Windows Updateを実行した後、ネットワークが不安定になった、USBデバイスが認識されなくなった、スリープから復帰しないなどのトラブルが発生することがあります。これらの症状の原因として、更新プログラムと一緒にインストールされたドライバーが適合していないケースが少なくありません。特に会社PCでは、組織で配布されるドライバーとWindows Updateが提供するドライバーの間で競合が起きることもあります。本記事では、ドライバーストアに追加されたドライバーの発行元を確認する方法を、Windows標準の機能に絞って解説します。レジストリの直接編集やサードパーティ製ツールを使わずに、安全に原因を切り分ける手順を紹介します。
【要点】この記事で確認すること
- 最初に見る場所: デバイスマネージャーの各デバイスのプロパティから「ドライバーの詳細」タブを開き、ドライバーファイルのデジタル署名を確認します。
- 切り分けの軸: 端末側の問題か(ドライバーの競合・破損)、アカウント側の問題か(権限不足)、管理設定側か(グループポリシーによるドライバーのブロック)を区別します。
- 注意点: 会社PCでは、管理者が配布した署名済みドライバーのみを許可する設定がされている場合があります。勝手にドライバーを更新したり、削除したりするとポリシー違反になるため、確認は参照にとどめてください。
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目次
ドライバーストアとは何か
ドライバーストアは、Windowsがドライバーパッケージを安全に管理するためのシステムフォルダです。通常は「C:\Windows\System32\DriverStore\FileRepository」に格納されており、Windows Updateやデバイスの初回接続時にインストールされたドライバーがここに保存されます。このストア内のドライバーは、Windowsが自動的に署名を検証し、信頼できる発行元のものだけを許可します。しかし、Windows Update経由で提供されるドライバーの中には、Microsoftの署名はあっても、デバイスベンダーが正式に検証していないバージョンが含まれることがあります。そのため、特定のハードウェアで不具合を起こす原因となるのです。
発行元を確認する最大の目的は、現在動作しているドライバーがハードウェアメーカー(例:Intel、NVIDIA、Realtek)の公式署名なのか、Microsoftの汎用署名なのか、あるいはサードパーティの非公式なものかを判断することです。これにより、アップデートをロールバックすべきか、管理者に報告すべきかの判断材料になります。
デバイスマネージャーから発行元を確認する手順
最も確実で安全な方法は、デバイスマネージャーを使用することです。以下の手順で確認してください。
- デバイスマネージャーを開く:スタートボタンを右クリックし、「デバイスマネージャー」を選択します。またはキーボードのWindowsキー+Xキーを押してメニューから選ぶこともできます。
- 問題が発生しているデバイスを探す:ネットワークアダプター、USBコントローラー、ディスプレイアダプターなどのカテゴリを展開し、黄色い感嘆符が付いているデバイスや、名前が「不明なデバイス」となっているものを探します。ただし、見た目に問題がなくても、ドライバーの発行元が原因で不具合が起きている場合もあるため、関連するデバイスはすべて確認することをおすすめします。
- プロパティを開く:対象のデバイスを右クリックし、「プロパティ」を選択します。
- 「ドライバー」タブをクリック:表示されたプロパティ画面で「ドライバー」タブを開き、下部にある「ドライバーの詳細」ボタンをクリックします。
- 発行元を確認する:「ドライバーファイルの詳細」画面で、一覧から「.sys」や「.dll」などのファイルを選択すると、下部の「デジタル署名者」に発行元が表示されます。ここに「Microsoft Windows Hardware Compatibility Publisher」や「Intel Corporation」などと表示されていれば、その発行元が署名しています。もし「署名されていません」と表示された場合は、ドライバーが正しく署名されていない状態であり、Windows Updateで配布されたものではない可能性があります。
この方法で発行元が確認できない場合は、次のPowerShellを使う方法を試してください。
PowerShellでドライバーストア内の発行元を一覧表示する
複数のドライバーをまとめて確認したい場合や、特定の日付以降に追加されたドライバーを調べたい場合には、PowerShellが便利です。管理者権限でPowerShellを起動し、以下のコマンドを実行します。
Get-WindowsDriver -Online | Select-Object Driver, Publisher, Version, Date | Sort-Object Date -Descending
このコマンドは、現在のWindowsイメージに含まれるすべてのドライバーを表示します。表示結果の「Publisher」列に発行元が記載されます。例えば、Windows Update経由で追加されたドライバーは「Microsoft Windows」と表示されることが多く、デバイスベンダーからのものは各社の名前が表示されます。
さらに、特定のデバイスのドライバーだけを絞り込みたい場合は、次のようにフィルターをかけます。
Get-WindowsDriver -Online | Where-Object {$_.Driver -like "*ネットワーク*" -or $_.Driver -like "*nvidia*"}
ただし、このコマンドは管理者権限が必要です。会社PCで権限が不足している場合は、IT管理者に依頼してください。また、出力結果の「Driver」列は、ドライバーストア内のフォルダパスを示していますが、発行元の確認には直接関係ありません。
注意点:PowerShell実行時の権限とポリシー
会社のセキュリティポリシーによっては、PowerShellスクリプトの実行が制限されている場合があります。その場合は、デバイスマネージャーからの確認だけに留めてください。また、出力されたドライバー情報を変更しようとしないでください。誤って削除するとシステムが不安定になります。
