同期とは、複数の場所にあるデータへ変更を反映し、状態をそろえる仕組みです。ファイルの同期では、PCで編集した内容をクラウドや別の端末へ届けることができます。ただし、削除も反映される場合があるため、同期しているだけで以前の状態へ戻せるとは限りません。

同じ「同期」でも、どちら向きに変更するか、何を対象にするかは製品や設定によって異なります。ここではファイルを中心に、ダウンロードやバックアップとの違い、PCに表示されるファイルを扱うときの注意点を説明します。

【要点】同期中のファイルを扱う前に確認すること
  • 同期は変更の反映です。更新だけでなく、削除が同期先へ届く場合もあります。
  • 同期とバックアップ、ファイル名の表示と端末内への保存は、それぞれ別のものです。
  • 端末の返却やファイル整理の前に、対象アカウント、同期状態、復元方法を確認しましょう。

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ファイルを同期すると何が起きる?

例えば、PCの同期フォルダーにある企画書を更新すると、同期アプリがその変更をクラウドへ送ります。別の端末も同じ対象を同期していれば、変更が届いた後に更新版を利用できます。メールでファイルを送り直す操作とは異なり、設定した場所の変更を継続的に反映する点が特徴です。

このPC企画書を更新
クラウド同期後に更新を反映
別の端末変更が届いてから利用
双方向に変更を反映する同期の例。すべての製品・設定が同じ動作をするわけではありません。

インターネットにつながっていない間や、アプリが停止している間は、変更がすぐに届かないことがあります。MicrosoftのSharePoint・Teamsの案内でも、オフラインで行った変更はオンラインへ戻った後に同期されると説明されています。保存ボタンを押したことと、共有先まで反映されたことは分けて確認しましょう。[1]

同期先の内容を開くには、その場所へのアクセス権も必要です。同期を設定したからといって、閲覧のみのファイルが編集可能になったり、権限のないフォルダーを開けるようになったりするわけではありません。仕事用と個人用のアカウントを取り違えていないかも確認しましょう。

同期・ダウンロード・バックアップの違い

3つは、どれもファイルを別の場所で使う場面に登場しますが、目的が異なります。同期は状態をそろえるため、ダウンロードはデータを取得するため、バックアップは必要な状態へ戻せるよう備えるために行います。

ファイルを別の場所へ保存する操作の比較
操作主な目的注意点
同期変更を複数の場所へ反映する編集や削除が同期先へ届く場合がある
ダウンロードサービスから端末へデータを取得する取得後の変更を元へ反映するかは、保存先やアプリの仕組みによる
バックアップ復元に使うデータを残す対象・保存時点・保持期間・復元方法の確認が必要

例えば、同期フォルダーの企画書を誤って上書きした場合、その上書きも同期先へ反映されることがあります。別の端末に同じファイルが表示されているからといって、そこに上書き前の版が残っているとは限りません。以前の状態が必要なら、バージョン履歴や別のバックアップを調べる必要があります。

一方、取得したファイルを同期対象ではない保存先に独立したコピーとして置いた場合、その後の変更が元のファイルへ自動で届くとは限りません。相手が元のファイルを更新しても、手元のコピーが古いままになることもあります。「同じ名前のファイル」だけで判断せず、保存場所と同期の対象を確認しましょう。

バックアップが必要な仕事のデータは、会社が認めた保存先と運用ルールに従いましょう。個人用クラウドや私物の記録媒体へコピーすることを、一般的な解決策として選ばないよう注意しましょう。

PCに表示されるファイルは、すべて端末に保存されている?

