WordのSmartArtで見た目を整えるときは、全体のスタイル、図形の色、文字の書式を分けて調整します。影や立体感を付けるだけで、内容が伝わりやすくなるとは限りません。報告書では、まず文字と背景の区別、項目の順序、強調する箇所が読み取れることを優先しましょう。
この記事はWindows版デスクトップWordを中心に説明します。SmartArt全体、内部の図形一つ、文字の一部分では変更される範囲が違います。変更前の文書を別名で保存するか、SmartArtを作業用コピーへ複製してから試すと、効果の比較や戻し作業がしやすくなります。
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1.全体・図形・文字のどこを変えるか決める
全体の雰囲気をそろえるのは[SmartArtのスタイル]、配色の組合せを変えるのは[色の変更]です。図形一つの塗りつぶしや枠線を変えたい場合は、その図形を選びます。特定の語句だけを太字にするなら、文字を選択します。これらを同じ操作として扱わないことが、意図しない一括変更を避ける第一歩です。
たとえば「受付→確認→承認」の3段階なら、まず全体を落ち着いた配色へそろえ、最終判断である「承認」だけを強調します。3項目とも別々の強い装飾にすると、どこを見るべきか分かりにくくなります。色で区別する場合も「完了」「要確認」などの文字を併用し、色だけに意味を持たせないようにします。
SmartArtのテーマ色は、文書全体のテーマを変更すると見た目も変わる場合があります。図だけの配色を直したいのに、文書のテーマを先に変えると本文やほかの図にも影響します。今回変える対象がこの図だけなら、SmartArt側の設定から始めます。
2.スタイルと色を一つずつ選んで比較する
- SmartArtの外枠をクリックして全体を選択します。
- [SmartArtのデザイン]を開き、[SmartArtのスタイル]の一覧を展開します。
- 候補にポインターを合わせてプレビューし、線や影が文字を邪魔しないスタイルを選びます。
- [色の変更]で配色を調整します。
- 選択を外し、文書の中で周囲の文章と一緒に見て確認します。
タブ名は版により[SmartArtツール]の[デザイン]などと表示されます。該当タブが出ない場合は、内部の文字だけではなく外枠を選び直します。選択した対象が画像として貼られたものなら、SmartArtのスタイルを編集することはできません。元の編集可能なSmartArtを開いて変更します。
立体的なスタイルは、短い項目を大きく載せる用途では選択肢になります。ただし、小さく印刷する報告書では傾きや光沢が文字を読みにくくすることがあります。まず平面的なスタイルで読みやすさを確保し、効果を加えた後に同じ倍率で比較してください。「3Dなら高品質」という選び方は不要です。
効果を細かく調整する場合も、全体へ作用する設定か、選択した図形だけの設定かを確認します。目的の効果が見つからなければ、スタイルの一覧から近い見た目を選び、文字の読みやすさを比較します。MicrosoftのSmartArtの配色とスタイルでも、全体と個別図形の変更が分けて説明されています。
3.フォントは対象範囲を確認して変更する
図全体の書体をそろえる場合は、SmartArtの外枠を選び、[ホーム]のフォントとサイズを変更します。選択状態が分かりにくい場合は[テキストウィンドウ]を開き、対象の文字を選んで設定する方法もあります。文書本文でCtrl+Aを押して全体を選んでしまわないよう、どこに入力カーソルがあるか確認してください。
一つの項目だけを強調したい場合は、その項目の文字を選択して太字や文字色を変えます。「文字を選んだから書体を変更できない」ということではありません。文字の一部に効かせるか、図形内全体へ効かせるかを選択範囲で分けます。変更後にほかの項目も変わっていたら、その操作を取り消して選び直します。
フォントサイズを上げても収まりが悪い場合は、最も長い項目を確認します。SmartArtでは一つの図形の文字が縮小されると、ほかの文字も同じ大きさへ調整される場合があります。本文用テキストボックスの自動調整スイッチが、どのSmartArtでも同じように使えるとは限りません。固定行間にすれば自動縮小が止まる、という操作でもありません。
たとえば「担当者が提出書類の記載内容を確認する」を「書類確認」とし、確認事項を図の下へ説明すれば、図の中では工程名を読み取りやすくできます。ただし、内容を省略しすぎて「誰が何をするか」が消えないよう、本文と対応させます。文字サイズをむやみに下げる前に、説明の置き場所を整理してください。
4.変更が反映されないときに確認すること
全体を変えたつもりで一つだけ変わる
内部の図形一つや文字だけを選択していないかを確認します。いったん本文側をクリックして選択を外し、SmartArtの外周を選び直します。逆に一つだけを変えたいのに全体が変わるなら、対象の文字をなぞって選ぶなど、選択を狭めます。選択枠の数や入力カーソルの有無を見て判断します。
一部の色や線だけがそろわない
以前にその図形へ個別の塗りつぶしや枠線を指定していないか確認します。全体のスタイルを変える前に個別設定を控え、必要ならその図形だけを調整します。いきなり全体をリセットすると、残したかったサイズや位置も変わるため、対象を限定した比較を優先してください。
別の文書へ貼ると雰囲気が変わる
貼り付け先のテーマや書体、SmartArtのサイズを確認します。同じ書体が使えない環境では代替フォントによって折り返しが変わることがあります。元の書式を保持する選択肢があっても、相手側ですべて同じ見た目になる保証ではありません。配布先の形式で確認し、編集不要ならPDFも比較します。
PowerPointのアニメーションや[図形に変換]などを、Wordにも同じ場所・同じ条件で使える機能として探さないでください。SmartArtの資料が複数アプリ共通の場合は、適用先とアプリ別の説明を確認します。スタイル調整のために、Word内のSmartArtを分解する必要はありません。
5.グラフィックのリセットで戻るもの・残るもの
[SmartArtのデザイン]→[グラフィックのリセット]は、図形の色、線、効果、個別の大きさや位置などを既定の状態へ戻すための機能です。一方、文字そのものと文字に付けた書式、選んだレイアウトなどは残ります。「文字だけになる」「フォントや改行がすべて消える」という操作ではありません。
この違いはMicrosoftのリセット時に残る変更・削除される変更に整理されています。以前の完成状態へ戻したいときは、直前なら[元に戻す]、後からなら保存したコピーと比較して復元します。既定の状態と、自分が編集する前の状態は同じとは限りません。
リセットを試す場合はコピー上で行い、文字、図形の数、位置、色を比較します。確認したいのが一つの図形だけなら、その図形のリセットが利用できるかも確認します。失敗の原因が分からないまま繰り返しリセットするより、何が変わったかを追える状態を残す方が修正しやすくなります。
6.装飾より読めることを基準に仕上げる
最後に、最も長い項目、暗い背景に置いた文字、縮小後の印刷サイズを確認します。白黒印刷でも工程を区別できるか、矢印や位置の意味が装飾で隠れていないかも見てください。図の内容を短い本文でも説明しておくと、色や見た目だけに頼らず情報を伝えられます。
構成を決め、全体のスタイルと配色をそろえ、必要な語句だけ強調する。この順序なら、書式の変更が図の意味まで変えてしまうことを避けながら、文書に合う見た目へ整えられます。
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