ドライバーの発行元と不具合の関係性
| 発行元 | 特徴 | 発生しやすい不具合 |
|---|---|---|
| Microsoft Windows Hardware Compatibility Publisher | Microsoftが署名した汎用ドライバー。多くのデバイスで動作するが、独自機能が使えない場合がある。 | スリープ復帰後、デバイスが応答しなくなる。ネットワーク速度が低下する。 |
| Intel Corporation / NVIDIA / Realtek などデバイスベンダー | ハードウェアメーカーが提供する専用ドライバー。機能がフルに使えるが、特定のWindows Updateと競合することがある。 | 特定のバージョンでブルースクリーンが発生。USBデバイスの認識が不安定。 |
| 署名なし / Unknown | デジタル署名がないドライバー。通常、Windows Updateでは配布されないが、手動インストールや古いデバイスで見られる。 | Windowsのセキュリティ要件によりドライバーが読み込まれず、デバイスが使えない。システムの不安定化。 |
| Microsoft Windows 以外の組織(例:サードパーティベンダー) | デバイスベンダー以外の企業が署名している場合。稀に、互換性テストが不十分なものがある。 | 電源管理が正常に動作せず、スリープから復帰しない。GPUパフォーマンスの低下。 |
不具合が発生したタイミングと、Windows Updateのインストール日時が近い場合は、発行元がMicrosoftになっているドライバーを特に疑ってみてください。多くの企業では、デバイスベンダーの公式ドライバーを配布しているため、Windows Updateで上書きされることで問題が起こります。
失敗しやすいパターンとその対策
ドライバーの発行元確認でよくある失敗として、以下のようなケースがあります。
- 誤ったデバイスを確認する:不具合の原因がプリンターやBluetoothにあるのに、ネットワークアダプターだけを見てしまうことがあります。システム全体のデバイスを一通り確認してください。
- 「ドライバーの詳細」が表示できない:権限不足やドライバーが正しくインストールされていない場合、ボタンがグレーアウトしていることがあります。その場合は、デバイスの再スキャンや再起動を試してから再度確認してください。
- 発行元が「Microsoft Windows」と表示されても、必ずしも悪いとは限らない:汎用ドライバーでも安定して動作するケースは多いです。逆に、特定のベンダードライバーにバグがある場合もあります。発行元だけでなく、ドライバーのバージョンと日付も併せて記録しておきましょう。
- 更新をロールバックする前にバックアップを取らない:ドライバーのロールバック機能を使う場合でも、念のため復元ポイントを作成するか、現在のドライバーファイルをエクスポートしておくと安心です。
管理者に報告すべき情報
トラブルが発生した際、IT管理者に以下の情報を伝えると、問題解決がスムーズになります。
- 不具合の症状と発生タイミング:例えば「スリープからの復帰後にUSBマウスが認識されない。Windows Update KBxxxxxをインストールした翌日から発生」というように具体的に。
- 問題のデバイスと発行元:デバイスマネージャーで確認したデバイス名と、ドライバーの発行元、バージョン、日付を伝えます。
- 試したこと:再起動、デバイスの無効化/再有効化、電源プランの変更など、自分で試した対処法を列挙します。
- 会社の標準ドライバーとの違い:会社が配布しているドライバーのバージョンがわかれば、それとの差異を伝えてください。
よくある質問(FAQ)
Q1. ドライバーの発行元を確認しても、問題の原因が特定できません。どうすればいいですか?
発行元だけでは原因が特定できないことはよくあります。その場合は、イベントビューアーで「システム」ログを確認し、エラーが発生しているタイミングを調べてください。また、Windows Updateの更新履歴から、最近インストールしたドライバー更新をメモしておき、管理者に相談することをおすすめします。
Q2. ドライバーストア内のドライバーを直接削除しても安全ですか?
絶対にしないでください。手動で削除すると、システムが不安定になったり、同じデバイスを再接続したときに正しく認識されなくなる恐れがあります。ドライバーの管理は必ずデバイスマネージャーやWindows Update経由で行うようにしてください。
Q3. スリープ不具合が発生した場合、電源管理設定を変更してもよいですか?
会社PCでは電源管理設定がグループポリシーで制限されていることが多いです。まずは管理者に問い合わせてから変更するようにしてください。また、スリープ関連の不具合はドライバーが原因のケースが多いため、ドライバーのロールバックを検討するほうが効果的です。
Q4. PowerShellコマンドが実行できません。エラーになります。
管理者権限で実行していますか?「アクセスが拒否されました」というエラーが出る場合は、実行ポリシーが制限されている可能性があります。その場合は、管理者に依頼して一時的にポリシーを緩和してもらうか、デバイスマネージャーからの確認に切り替えてください。
まとめ
Windows Update後に発生するドライバー関連のトラブルでは、まずデバイスマネージャーで発行元を確認することが第一歩です。発行元がMicrosoftの汎用署名なのか、ハードウェアベンダーの署名なのかを見極めることで、ドライバーのロールバックや管理者への報告が適切に行えます。PowerShellを使えば複数のドライバーを一覧できますが、権限不足の場合は無理に実行しないでください。会社PCでは、自分でドライバーを削除せず、症状と発行元の情報を管理者に伝えることが最も安全な解決策です。
超解決 第一編集部
疑問解決ポータル「超解決」の編集チーム。正確な検証と、現場視点での伝わりやすい解説を心がけています。
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