「パソコンを起動してから30分以上経つのに、HDDがずっと『ガリガリ…』と音を立てて動いている」「ブラウザを開くだけでフリーズしそうになり、タスクマネージャーを見たら『ディスク使用率』が真っ赤な100%に張り付いている」……。
特にHDD(ハードディスク)搭載のパソコンで頻発するこの現象。ウイルス感染を疑うかもしれませんが、犯人は多くの場合、Windows標準搭載の「高速化機能(SysMain)」です。
「アプリを速く起動するための機能」が、皮肉にもHDDの首を絞めてPC全体を激重にしているのです。
この記事では、逆効果になっているこれらの機能を停止(無効化)し、ディスク負荷を強制的に下げるチューニング手順を解説します。
目次
手順1:【諸悪の根源】SysMain(旧SuperFetch)を無効にする
空きメモリを使ってよく使うアプリを先読みする機能ですが、HDDにとっては「起動直後から大量のデータを読み書きさせられる」拷問のような機能です。これを止めると劇的に軽くなります。
- キーボードの [Windows] + [R] キーを押して、「ファイル名を指定して実行」を開きます。
- 入力欄に
services.mscと入力して [OK] を押します。 - サービス一覧(アルファベット順)の中から、[SysMain] を探してダブルクリックします。
(※古いWindows 10では [SuperFetch] という名前の場合があります) - 「スタートアップの種類」を [無効] に変更します。
- 下の「サービスの状態」にある [停止] ボタンを押します。
- [OK] を押して閉じます。
これでHDDの「ガリガリ音」が落ち着くか様子を見てください。
手順2:「Connected User Experiences…」を停止する
長い名前ですが、要は「診断データや使い勝手の情報をMicrosoftに送る機能(テレメトリ)」です。
これもバックグラウンドでディスクを使います。
- 先ほどと同じ「サービス(services.msc)」画面を開きます。
- [Connected User Experiences and Telemetry] という項目を探してダブルクリックします。
- 「スタートアップの種類」を [無効] に変更します。
- [停止] ボタンを押して [OK] で閉じます。
手順3:Windows Searchを「一時停止」して確認する
ファイル検索のために常にHDD内をパトロール(インデックス作成)している機能です。
完全に切ると検索が遅くなるので、まずは一時的に止めて効果があるか確認します。
- スタートボタンを右クリックし、[ターミナル (管理者)] または [コマンドプロンプト (管理者)] を開きます。
- 以下のコマンドを入力してEnterキーを押します。
net.exe stop "Windows Search" - これでディスク使用率が下がれば、この機能が原因です。
※恒久的に止めたい場合は、手順1と同じ「サービス」画面から [Windows Search] を無効にしてください(ただし、ファイル検索が遅くなるデメリットがあります)。
手順4:【根本解決】HDDを諦めてSSDに換装する
上記の設定を行っても100%張り付きが直らない場合、残念ながら**HDDの性能限界(または寿命)**です。
現代のWindows 10/11は、SSDで動くことを前提に設計されており、HDDでは構造的に無理があるのが現実です。
💡 SSDにするだけで別世界になります
設定でごまかすよりも、数千円で買える「SATA SSD」に交換(クローン)するだけで、ディスク使用率は数%まで下がり、起動時間は1/3になります。
「PCが遅い」という悩みに対する唯一にして最強の解決策です。
まとめ:Windowsのお節介機能を切れ
ディスク100%病の処方箋です。
| 犯人(サービス名) | 役割 | 対処 |
|---|---|---|
| SysMain | アプリ起動の先読み | 迷わず無効化 |
| Telemetry | 診断データ送信 | 無効化推奨 |
| Windows Search | ファイル検索インデックス | 重い時だけ停止 |
HDDユーザーにとって、SysMainの無効化は必須の設定です。
タスクマネージャーが常に赤い人は、今すぐservices.mscを開いて設定を変更してみてください。
