:ネットワークアダプター、USBコントローラー、ディスプレイアダプター)を探します。黄色い感嘆符が付いている場合は特に注意してください。
- 該当デバイスを右クリックし、「プロパティ」を選択します。
- 「ドライバー」タブをクリックし、「ドライバーの詳細」ボタンを押します。
- 表示されたドライバーファイルの一覧から、任意の.sysファイルを選択し、「デジタル署名の詳細」をクリックします。
- 「デジタル署名の詳細」ウィンドウで、「発行元」が「Microsoft Windows Hardware Compatibility Publisher」など信頼できる組織であることを確認します。「発行元」が空欄や「不明」の場合は署名されていません。
もし「デジタル署名の詳細」ボタンがグレーアウトしている場合、そのドライバーファイルにはデジタル署名が付与されていないことを意味します。また、イベントビューアでドライバーの読み込みエラーを確認する方法もあります。イベントビューアを開き、「Windowsログ」→「システム」で、ソースが「Kernel-PnP」または「CodeIntegrity」のエラーを探すと、署名のないドライバーがブロックされた記録が見つかることがあります。
署名の確認に使えるツールとその使い方
デバイスマネージャー以外にも、署名を確認する方法がいくつかあります。ここでは、管理者権限がなくても実行できるものと、管理者権限が必要なものを区別して紹介します。
PowerShellを使った署名確認(管理者権限不要)
Get-AuthenticodeSignature コマンドレットを使用すると、特定のドライバーファイルの署名状態を確認できます。ただし、ドライバーファイルのパスを事前に知っておく必要があります。例として、デバイスマネージャーのドライバーの詳細からパスをコピーし、以下のコマンドを実行します。
Get-AuthenticodeSignature -FilePath "C:\Windows\System32\drivers\example.sys"
出力の「SignerCertificate」に発行元の情報が表示されます。「Status」が「Valid」であれば署名は有効です。「NotTrusted」や「HashMismatch」の場合は問題があります。
sigverif.exe によるシステムファイルチェック(管理者権限が必要)
署名のないドライバーをまとめて検出するには、ファイル署名検証ツール (sigverif.exe) を管理者として実行します。コマンドプロンプトを管理者モードで開き、「sigverif」と入力してEnterキーを押すとGUIウィンドウが起動します。「開始」ボタンを押すと、システム全体のドライバーをスキャンし、署名のないファイルの一覧を表示します。結果はテキストファイルとして保存できます。
| ツール | 管理者権限 | 用途 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| デバイスマネージャー | 不要 | 個別デバイスの署名確認 | ファイルごとに確認が必要 |
| Get-AuthenticodeSignature | 不要 | ファイル単位の署名確認 | パスの指定が必要 |
| sigverif.exe | 必要 | システム全体の署名チェック | 結果の解釈には知識が必要 |
不具合発生時の原因切り分け方法
Windows Update後にドライバー関連の不具合が起きた場合、署名の有無だけでなく、更新の種類やデバイスの動作状態を考慮して原因を切り分ける必要があります。以下のポイントを順に確認してください。
不具合の発生タイミングと更新の関係
まず、問題がWindows Updateの直後に発生したのか、それとも別の操作がきっかけかを特定します。「設定」→「更新とセキュリティ」→「更新履歴」から、直前にインストールした更新プログラムを確認します。特に「ドライバー更新」というカテゴリがあれば、そのドライバーが署名されていない可能性があります。また、更新をアンインストールして症状が改善するかどうかを試すのも一つの方法です(ただし、管理者権限が必要な場合があります)。
デバイスの状態とエラーコード
デバイスマネージャーで該当デバイスのプロパティを開き、「全般」タブの「デバイスの状態」を確認します。エラーコードが表示されている場合、そのコードをメモしておきます。例えば「コード 52」は「署名されていないドライバーが必要です」という意味です。このようなエラーコードは管理者に伝える際に有用です。
電源管理とスリープ/休止状態の影響
スリープや休止状態からの復帰時にドライバーが読み込めないケースがあります。この場合、デバイスのプロパティで「電源の管理」タブを開き、「電源を節約するためにコンピューターでこのデバイスの電源をオフにできる」のチェックを外すと改善することがあります。ただし、これは根本的な解決ではなく、署名のないドライバーが原因であれば、ドライバーの更新が必要です。また、会社のポリシーで電源管理設定がロックされていることもあるため、変更する前に管理者に確認してください。
失敗パターン:署名なしドライバーを無理にインストールしようとする
よくある失敗として、デバイスマネージャーから「ドライバーの更新」を手動で行い、互換性のない署名なしドライバーを選択してしまうケースがあります。これによりシステムが不安定になったり、起動しなくなるリスクがあります。絶対に発行元が不明なドライバーはインストールしないでください。また、レジストリを編集して「テスト署名モード」を有効にすると、署名のないドライバーが読み込まれるようになりますが、会社PCではセキュリティポリシー違反となるため行わないでください。
管理者に伝えるべき情報
問題を解決するためには、IT管理者に以下の情報を整理して伝えるとスムーズです。特に、ドライバーの署名状態やエラーコードは重要です。
- 問題が発生したデバイスの種類(例:ネットワークアダプター、GPU、USBコントローラー)。
- デバイスマネージャーで確認したドライバーの発行元と署名の有無。
- イベントビューアに記録されたエラー(特にKernel-PnPやCodeIntegrityのイベントID)。
- Windows Updateの履歴(直近でインストールした更新プログラムのKB番号)。
- 試した対処方法とその結果(例:電源管理設定の変更、ドライバーのロールバック)。
管理者はこれらの情報をもとに、組織の配布ドライバーとの整合性を確認したり、ドライバーの署名証明書が失効していないか検証したりすることができます。場合によっては、Microsoft Updateカタログから正規の署名済みドライバーを提供してもらえることもあります。
よくある質問(Q&A)
Q1: 署名されていないドライバーが見つかった場合、すぐに削除すべきですか?
削除する前に、そのドライバーが本当に不要かどうかを確認してください。デバイスが正常に動作している場合は、削除するとデバイスが使えなくなる可能性があります。まずはドライバーの発行元を確認し、正規のドライバーに置き換える方法を管理者に相談してください。
Q2: デバイスマネージャーで「署名されていません」と表示されないのに不具合が出るのはなぜですか?
デバイスマネージャーでは署名の有無が表示されないことがあります。実際には署名が無効化されていたり、ドライバーファイルの一部だけが署名なしの場合もあります。そのため、必ずドライバーファイルの詳細で個別に確認することをおすすめします。
Q3: 会社PCで管理者権限がなく、sigverif.exeが使えません。他に方法はありますか?
管理者権限がない場合は、デバイスマネージャーによる個別確認とPowerShellのGet-AuthenticodeSignature(ファイルパスがわかれば)が利用できます。また、管理者に依頼してsigverif.exeの結果を共有してもらうことも検討してください。
まとめ
署名されていないデバイスドライバーの発行元を確認するには、デバイスマネージャーのドライバー詳細から直接確認する方法が最も手軽で安全です。問題の切り分けには、Windows Updateの履歴やエラーコード、電源管理の設定も合わせて確認することが重要です。レジストリ編集や非公式ツールの使用は避け、会社のポリシーに従って管理者へ適切に情報を伝えることで、迅速な対応が期待できます。ドライバーの署名はWindowsの安定稼働に直結する要素です。日頃から更新履歴を意識し、不具合が起きた際には本記事の手順を参考に冷静に原因を特定してください。
超解決 第一編集部
疑問解決ポータル「超解決」の編集チーム。正確な検証と、現場視点での伝わりやすい解説を心がけています。
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