まだ本文を書いていない企画書なら、最初に見出しだけを並べると、何を調べ、何を書くべきかがはっきりします。Wordのアウトライン表示を使って、新人研修の企画書を「目的」「内容」「実施条件」の3章に整理してみましょう。
目標は、見出しをきれいに装飾することではなく、本文を書き始められる構成案を作ることです。以下はWindowsのデスクトップ版Wordを使う手順です。本文のある報告書を並べ替える場合は、既存文書の章を移動する方法を参照してください。
【要点】章・節・本文メモを分け、各節で答えることを一つずつ決めます。項目を深い階層に分けるだけでは、内容の重複や不足は解消しません。
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1. 企画書で決めたいことを先に書き出す
この例の読者は研修の実施を判断する上司です。知りたいことは「なぜ必要か」「何を教えるか」「実施できるか」の三つとし、それぞれ「目的」「内容」「実施条件」という章名にします。
「目的」には「対象者」「到達目標」、「内容」には「講義」「演習」、「実施条件」には「日程」「担当者」「予算」の節を置きます。研修の効果がまだ確定していない場合、効果を断定する文章から書き始めず、到達目標と確認方法を考えます。
章名と細目を混ぜたメモから、次のような階層へ整理します。「予算」は「内容」と同列の章にするのではなく、実施条件の一つとして扱います。これは今回の企画書の設計例で、すべての企画書に共通の正解ではありません。

2. 白紙から章と節を入力する
- 新しい文書を作り、分かりやすい名前で保存してから[表示]→[アウトライン]を開きます。
- 「目的」「内容」「実施条件」を別々の段落に入力し、それぞれの段落レベルを1にします。
- 各章の直後に対応する節を入力し、「対象者」「到達目標」などの段落レベルを2にします。
- 節の下へ執筆用メモを入れる場合は、その段落を[本文]に切り替えて入力します。
- [レベルの表示]をレベル2にして、章と節だけの一覧を読み直します。
新しい行が常に見出し1になるとは限りません。Enterを押して次の段落へ進んだら、入力する内容が章・節・本文のどれなのかに合わせてレベルを確認します。箇条書きをTabで字下げする操作と、アウトラインのレベル変更も区別します。
「対象者」は目的の直後、「講義」は内容の直後というように、上位見出しとの位置関係を確認してください。レベル2を指定するだけでは、離れた場所にある正しい章の下へ自動で移るわけではありません。
3. 執筆用メモを見出しにしない
見出し2「対象者」の下には「配属1か月以内の新入社員を想定。参加人数は人事へ確認する」と本文メモを置きます。「到達目標」には「演習後、自分で申請書を作成できることを確認する」と書きます。どちらも章名ではなく、後で本文を作る材料です。
メモまで見出し2にすると、一覧や目次に長い文章が並びます。逆に「予算」まで本文にすると、構成を見渡したときに必要な節があるか分かりません。見出しには扱う話題、本文には説明・数値・調べる事項を置きます。
内容が同じなら、節を増やさず一つにまとめます。たとえば「研修のねらい」と「研修の目的」を別に置いた場合、両方で何を書くか説明できるか確認しましょう。書き分ける理由がなければ、見出しを一つにするほうが本文も重複しにくくなります。
4. 書き始める前に不足を点検する
| 節 | 本文で答えること | 不足しているなら |
|---|---|---|
| 対象者 | 誰が参加し、何人を想定するか | 対象部署・人数の確認先を決める |
| 到達目標 | 研修後に何ができればよいか | 確認する課題を一つ決める |
| 講義・演習 | 目標に必要な内容は何か | 目標に結び付かない内容を見直す |
| 日程・担当者・予算 | いつ、誰が、どの費用で実施するか | 未定の項目を本文メモに残す |
章だけで流れが分かるかはレベル1、節の不足を調べるときはレベル2、メモを読むときはすべてのレベル、と表示を切り替えます。これは内容の点検方法であり、表示レベルを変えても各段落の階層は変わりません。
この段階ではページ数を合わせるための空行や手動改ページを増やしません。本文が入るとページの区切りが変わるため、構成を確定して書き進めた後に紙面を調整します。
5. 見出しスタイルを確認して本文を書き始める
[表示]→[印刷レイアウト]へ戻り、[ホーム]のスタイルで章が[見出し1]、節が[見出し2]になっているか確認します。意図した見出しスタイルが付いていない段落は、対応するスタイルを適用します。見た目を変える場合も、章ごとに文字を拡大するより、同じ階層で同じスタイルを使います。
ナビゲーションウィンドウの[見出し]を開くと、本文を書き足しながら構成を確認できます。本文メモを完成した文章へ置き換え、確認待ちの数値は担当者に確認してから記入します。メモを消し忘れたまま配布しないよう、完成前に「確認する」「未定」などの語を検索して見直すと便利です。
見出しができても、目次が自動的に挿入されるわけではありません。必要な文書では、本文を書いた後に[参考資料]から目次を挿入し、見出しやページが変わったら目次を更新します。構成案の完成と、配布用文書の完成は別の段階です。
6. 構成案の完成条件を決めてから執筆する
「目的・内容・実施条件」の3章に必要な節があり、各節で答えることと調べることが分かれば、本文を書き始められます。アウトラインは、文章の代わりに見出しを増やすためではなく、読む人が必要とする説明を準備するために使いましょう。
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