複合機で印刷やスキャンを行う際に、毎回ユーザー名とパスワードを求められる認証画面が表示され、業務効率が低下している方は少なくありません。この現象はWindowsに保存された資格情報が正しく機能していないことが主な原因です。本記事では、認証画面が繰り返し表示される原因を整理し、自分で解決できる手順と管理者に依頼すべき内容を具体的に解説します。手順に沿って確認することで、煩わしい認証操作から解放されるでしょう。
【要点】この記事で確認すること
- 最初に見る場所: Windowsの資格情報マネージャーと複合機のIPアドレス・ホスト名
- 切り分けの軸: 端末側の保存資格情報、印刷キューの状態、複合機本体の認証設定、Active Directoryのアカウント権限
- 注意点: 会社PCではレジストリの編集やドライバーの強制変更は管理者に確認してから行ってください
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目次
繰り返し認証画面が表示される代表的な原因
複合機の認証画面が何度も出る原因は、主に以下の4つに分類されます。それぞれが単独で発生することもあれば、複合的に絡み合っている場合もあります。まずはどの原因に該当するかを見極めることが重要です。
Windows資格情報マネージャーに古い情報が残っている
Windowsにはネットワークリソースへのアクセスに使う資格情報を保存する「資格情報マネージャー」という機能があります。パスワード変更後や複合機のIPアドレスが変わった際に、古い資格情報が残っていると認証に失敗し、再度入力を促す画面が繰り返し表示されます。特に会社で統一の複合機アカウントを使っている場合、更新漏れが発生しやすいポイントです。
印刷キューに認証エラーが滞留している
印刷ジョブが失敗した状態でキューに残っていると、新しいジョブを送るたびに認証要求が発生することがあります。キュー内のエラージョブを削除することで解決するケースも少なくありません。
複合機本体の認証方式とWindowsの設定が不一致
複合機側で「LDAP認証」「Windows統合認証」「ローカルアカウント認証」のどれを使うかが設定されています。ドライバー側の認証方式と合っていないと、繰り返し画面が表示されます。この場合、管理者が複合機の設定を確認する必要があります。
Active Directoryアカウントの権限不足
会社のネットワーク環境でActive Directoryを使ってユーザーを管理している場合、利用者のアカウントに複合機へのアクセス権限が適切に付与されていないと認証が通りません。権限変更後すぐに反映されないこともあります。
最初に確認すべきこと:端末と複合機の状態
原因を特定する前に、まずは以下の基本的な項目を確認してください。これだけで問題が解決することもあります。
- 複合機の電源とネットワーク接続を確認する。本体の表示パネルが正常に動作しているか、IPアドレスが正しく割り当てられているかを確認します。同じネットワーク内の別のPCから複合機のWeb管理画面にアクセスできれば到達性は問題ありません。
- 複合機のIPアドレスまたはホスト名を調べる。コマンドプロンプトで「ping 複合機のIP」を実行し、応答があるか確認します。応答がなければネットワーク障害の可能性があります。
- 印刷キューの状態を確認する。Windowsの「設定」→「Bluetoothとデバイス」→「プリンターとスキャナー」から該当複合機を選択し、「印刷キューを開く」をクリックします。キュー内にエラーのジョブがあれば右クリックで削除します。
- 複合機のドライバーが最新か確認する。メーカーのサポートサイトから最新ドライバーをダウンロードし、管理者権限でインストールします。会社で配布されている場合はIT部門に問い合わせてください。
- Windows資格情報マネージャーを開いて古いエントリがないか確認する。コントロールパネルから「ユーザーアカウント」→「資格情報マネージャー」を開き、「Windows資格情報」タブに複合機のIPやホスト名に関連するエントリがないか確認します。古いものがあれば削除します。
資格情報を整理する具体的な手順
認証画面が繰り返し表示される場合、最も効果的なのは資格情報マネージャーのクリーンアップと再登録です。以下の手順を順番に実行してください。
手順1:資格情報マネージャーで該当エントリを削除する
- キーボードの「Windowsキー + R」を押して「ファイル名を指定して実行」を開き、「control」と入力してコントロールパネルを起動します。
- 「ユーザーアカウント」をクリックし、「資格情報マネージャー」を選択します。
- 「Windows資格情報」タブを開き、一覧から複合機のIPアドレスやホスト名が含まれるエントリを探します(例:192.168.1.100 や printer.company.local)。
- 該当エントリの右側にある矢印をクリックして展開し、「削除」をクリックします。確認ダイアログで「はい」を選択します。
- 複数のエントリがある場合はすべて削除します。誤って他の重要な資格情報を削除しないよう注意してください。
手順2:印刷キューをクリアして複合機を再起動する
- 前述の手順で印刷キューを開き、すべてのジョブを削除します。「プリンター」メニューから「すべてのジョブを取り消し」を選択すると一括削除できます。
- 複合機の電源を一度オフにし、30秒待ってから再投入します。これにより内部の認証キャッシュがリセットされます。
- PCも再起動します。これによりドライバーやサービスの状態がリフレッシュされます。