ファイル名やアイコンが見えることと、ファイルの中身がPCに保存されていることは同じではありません。例えばOneDriveのファイルオンデマンドには、必要になったときに取得する「オンラインのみ」の状態があります。この状態のファイルは、インターネットがないと開けません。[2]

出張先や機内などで資料を使う場合は、出発前に必要なファイルを端末で使える状態へ準備しましょう。OneDriveでは「このデバイス上で常に保持する」という選択があります。対象ファイルのダウンロードが終わったことを確認し、可能なら通信がない状態でも開けるかを確かめましょう。

端末に中身が保存されれば、その分の容量を使います。また、端末内に保存されたファイルであっても、同期対象なら編集・削除が共有先へ反映される場合があります。「PCにあるからPCだけのコピー」「オフラインで開けるからバックアップ済み」とは判断しないよう注意しましょう。

移動中に編集する資料と、他の人が同時に編集する資料が同じ場合には、変更が届くまで時間差があることも考慮する必要があります。重要なファイルでは、誰がどこを編集するかをチーム内で確認し、オンラインへ戻った後に同期の結果を確かめましょう。

容量を空けたいとき、同期フォルダーを削除してもよい?

PCの空き容量を増やすために、同期中のファイルを削除するのは注意が必要です。OneDriveでは、オンラインのみのファイルを端末側で削除した場合も、クラウドや他の端末から削除されます。自分のPCだけから表示を消す操作とは異なります。[2]

OneDriveの「空き領域を増やす」は、ファイルをオンラインのみへ戻す操作であり、クラウドにあるファイルの削除とは別です。容量を空けたいのか、ファイル自体が不要なのか、PCへの表示をやめたいのかを先に整理しましょう。目的が異なれば、選ぶ操作も変わります。

TeamsやSharePointの共有ファイルは、他の人が使うファイルでもあります。自分のエクスプローラーに見える場所で削除しても、影響が自分だけにとどまるとは限りません。返却予定のPCから会社のフォルダーを片付ける場合は、同期を止めるためにフォルダーを丸ごと削除せず、管理者や公式の案内で適切な解除方法を確認しましょう。

誤って削除したときは、共有元のごみ箱や履歴、組織のバックアップを確認することになります。戻せる期間や対象は契約・設定などで変わるため、「同期していれば何日前でも戻せる」とは考えないよう注意しましょう。必要な情報が消えた場合は、対象の保存先、ファイル名、削除した時刻を控え、会社の管理者へ早めに相談しましょう。

変更が届かないときに確認する順序

同期が遅い、別の端末で古い内容が開く場合も、最初から同期設定を作り直す必要があるとは限りません。まず対象のファイルとアカウントをそろえ、どこまで変更が届いているかを確認しましょう。

  1. 編集したファイルの保存先と、別の端末で開いているファイルの保存先を確認しましょう。同名の別コピーではないかも確かめましょう。
  2. アプリ上での保存が終わっているか、同期アプリが動いているかを確認しましょう。同期状態のアイコンやエラー文も確かめましょう。
  3. 利用を許可された方法でクラウド側の対象ファイルを開き、更新が届いているかを確認しましょう。共有元と別のフォルダーを見ていないかに注意しましょう。
  4. 権限や組織の制限に関する表示があれば、解除を試す前に管理者へ確認しましょう。エラーを消すために共有元のファイルを削除しないよう注意しましょう。

クラウド側に変更が届いているなら、受け取る端末の状態を調べる手掛かりになります。届いていないなら、編集元の保存や送信の状態を調べる必要があります。これは原因を切り分けるための見方であり、アイコン1つだけで全端末の内容が一致すると保証するものではありません。

端末の返却やアプリの削除を予定している場合は、まだ端末にしかない変更がないかを必ず確認しましょう。保存結果が分からないままファイルを整理せず、必要なデータが正しい共有先で開けることを確認してから、会社の返却手順に従いましょう。

まとめ

同期は変更を届けて状態をそろえる仕組みです。過去の状態を残すバックアップとは役割が異なり、削除も同期先へ届く場合があります。ファイルを扱う前に、保存場所、利用アカウント、端末内への保存状態、復元方法を確認しましょう。容量を空ける操作とファイル自体を削除する操作も、分けて選びましょう。

出典

  1. Microsoft Support:SharePoint・Teamsのファイルとコンピューターを同期する(同期、オフライン編集、アクセス権)
  2. Microsoft Support:OneDriveのファイルオンデマンド(端末内への保存、削除、空き領域を増やす操作)