手順3:新たな資格情報を正しく登録する
- 複合機に印刷を実行すると、認証画面が表示されます。その画面で正しいユーザー名とパスワードを入力し、「この情報を保存する」または「資格情報を記憶する」チェックボックスをオンにします。
- もし画面に保存オプションがない場合は、資格情報マネージャーで手動登録します。「Windows資格情報」タブで「Windows資格情報の追加」をクリックし、ネットワークアドレスに複合機のIPまたはホスト名、ユーザー名とパスワードを入力して「OK」をクリックします。
- 複合機の認証にドメインユーザーアカウントを使う場合は、ユーザー名を「ドメイン名\ユーザー名」の形式で入力してください。
手順4:既定のプリンター設定を確認する
Windowsで「既定のプリンター」が別の複合機に設定されていると、意図しない認証画面が表示されることがあります。設定アプリの「プリンターとスキャナー」から使用する複合機を右クリックし、「既定として設定」を選択してください。
それでも直らない場合の切り分け
上記の手順で改善しない場合は、原因が端末側ではなく複合機やネットワーク環境にある可能性が高いです。以下の表を参考に、次のアクションを判断してください。
| 状況 | 考えられる原因 | 確認先・行動 |
|---|---|---|
| 複合機のWeb管理画面に別のPCからはログインできるが、問題のPCだけ認証画面が出る | PC固有の資格情報かドライバーの不整合 | ドライバーを再インストール、または別のユーザーアカウントでログインしてテスト |
| 複合機のWeb管理画面にどのPCからもアクセスできない | 複合機のネットワーク障害または本体障害 | 複合機の電源再投入、スイッチやケーブルの確認、管理者に連絡 |
| 特定の部署の複数のPCで同現象が発生 | 複合機の認証設定やActive Directory側の権限問題 | 管理者に複合機の認証方式(LDAP、Windows認証など)と共有設定を確認してもらう |
| パスワード変更後に発生し始めた | 保存された古いパスワードが残っている | 資格情報マネージャーで該当エントリを削除し、新しいパスワードで再認証 |
管理者に確認すべき設定項目
端末側の対処で解決しない場合、管理者に以下の情報を伝えて調査を依頼してください。
- 複合機のIPアドレス、MACアドレス、設置場所
- 現象が発生しているPCのホスト名とユーザーアカウント
- 複合機のドライバーバージョンとインストール方法(プッシュ配布か個別インストールか)
- 複合機本体の「ユーザー認証」設定画面のスクリーンショット(可能なら)
よくある失敗パターンと回避策
実際のトラブルシューティングで見落としがちなポイントをいくつか挙げます。
資格情報マネージャーの削除対象を間違える
複合機とは関係のないネットワークフォルダや他のサービスの資格情報まで削除してしまうケースがあります。削除する前にエントリの「ターゲット名」や「種類」を確認し、複合機のIPやホスト名が明記されているものだけを削除してください。
「この情報を保存する」オプションを忘れる
認証画面が表示されたときに、正しいパスワードを入力しても「資格情報を保存する」チェックを入れずにOKを押すと、次回も同じ画面が表示されます。必ず保存オプションを有効にしてください。
ドライバーの「ユーザー認証を使用する」設定が無効になっている
プリンタードライバーのプロパティに「ユーザー認証を使用する」というチェックボックスがある場合があります。これがオフになっていると認証情報が送られず、複合機側で拒否されて繰り返し画面が表示されることがあります。ドライバーの設定画面を開き、該当オプションがオンになっているか確認してください。
再発防止と日常の運用対策
一度解決しても、パスワード変更や複合機のリプレースなどで再発する可能性があります。以下の対策を日頃から実施しておくと、トラブルを未然に防げます。
- パスワードを変更した際は、必ず資格情報マネージャーに保存されている複合機のエントリを更新してください。
- 複合機のIPアドレスが変わった場合も、古いエントリを削除して新しいIPで登録し直します。
- Windowsの「資格情報マネージャー」を定期的に開き、不要なエントリがないか確認する習慣をつけましょう。
- 会社のIT部門が配布するプリンタードライバーや設定スクリプトが最新であることを確認し、バージョンが古い場合は更新を依頼します。
- 複合機の認証方式が「Windows統合認証」の場合、ドメインに参加しているPCであれば自動的に認証が行われるため、資格情報の手動保存は不要です。逆に、ローカルアカウント認証の場合は手動保存が必要です。管理者に認証方式を確認しておきましょう。
まとめ
複合機の認証画面が繰り返し表示される問題は、Windows資格情報マネージャーに残った古い情報が原因であることが大半です。まずは資格情報の削除と再登録、印刷キューのクリアを試し、それでも解決しない場合は複合機本体やネットワーク環境、Active Directory設定に問題がないかを切り分けてください。管理者に依頼する際は、本記事で紹介した確認項目を伝えることでスムーズな対応が期待できます。日頃から資格情報を適切に管理し、パスワード変更時には忘れずに更新する習慣を身につけましょう。
超解決 第一編集部
疑問解決ポータル「超解決」の編集チーム。正確な検証と、現場視点での伝わりやすい解説を心がけています。
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